血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週は12月28日に開催された2歳王者決定戦、ホープフルステークス(G1)を勝ったキラーアビリティを取り上げます。
3枠5番キラーアビリティは好スタートからなだめて、3番手の位置を確保。
3~4コーナーでムチを一発入れると、気合いをつけて直線へ。
残り200mを切って先頭に立つと、その後も脚色は衰えず。
最後は余裕を持ってゴール板を駆け抜けた。
本馬はこれで2勝目。見事2歳G1のタイトルを獲得して、来年の主役候補に躍り出た。
コントレイルの父ディープインパクトは現役時代、7つのG1を制した「日本近代競馬の結晶」と言われる歴史的名馬。
種牡馬としても2012年から2020年現在まで9年連続で種牡馬ランク首位。
競走馬としても種牡馬としても日本競馬の代表的存在。
(2019年7月30日逝去)
母キラーグレイシスはアメリカ産馬で、現役時16戦3勝。
主な勝ち鞍はハリウッドスターレットS(アメリカG1・ダート8.5F)
現役引退後、日本に輸入され繁殖牝馬となった。
繁殖としてデビュー済み産駒は4頭。
父ゼンノロブロイ(4勝)→父ハーツクライ(中央2勝、地方3勝)→父ハーツクライ(1勝)→父ディープインパクト(本馬)
全頭中央で勝ち上がっており、本馬でG1を初制覇。
繁殖力は高い水準にあると言える。
血統背景は父Congaree(アラジ~Blushing Groom~Red God~ナスルーラ系)と母父Old Trieste(A.P. Indy~Seattle Slew~Bold Ruler~ナスルーラ系)の組み合わせ。
父ディープインパクト×母にアメリカ型のスピード血統を持ってきた配合パターンで、これは同産駒の早期始動の1つのセオリー。
母父CongareeはアメリカG1、シガーマイルハンデキャップ(ダート8F)連覇を始め、G1を5勝。
血統ラインはBlushing Groom~Red God~ナスルーラ。
ディープインパクト×Blushing Groomはミッキークイーン(オークス、秋華賞)、マカヒキ(日本ダービー)、Beauty Parlour(フランス1000ギニー)等、国内外に活躍馬を多く輩出している組み合わせ。
早期から強いディープインパクト産駒の配合パターンで2歳G1を制したことで、来年堂々とクラシック王道を歩む。
戦前のブログで、キラーアビリティのことは一定の評価をしていながらも、本命◎はコマンドラインに(結果は12着)。
ディープはディープでも・・・ってやつですね。
コマンドラインについてはデビュー前から血統的に注目していた馬だったので、この本命のチョイスに後悔はないです。
ここから巻き返して来年のクラシックで活躍してくれることを引き続き祈っています。
それにしてもディープってやっぱり凄いですよね。
2021.12.29 post
血統についてはこちらで解説しています。