
札幌記念全頭調教解説
🐴リビアングラス
宝塚記念7着からの中8週、メイショウタバルに1秒差。前走後は栗東に1度戻り、しばらく調整を進めたのち、7月末に函館入りしてCWコースを中心に使われている。体が大きくて完歩も大きいためか、何となく鈍い感じがあって俊敏さは感じられない。キズナ産駒の牡馬にはディープボンドを例としてこのような感じの馬が多いが、いい馬はきちんと時計を出してくる。大穴かとも思っていたが、時計が出ておらず、調教を見る限りでは一枚落ちるかと感じている。
【外厩情報】大山ヒルズにて外厩調整。7月23日に栗東で軽い調整を行い、函館入りしている。
🐴ボーンディスウェイ
函館記念からの中6週。前走は北海道への初遠征で、洋芝適性があれば走るかというところだったが、函館記念ではヴェローチェエラに1.1秒差の8着。ただ、ハーツクライ産駒は、洋芝適性がないと思った馬でもたまに北海道で大穴を出す事がある。今回は前回と違い、ダートコースで2週連続で追い切っている。ダート馬にすればいいんじゃないかと思うほど非常にフォームが安定しており、バランスもいい。今回、大穴ならこの馬なのかという感じもする。ハーツクライ産駒は怖い。
【外厩情報】山元トレセンにて外厩調整。自厩舎では8月6日、8月13日の2本のみ。外厩の使い方としては今夏の好走パターンに一致しているか。
🐴シュトルーヴェ
2月22日のダイヤモンドS 5着からの中24週と、かなり間隔が空いた。3年ぶりに芝2000mを使ってくる。日経賞や目黒記念を連勝しており、力はある馬。キングJは初騎乗ではなく、7走前の3勝クラス時に1着を取っており、この馬のなんとなくの癖と言うのは分かっているか。調教では内側の馬だが、ややテンションが高い感じで、首もずっと左に向けている。この一追いでピリッとしてくるかどうか。長距離をずっと使ってきた馬なので、小回りの2000mという距離がどうかというのが鍵になる。
【外厩情報】山元トレセンにて外厩調整。7月13日に栗東にて調教を再開している。
🐴コスモキュランダ
大阪杯ではべラジオオペラに0.6秒差、そこからの中18週。大阪杯は時計が早すぎたのでこの馬の競馬が出来なかった。外厩先から7月17日に直接函館入りし、6本の時計を出している。内容はまずまずといったところ。2週に渡って丹内Jが調教をつけているが、ぶっちゃけまだ重い。今回は初の北海道だが、いつもプール調教を併用しているこの馬にとって、プール設備がないのは痛いのではないか。また、久々がどうかも懸念点。
【外厩情報】ビックレッドファーム明和にて外厩調整。7月17日に函館にて調教を再開している。
🐴ホウオウビスケッツ
大阪杯5着からの中18週。時計や動き云々ではなく、調教過程が素晴らしい。今回出走してくる馬の中で、一番ここを狙っているという本気度が伝わる内容。間隔は空いているが、調教量は群を抜いている。前走後は約1ヶ月間放牧に出した後、5月末からは美浦に戻り、6月末まで自厩舎にて調教を行っていた。この馬は自厩舎で仕上げている時の方が成績が良く、本気度合いが高い時は自厩舎で調教を行っている(天皇賞秋 3着のときも自厩舎仕上げだった)。7月頭には早くも函館入りし、調教を開始。7月後半からは札幌に移動するなど、綿密に調整されている。8月13日には、岩田康Jが騎乗して芝コースで最終追い切りをしている。これで馬券内に来ないようなことがあれば、アクシデントや出遅れなど、想定外のことが起こった場合だろう。そうでなければ好走してくると思う。
【外厩情報】単なる休養先としてジョイナスファームを利用か。5月28日から自厩舎にて調教を再開している。
🐴ケイアイセナ
巴賞1着からの中4週。動きは非常に良く、ゴーサインを出してからの反応も良い。迫力もあって悪くないが、3F 41.2秒とタイムは平凡。稍重のウッドチップなので仕方ないのかもしれないが、ここを3F 36-37秒ほどで走れていたなら評価できた。巴賞1着だが、このメンツを相手にどうか。
