「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週は最強馬決定戦チャンピオンズカップです。
目次
チャンピオンズカップ昨年の結果
まずは昨年の結果から振り返りましょう!
1、 ジュンライトボルト 父キングカメハメハ 3番人気
2、 クラウンプライド 父リーチザクラウン 母父キンカメ 4番人気
3、 ハピ 父キズナ 母父キンカメ 6番人気
勝ったジュンライトボルトはキングカメハメハの産駒。
母系にはフレンチデピュティ~Vice Regentのライン。
このVice Regentの血は昨年まで9年連続で馬券になっています。
2着クラウンプライドは父がリーチザクラウン。
リーチザクラウンは本来芝適性が高い種牡馬ですが、本馬の場合は母父キングカメハメハの父系であるMr. Prospectorのクロスによるところが大きく、ダート適性が出ています。
3着のハピも母父がキングカメハメハでした。
ということで昨年の血統的な括りとしては、キングカメハメハが独占したという結果でした。
2023.11.28 post
チャンピオンズカップ血統傾向
□ゴールドアリュールからキングカメハメハへ
そしてポイントはVice Regent
2022年(良)
1、 キングカメハメハ V
2、 リーチザクラウン 母父キンカメ
3、 キズナ 母父キンカメ
2021年(良)
1、シニスターミニスター V
2、キングカメハメハ
3、アイルハヴアナザー
2020年(良)
1、 キングカメハメハ
2、 ゴールドアリュール V
3、 ケイムホーム
2019年(良)
1、ゴールドアリュール
2、ゴールドアリュール V
3、ケイムホーム
2018年(良)
1、 シンボリクリスエス
2、 ネオユニヴァース V
3、 シンボリクリスエス
2017年(良)
1、 ゴールドアリュール V
2、 クロフネ V
3、 ゴールドアリュール
2016年(良)
1、 フレンチデピュティ V
2、 ジャングルポケット
3、 アグネスデジタル V
2015年(良)
1、 スズカマンボ V
2、 トワイニング
3、 フレンチデピュティ V
2014年(良)
1、 キングカメハメハ
2、 ゼンノロブロイ
3、 スペシャルウィーク V
現行の中京ダート1800mでの開催となったのは2014年からです。
その過去9年で最も相性が良いのはVice Regentの血で計12回入着しており1年たりとも馬券圏内を外したことはありません。
Vice Regentはアメリカ型の大系統ノーザンダンサーの系統
日本では主にクロフネのラインで知られています。
日本適性が非常に高い血で、芝ではディープインパクトなどサンデー系との配合で活躍馬を送り出しています。
しかし、クロフネが芝・ダート兼用だったように芝のみならずダートにも適性がある血で、この舞台でもポイントの血として登場しています。
今年の出走馬でVice Regentを内包する馬は
ウィルソンテソーロ
ジオグリフ
テーオーケインズ
メイクアリープ
この4頭となります。
種牡馬の変遷を見ていくと、サンデー系の砂の大将ゴールドアリュールが抜群で、2017年~2020年の4年間で2勝2着2回3着1回の計5回馬券になりました。
その後、キンカメが覇権を握りつつあり、2020年~2022年の3年間で2勝2着1回の3頭が馬券になっています。
尚、「昨年の結果」でも述べたように、昨年は勝ったジュンライトボルトがキングカメハメハ産駒で、2着3着のクラウンプライドとハピは共に母父がキングカメハメハでした。
現在の主流はキングカメハメハの血に移り変わったと見るのが自然でしょう。
今年の出走馬の中で父キングカメハメハ系は、
アイコンテーラー
グロリアムンディ
ドゥラエレーデ
この3頭が該当します。
また、母父キングカメハメハ系は、
クラウンプライド
ジオグリフ
この2頭が該当しています。
チャンピオンズカップ全頭血統評価
それではここからは全頭評価です。
1枠1番メイクアリープ 牡
父シニスターミニスター 幸
前走重賞初挑戦で2着は今後を考えた時、楽しみな結果だった。
とはいえ、その期待感が初G1挑戦のここで反映されるかと言われれば疑問でした。
枠が決まる前までは!
