【全頭調教診断】しらさぎｓ、府中牝馬ｓ（GⅢ）2025【競馬の専門学校】

🐴ボルザコフスキー
キズナ産駒。2024年10月の信越S以来、中35週となる。動きはよく反応は早いが、抜け出したあとに楽に外から交わされており、久々を感じさせる。
まずは一回叩いて、様子を見てからではないか。レース勘を取り戻させるために3頭併せの内を走らせている。馬体は出来ているように見えるが、腹帯が少し食い込んでいるのを見るとややまだ太め残りか。

🐴キープカルム
牡馬の4歳。父ロードカナロア、母父サクラバクシンオーと、晴れれば路盤が硬い阪神にはピッタリの血統。ダービーCではトロヴァトーレに0.2秒差の3着と好走。今回は関西圏内だし、良いだろう。鞍上が坂井Jなのも勝負がかっている様子がある。中竹厩舎は今回、コレペティトールとの2頭出し。
中10週なので、少しだけ馬体がダブついて見え、少し牝馬っぽさもあるか。この一追いでどのくらいきっちりと出来てくるか。馬体重には注意。

🐴ラケマーダ
アメリカンペイトリオット産駒、母父アドマイヤムーン。こういう血統を見ると、やや時計がかかった方がいいのかもしれない。前走は京都芝1400mで1分20秒3(上がり33.0秒)。開催後半の時計がかかる京都で、これだけの時計は優秀。3週目とはいえ最終週の阪神なので、芝の状態でさ共通性はあるかと思う。あとは200mの延長がどうか。調教はこの馬なりにいいのではないか。前走と変わらない感じ。
やや走りが重たく見えるが、1完歩が広いのでスピード感を感じにくいためだろう。

🐴ダディーズビビット
まさか安田記念から中1週で使ってくるとは思わなかった。やりすぎな感じもするが、至って動きはしっかりしている。中1週なので、しっかりした時計を出したのは最終の1本のみ。阪神が合っている馬で、安田記念の前走の六甲S(L)では、1分32秒4(上がり33.4秒)で1着。それもあって、東京よりはまずはここで使っておこうという陣営の考えか。
馬体を見る限りは減ってはおらず、7歳の古馬だからかもしれないが、まだ太めに映るぐらい。阪神との相性で、好走できるか。

🐴ダイシンヤマト
あけぼのS(3勝クラス 中山芝1600m)を勝っての参戦で、1分32秒6とまあまあいい時計を出した。現在マイルで2連勝中で、調子はいいのだろう。調教自体は1週前の追い切りも非常に良かったが、口向きの悪さがある。右に右にと顔を向けるが、直線に入ると真っ直ぐを向いている。ただ、手前はぎこちないながらも変えているし、前掻きもすごい。前脚をグッと曲げ、掻き込むような力強いフォームをしている。口向きの悪さからは、右回りの方がいいだろうとは思う。

🐴レーベンスティール
AJCCは12着だが、この馬には馬場がきつかった。オールカマーで勝ったように、キレイな馬場の方がいい馬。59kgの斤量は懸念だが、エプソムC 、オールカマーで1着と強い競馬をしているので仕方ないか。
いきなり休養明け、初戦からでも走れる馬。サマーマイルシリーズを取りに来たのかは分からないが、調教はいい。久々だが、最終追い切りをこの程度で済ませているのは十分に馬ができているからだと思う。

🐴チェルヴィニア
調教はいい。やれば動く馬。美浦のウッドが時計が出やすい状況もあるが、楽に馬なりでこれくらいのいい時計は出せる。さすがは一流馬。木村哲也厩舎で最後に三頭併せをしており、本気度は感じる。57kgの斤量がどうか。

🐴シヴァース
後脚の蹴る力がとても強く、チップが弾け飛んでいる。牡馬なので、もう少し胸前に筋肉が欲しい。少し線の細いところがあるが、モーリス産駒の4歳なので、完成はこれからなのかもしれない。母がヴィブロスなので、佐々木オーナーも力が入るだろう。ただ、友道厩舎は1週前までに必ず作り上げ、最終追い切りでは流すようにしている。今回は最後に一杯追いをしているが、これはあまり結果が出ない調教パターン。
それか、ここを勝負と見て、完璧を期してこれほどの調教にしてきたのか？