【外厩情報】クイーンズ・ランにて外厩調整。7月31日に函館にて調教を再開している。
🐴ハヤテノフクノスケ(VTRなし)
函館記念2着からの中6週。7月後半に外厩から函館に戻しているが、今回も函館記念の時と同じ外厩先(シュウジデイファーム)を利用している。正直、函館記念では、あの悪かった調教内容と当日のイレコミにも関わらず2着となったのに驚いた。今回は同じ北海道なので慣れも見込めるだろう。函館から札幌への輸送がある点は気にしないといけないが、あれだけの発汗を見せて2着というのは相当力があると感じた。前走時は2本のみしか公開されておらず、動きを見てもまだ出来ていないように感じたが、今回は7月31日に1本目を出して以降、Wコースを中心にしっかりと5本の調教を行なっている。特に1週前の8月7日に横山和夫Jが騎乗した時は、ラスト1F 11.5秒を馬なりで出すなど、タイム的にも前走とはまるで違った。VTRはないが、前走よりも格段に良くなっているのではないかと思う。
【外厩情報】シュウジデイファームにて外厩調整。7月31日から函館にて調教を再開している。
🐴ステレンボッシュ
ヴィクトリアマイル8着からの中12週。G1馬であり、2000mという距離については調子の悪かった秋華賞でも3着。香港ヴァースでも3着だったが、大阪杯は13着と崩れてしまった。ヴィクトリアマイルのレース後に、戸崎Jが「ここから伸びるだろうと思うところから全然伸びなかった」とコメントしていたのは気になる点。調教ではいつも、かなり強い馬を調教パートナーにしていたが、今回は最終追い切りで3歳未勝利の馬を相手にしている。なんらかの意図があるのか?札幌は新馬勝ちしている舞台なので問題ないだろうが、調教過程が気になる。
【外厩情報】ノーザンファーム天栄にて外厩調整。8月3日に函館にて調教を再開している。
🐴トップナイフ
函館記念10着からの中6週。前走では1週前追い切りにて非常に良い時計を出しており、仕上がっただろうと思ったが、最後でガス欠してしまった。今回も1週前追い切りは横山和夫Jが騎乗して非常に良い内容で、最終追い切りは調整程度。昨年は函館記念10着→札幌記念6着と着順を上げており、2023年には札幌記念2着という成績もある。横山典Jが鞍上なだけに、一応警戒は必要かと思う。
【外厩情報】ファンタストクラブにて外厩調整。7月27日から函館にて調教を再開している。
🐴ヴェローチェエラ
函館記念1着からの中6週。3週前から最終追い切りまでずっと佐々木騎手が調教に乗っている。正直、思ったほどピリッとしていない。芝コースの稍重で、37.7秒-11.5秒のタイムは普通。この馬が後から追いかけたとは言え、一番外を併走している馬の手応えの方が全然良い。芝を2週連続で走らせているというのも少々気になるところ。少し太くは見えた。
【外厩情報】いつもはノーザンファームしがらきを外厩先としており、函館記念のときも同様だったが、今回はノーザンファーム(安平町)に滞在し、しがらきまでは帰っていなかった。動きがモタついており、太い様子に見えるのはこの違いが影響している?7月31日に函館にて調教を再開している。
🐴ショウナンアデイブ
なかなか鞍上が決まらなかった。札幌0-0-0-2と、洋芝に適性がないのではないかという成績。小倉記念13着からの中3週だが、メンバーレベルは相当上がる。最終追い切りを見たところでは馬体は良く見える。最後で少し仕掛けて、という感じ。8月6日まで栗東に滞在し、高野厩舎流で調整を続けていたが、ここはメンバー的にどうか。
【外厩情報】中3週のため、自厩舎にて調整。
🐴アルナシーム(VTRなし)