先行力があるのでスッとポジションを取れれば、面白い。
シニスターミニスターの産駒は2021年の覇者テーオーケインズと同じでVice Regentを持つ。
穴で一考。
2枠2番メイショウハリオ 牡
父パイロ 浜中
父パイロの代表産駒。
ケチをつけるならここまで挙げたG1の3勝は全て地方。
フェブラリーSで3着という実績はあるが、チャンピオンズカップは2021年に7着。
脚抜きの良い馬場になった方が良いとみる。
2枠3番ジオグリフ 牡
父ドレフォン ビュイック
ドレフォンの勝ち鞍はダート優勢。
それでいて本馬は皐月賞馬に輝いた。
芝ダート兼用で「勝ち鞍はダート、大物は芝」というのはクロフネを彷彿とさせる。
母父キンカメでここもマイナス評価はないのですが、ここがベストかと言われると・・・。
芝ダート両G1馬として種牡馬入りさせたいという思惑があるので、しばらくダート挑戦は続くでしょう。
ずっと走らせていたらそのうちダート慣れしてくるかもしれませんね。
3枠4番テーオーケインズ 牡
父シニスターミニスター 松山
ダート特化種牡馬シニスターミニスターの産駒で、このレースを2021年に制している。
ということで多くを語る必要はないだろう。
尚、シニスターミニスターはVice Regentの血を内包している種牡馬です。
3枠5番ドゥラエレーデ 牡
父ドゥラメンテ ムルザバエフ
早逝が悔やまれる次代の種牡馬王候補だったドゥラメンテの産駒。
傾向で述べた近年のこのレースのトレンドキングカメハメハを父に持つドゥラメンテは、芝ダート共に活躍馬を送り出す。
そこに母父オルフェーヴルなので芝適性に。
先述したように万能ドゥラメンテなのでUAEダービーでも2着と一定の適性はあるだろうが、それだけではこの砂の一流馬達を相手には厳しいだろう。
4枠6番グロリアムンディ 牡
父キングカメハメハ ルメール
近年のトレンドキングカメハメハの産駒。
昨年はここで大敗を喫したが、体勢が整っていなかったと見るベき。
完成期を迎えたと見て良さそうだし、ここも評価したい。
4枠7番ウィルソンテソーロ 牡
父キタサンブラック 原
芝で超大物を出しているキタサンブラックだが、実は砂の適性も高い。
特に中京は得意で1800mは複勝率37%と好成績。
そこにこの舞台に相性の良いVice Regentなので血統的にここを嫌う理由はない。
穴で一考。
ただ、同条件の名古屋城Sで大敗しているのが気になるところ。
5枠8番アーテルアストレア 牝
父リーチザクラウン 横山武
父のリーチザクラウンは芝ダート兼用種牡馬。
距離の1800mも守備範囲。
同舞台の名鉄杯(L)を勝っており中京適性は水準以上あると評価するべき。
前走JBCレディスで差をつけられた3着だからと言って舐めていると痛い目に合うかも。
5枠9番クラウンプライド 牡
父リーチザクラウン 川田
父のリーチザクラウンは芝ダート兼用種牡馬。
距離の1800mも守備範囲。
傾向で述べた母父キンカメで昨年このレースの2着馬。
ということで血統評価は今さらいうまでもなく上位評価。
6枠10番ノットゥルノ 牡
父ハーツクライ 松若
芝で長らく第3の種牡馬として君臨したハーツクライ。
サンデーにトニービンという配合でThe王道を得意とする。
だがしかし!本馬は母系のダート適性が出ており、ジャパンダートダービーを制した。
ということで血統的に評価を上げていくのはなかなか難しい。
6枠11番ハギノアレグリアス 牡
父キズナ 小坊主
父キズナはディープインパクト×Storm Catの黄金配合で日本ダービー馬。
芝で無類の強さを誇った父ディープインパクトよりもパワーがあり、ダートの適性もある。
中京ダート1800mは今年の1月(東海s)に2着と実績があるし、ここは血統的信頼度は高め。
ただし、鞍上的信頼度は低め(個人の感想ですw)。