🐴マテンロウオリオン
毎回調教のパターンはバラバラだが、今回は最終で一杯追いとややこしい調教をしてきた。新潟大賞典では14着。その前のダービーCではトロヴァトーレに0.2秒差の4着と今回出走する馬の中では上位。
大体は中間で横山典Jが調教をつけているが、今回は珍しく騎乗していない。もう馬のことはよくわかっているのでいい、と言うことか。警戒はしないといけない馬。鞍上も怖いし、重賞馬でもあるし、いつ走ってもいい。ただ、最終追い切りが一杯なのは珍しい。まだ重さが残っているのかもしれず、当日の馬体重は気を付けないといけない。

🐴デビットバローズ
父ロードカナロア、母父サンデーサイレンスと阪神は合う。エプソムC 9着だったが、2走前の大阪城S(阪神1800m(外))では1分44秒6(上がり33.5秒)で1着。阪神外回りの適性の高さを表していると思う。
今回200mの短縮になるが、阪神外回りであればこの馬はいいのではないか。調教もよい。1週前の6月11日に松山Jが乗ったときの調教が非常に良く見えた。最終追いでも、他馬がムチを入れられたり手綱を扱かれている中、楽々と外から交わしていっている。今が絶好調ではないかと見える。暑い時期も大丈夫じゃないかと思っている。

🐴タシット
ダービーC 7着だが、トロヴァトーレに0.3秒差と十分善戦はしている。中10週だが、調教は足りている。これくらいやれていれば十分か。1週前の方が、強めに追っていた分はあるが、伸びもあって良くは見えた。最終追いは馬なりで余力残し。馬はできているというところか。ただ重賞でどうこうという感じにはちょっと思えない。米子Sは昔は荒れるマイル戦だったので、その流れがあれば怖い。

🐴コレペティトール
真正面から見て、後肢がやたらと開いているように見える。ややガニ股。調子が悪い時だけこうなる馬もいるが、前に進もうとする力がしっかり伝えられないため、フォームとしては割引きたい。今回は障害の井上Jが乗るので、次走から障害に行くのかも。

🐴ダンツエラン
3歳牝馬で51kgと軽ハンデ。葵Sでは0.2秒差の6着。父ロードカナロアなので阪神は合っているはず。
ただ、早い時計への対応よりは、馬場がやや渋っている方が好績を持っている。1400mがベストの馬で、1600mでは結果を出しておらず、少し長い。51kgは魅力で、軽斤量でどこまで。調教は楽々と走っている。牝馬らしからぬ馬体で、大きく見せる。ただ、そのために距離の融通が効きにくいのかもしれない。

🐴ニホンピロキーフ
マイラーズC 4着以来、中7週。最終の時計は早いが、一杯追いでのもの。すこし重たさがあったのかもしれない。細く見えるが、パワー系の馬なので追えば当然時計は出る。あまりに高速馬場だと分が悪いが、最終週の荒れた馬場はこの馬に向くのでは。今回、田口Jから幸Jに乗り替わりだが、問題ないと見ている。時計がちょっとでもかかる良や稍重がこの馬のベスト条件。どんな馬が相手でも相手なりに走る馬なので、警戒は必要。

🐴ウンブライル
ロードカナロア産駒。阪神牝馬S 10着からの参戦。白富士SやキャピタルSなども使っており、東京が徹底的に悪いということではない。そんなに変わった様子はない。54kgだが、他の馬も軽い。1ハロンの延長がどう出るか。最近は昔と比べて後ろから行く競馬をやっているが、なかなか芽が出てこない。調教では、そんなに「おっ」というところはない。

🐴シングザットソング
脚元を見て分かるように、回転が速い。高野厩舎の馬なので、坂路2本目の時計で56.6秒。頭も高く、ピッチ走法のように完歩が小さい。フォームからは、直線の長い東京に向くとは思えない。

🐴フィールシンパシー
前走が福島牝馬S 3着。中山や福島で結構好走している。右回りがいいんじゃないか。東京も走るし、マイルでも割と早い時計を持っている。ただ、マイルならいいが、直線が長くなる1800mがどうか。東京1800mは割とスローで流れることが多いので、そのペースがこの馬に合うかどうか。距離自体はいいし、東京もいいが、東京なら1600mの方が向いているように思う。最終追いは4Fに留めて調整程度にしているが、1週前の調教は非常にスムーズでよかった。買いたくなる内容、人気次第では相手に入れておいてもよさそう。ベスト3には入らないが、+αには入れたい。