函館記念6着からの中6週。8月7日、14日に函館芝で追い切っている。タイム的には問題ない。あまり調教駆けする馬ではなく、普段は調教から抜粋するような馬ではない。金杯の時は動きが良かったために指名したが、それ以降はそんなに目立った動きはなかった。前走の函館記念の際には明らかにまだ調整途中の馬体と見えたが、前が詰まったりフタをされたりと思ったような競馬が出来ない中でも6着まで追い上げており、評価できる内容だった。映像がないので断言できないが、フォトパドックで見る限り、馬体は前走よりもはるかに上向いている。金杯の時に近いようなシルエットになって、スッキリしたなという印象。2週にわたって調教がしっかり行われているのは良い。中間ではCWも使われている。前走よりは、はるかに調子は上げてくると思う。ただメンバーレベルも一緒に上がるので、力関係がどうか。
【外厩情報】中6週と間隔が短いにも関わらず、ノーザンファームしがらきまでわざわざ戻り、7月27日に函館にて調教を再開している。今夏の好走パターンに一致する。一番経費がかかっているかもしれない。
🐴アウスヴァール
函館記念14着からの中6週。ヴェローチェエラに2.1秒負け。1週前追い切りなどは時計を含め調教自体は良いが、やはりベロを出していて集中力を欠いている印象。動きや馬体は良く、どこも悪くはなさそうには見える。最終追い切りは、稍重だとしても全体時計66.1秒に対してラスト1F 13.0秒はかかりすぎか。前走が55kgだったのに対し、今回は58kgとさらに条件は厳しくなる。ここはどうか。
【外厩情報】ファンタストクラブ(日高にある外厩施設)にて外厩調整。7月27日に函館で調教を再開している。
🐴アラタ
天皇賞(春)ではヘデントールに6.4秒差の15着だが、単純に距離が合わなかったためか。ここ3走は2400mや2200mなどと適性外の距離を走っていたが、今回は2000mに戻って仕切り直しだろう。函館では2年前に実績があり、洋芝は問題ない。もともと調教駆けする馬ではなく、この馬自身の仕上がりは良好だと思うが、8歳になった身に今回の相手レベルがどうか。
【外厩情報】山元トレセンにて外厩調整。7月20日に帰厩して美浦Wで調教を再開している。
🐴ココナッツブラウン
クイーンS 2着からの中1週。騎手がなかなか決まらないなと思っていたが、オールナットが除外になったことで騎乗予定だった北村Jが空き、ここに収まった。上村厩舎はこれを狙っていたのかもしれない。中1週なので敢えて激しい調教はしていないが、見て分かるように非常に小気味のいいステップ、足の運びをしている。牡馬ばかり見ていたら細く見えてしまうが、北海道が合うのだろうと感じる。中1週、牝馬だが、警戒した方がいい調教を見せている。2000mは初めてとなる。
【外厩情報】中1週なので自厩舎にて調整。
🐴シュヴァリエローズ
宝塚記念12週からの中8週。調教駆けする馬ではない。1週前までは栗東にて調整し、今週北海道に連れてきた。とにかくまずは馬場、雨が降ったらからっきし下手。良馬場で行われたら一応は警戒するが、雨ならバッサリ切ってしまってよいかと思っている。
【外厩情報】ノーザンファームしがらきにて外厩調整。7月26日に栗東にて調教を再開している。
・外厩について
今開催の夏競馬では、北海道滞在馬よりも一旦北海道から内地の外厩に出し、レース前に戻して来た馬が好走しているというパターンがあるように思えたとのことで、今回は外厩情報も併せて調査されたため併記しました。(CBC賞で1.2着だったインビンジブルパパ、ジューンブレア、函館記念時のヴェローチェエラについても、同様の外厩使用パターンを取っていました)
調教ベスト3
ホウオウビスケッツ
ココナッツブラウン
ハヤテノフクノスケ
※8月17日YouTubeメンバーシップ当日検討会です!
10時30分より是非遊びにきて下さい。
それでは良い週末を(^^)/~~~
2024.8.15 post by もなもな