7枠12番セラフィックコール 牡
父へニーヒューズ Mデムーロ
デビューから5連勝中。
へニーヒューズは仕上がりが早い種牡馬で、2~3歳時に強い。
その為、3歳だからと言ってここは軽視しない方が良い。
むしろ来年の方がどうなっているかわからないタイプだろう。
続けて使われてきているが、ダメージは全く無いとの判断でここに使ってきたので体勢は万全。6連勝で無敗戴冠に期待したい。
7枠13番ケイアイシェルビー 牡
父ディープインパクト
ディープインパクトの産駒でありながらダートに出たのは母ケイアイガーベラの適性によるもの。
上級クラスでは前走の武蔵野S(東京ダート1600m、結果4着)が合っていそうで、この舞台変わりがプラスになることはなさそう。
8枠14番アイコンテーラー 牝
父ドゥラメンテ モレイラ
早逝が悔やまれる次代の種牡馬王候補だったドゥラメンテの産駒。
傾向で述べた近年のこのレースのトレンドキングカメハメハを父に持つドゥラメンテは、芝ダート共に活躍馬を送り出す。
本馬は芝の重賞でも好走しており、前走はダートG1を初制覇した。
牡馬に混じってどうかだが、血統からはマイナス評価はない。
脚抜きが良い馬場になればさらなるプラス評価ができるが、今週末雨の予報は出ていない。
8枠15番レモンポップ 牡
父Lemon Drop Kid 坂井
わしの推し。
血統的に傾向で良いと述べたキンカメと同じKingmambo産駒のLemon Drop Kidが父。
がっつり合致とは言えないが、割り引く必要はないだろう。
競馬の専門学校でも言われていたように内枠が希望・・・と本稿を書いている時に枠順が決まった。
勝ちまでは厳しそう・・・無念である。
以上、全15頭の血統評価でした。
良かったら参考にしてみて下さい。
血統表:(c)netkeiba.com
2023.12.1 post
チャンピオンズカップ2023結果
1着レモンポップ 父Lemon Drop Kid
2着ウィルソンテソーロ 父キタサンブラック Vice Regent
3着ドゥラエレーデ 父ドゥラメンテ
このレースについてのポイントは2つは、
・Vice Regent持ちが9年連続で馬券になっている
・キンカメ系の血が台頭している
と解説しました。
2着に来たウィルソンテソーロは12番人気ながら激走しました。
母母父フレンチデピュティはVice Regentの系統です。
これで10年連続でこの血を持つ馬が馬券となりました。
3着ドゥラエレーデはキンカメ系種牡馬ドゥラメンテの産駒。
芝G1(ホープフルS)馬ですが、ダートG1のここでも好走ですから「万能ドゥラメンテ」の存在感たるややはり恐ろしいですね。
勝ったレモンポップの父Lemon Drop Kidの父がキンカメと同じKingmambo
その為、血統的にはマイナス評価をする必要はないとしていたのですが、正直「適距離でないこと+外枠」になったことで頭まではないと思っていました。
事実、レース後に騎手が最後は止まっていると言っていたのでやはり距離はギリギリだったのでしょう。
持たせた騎手を褒めるべきです。
中心にしていたVice Retgent持ち種牡馬シニスターミニスターの産駒テーオーケインズは惜しくも4着。
それもクビ差ですから、「この馬が3着だったなら・・・」と思っている方は多いのではないでしょうか?
ということで血統の傾向通りの結果となったのですが、正しい馬券を買うのが難しいレースでした。
来年も傾向はこのまま覚えておきつつ、より良い馬券選択をしたいものです。
以上、回顧でした。また来年!
2023.12.3 post
【お知らせ】
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よろしくお願いします(^_^)v