🐴アスコルティアーモ
福島牝馬Sでは逃げての9着で、そこから中8週。調教自体はそんなに目立つところはない。攻めれば時計は出るタイプなので、1週前の追い切りでも時計は出ている。今週もラスト3F 36.8-11.0秒といいタイムは出ているが、劇的に変わるような感じは見受けられない。今週、美浦Wで早い時計が出やすかったこともあるか。他馬が馬なりで走っている中、少し気合いを付けるも追いつかないのが、この馬の現状を物語っている気がする。

🐴エリカヴィータ
重賞馬だが、なかなか上がってこない。全体時計はいいものの、いつも最後の200mが切れない。どうしてもバテてしまうというか、気を抜いてしまう。もう少し早い時計が出るはずだが。52.1秒と全体時計はいいが、なかなかスランプから脱出できない。1週前も似たようなタイムで一杯追い切りをしているが、これと言って変わったところは見られない。

🐴カナテープ
レーンJが53kgは無理だということで、大野Jになった。3頭併せの1番内を手綱を引っ張り切りで走っている。最終追い切りなので、馬混みでの折り合いに重点を置いたものだと思う。
堀厩舎馬で、この調教は本気度は高いだろう。最終追いは地味に見えるが、1週前追い切りが非常に良かった。調教ベスト3の1頭。

🐴ラヴェル
良くなった。近走では一番の調教。矢作厩舎の坂路なので、フォームのチェックという意味でも時計が出ていないのはむしろプラス。近走はラチ沿いをもたれながら走っていたのであまり評価できなかったが、まっすぐ走るようになっており、ガラッと変わった感がある。あとは絶対雨が降らないことが大事。少しでも渋ると良くない。調教ベスト3の1頭。

🐴ミアネーロ
1ヶ月ほど前にディーJが騎乗し、今週も調教をつけている。本来らもう少し動く馬のはず。今まで見てきた感じからはもう少しいい調教ができそうなのに、意外だった。どこがいい、悪いと言った具体的なものではないが、見栄えがあまり良くない。気合いをつけて行っても、オープン馬相手だからかもしれないが、前の馬との差も縮まっていない。悪くはないが、とびきりよくもない内容。

🐴タガノエルピーダ
阪神牝馬7着だが、展開が向かなかった上、早い時計への対応も少し苦手。1600mよりは1800mの方がいいのではないか。あとは東京との相性。調教は普通、順調だろうと思う。今の東京は少し馬場が荒れているので、良馬場ではあるがこの馬向き。面白い一頭だが、団野Jが東京1800mで上手くハマる仕掛けを打てるか。

🐴セキトバイースト
福島と中山では、自分の競馬が出来なかったとは言え大敗している。関東県内に行くと不振な傾向。輸送が苦手なのかもしれないが、小倉では走っている。何がダメなのかははっきり分からないが、1日滞在するのが合わないのかもしれない。調教は意外と動いている。1週前の追い切りでも非常にいいタイムが出ており、調教ベスト3の1頭。馬体はギリギリでもなく、調教通りに走れば長い直線の東京でも問題ないと思う。

🐴カニキュル
3勝クラスになったばかりで、2ランク上の挑戦になるために52kgのハンデだが、この馬には正直恵まれた斤量か。調教自体は時計をしっかり出しているが、中6週で4本と少ないものの社台の馬なので外厩で仕上げてくるだろう。フォームも問題なく、この馬の力は出せるか。52kgでの出走だし、まず勝負がかっているだろう。まっすぐ走れていて、よく見えた。

🐴ラヴァンダ
シドニーT(京都2000m)2着からの参戦。その前は阪神牝馬Sで3着と、今シーズンは調子がよさそう。中3週かつ輸送があるので、そんなに強めの調教はしておらず、最終追い切りも馬なりで坂路。まっすぐ走っており、少し浮いている(対空時間が長い)ような感じだが力強い。キーン校長の好きな感じの調教。中3週で調整が失敗し、馬体重が大きく増えていたら厳しいかもしれないが、十分善戦するだけの動きはしていると思える最終追い切りだった。