
安田記念全頭調教解説
🐴シックスペンス
前走の大阪杯では、ベラジオオペラに0.4秒遅れた7着。とにかく足元が弱い。蹄や膝が弱く、プールを併用しながらの調教になる。坂路中心だったが、近走になってコース追いがまぁまぁ増えて来た。
国枝先生は何か懸念点があれば必ず坂路に回すが、今回最終をCWで行ったということは、今は状態はいいのではないか。最終はこれまではいつも坂路で、CWで行うのは今回が初めて。いい兆候ではないか。色々と痛い所を抱えている馬なので絶対視はできないが、やれることは厩舎としてはやってきた。
🐴ダディーズビビッド
六甲S(L) 1着からの中9週。リステッドからの参戦で、やはり格下感は否めない。もう7歳。本来はもう少し距離短いところを走っていたが、年齢を経て1600mも走れるようになったか。ただ、今回はやはり相手が強い。父キズナ、母方フレンチデュピティとスピードも持っていて良いとは思うが、ちょっと格負けしそうな気はする。調教自体はこの程度だろう。ゼッケンの前辺りで腹帯が食い込んでおり、もう少し馬体が絞れた方が良い気もする(輸送で絞れるだろうが)。
🐴マッドクール
高松宮記念6着からの参戦。その前には阪神C(1400m)での2着もある。2週にわたって坂井Jが騎乗している。やればやるほど坂路で時計が出る馬だが、最終追いでは抑え気味の馬なりで24.6-11.9秒というタイムが出るということは、この馬はやはり1200mがベストの馬ではないか。
1週前の6F CW追いでは79.7-34.8-11.1秒と、こんなタイムを出す馬がいるのかと思うほどのタイムで、この馬にとっても自己ベスト。スプリンターだからこそ出せる時計なのかも、とも思える。
🐴ウインマーベル
サウジ1351ターフSでは、アスコリピチェーノとデッドヒートを繰り広げての2着。帰国後にアスコリピチェーノがVMを勝っていたことを考えると、この馬も力はあるだろう。ただやはり問題は距離。距離に対しての調教は特別なく、前回1600mを使ったマイルCS時と変わらない。それ相応の調教をしている。6歳だしどうするのかと思っていたが、マイルCSの時の攻めよりもかなり強化されている。5月4日に帰厩。中14週も空いていることもあるだろうが、1週前追い切り後も、金曜・日曜と結構早い時計を出している。なかなかいい部類の調教に入る。放牧先はあまり施設が充実したところではないので、それもあって本数が多くなっているのかも?京都よりも東京の方がいいタイプだし、流れに乗れたらアタマはどうかも馬券内のチャンスはあるかもしれない。クラブ情報では、中間で皮膚病が出ていたようだが、涼しくなったら治ったらしい。
🐴レッドモンレーヴ
前走は京王杯SC4着、上がり1位だったがトウシンマカオが強過ぎて0.6秒も差をつけられてしまった。ディーJが京王杯SCからの継続騎乗になるのは非常にいいだろう。中4週だが、9本の追い切りとかなりの調教量を入念に積んでいる。これだけ出来るのは体調がよい証拠、キーン先生の好きなタイプの調教内容。
ディーJは1週前に騎乗し、最終は助手騎乗だったが、きっちりと折り合っている。非常に精神状態も安定している様子。
🐴グラティアス
繰り上がり出走。マイラーズC 5着、ロングランに0.6秒差。1週前調教はいつもと同じく坂路。えらく頭が高いと思ったが、今週はそこそこな追い切りを見せており、頭もそんなに高くはなかった。
体制は一応整ったのかと見ている。ただ、相手関係がにどうか。この馬なりに順調か。まっすぐ走れてるのはいい。
🐴ガイアフォース
香港チャンピオンズマイル9着からの中5週。-16kgと思わぬ馬体減があり、普段はすごくボリュームのある馬だが、胸前の筋肉がいつもより落ちている感じがある。やればいくらでも時計は出る馬。実質中5週だが、検疫もあり、間隔は短いと思っている。調教も2本しか出来ていない。今回初ブリンカー、吉村J騎乗もポイント。
(普段はやっていない1週前の長めCW追いについての質問への解答)本音で言うと今回は正直キツい。1週前に長めのコース追いをしたのは、帳尻合わせだろう。本気で狙ってきている調教内容ではないし、香港でマイナス16kgだった。馬体重が戻っているのは、調教が出来ておらず逆に仕上げられてないからだろう。こんなローテで勝てるなら、ここまでにもいくらでもG1を勝てている筈。
🐴エコロヴァルツ
前走の大阪杯では、ベラジオオペラに0.3秒遅れた4着。中8週。その前の中山記念でシックスペンスと僅差の接戦を演じただけあり、力はあるのは間違いない。中山であれだけのことができたので、東京で同じことができるかがポイント。中山で強い馬は一瞬の脚に長けた馬で、東京とは求められるものが違う。ここ3走よりも一番攻めているな、と言うのはわかる。1週前に7Fの追い切りを消化しており、このレースに対する気持ちは強いものがあるだろう。
🐴シャンパンカラー
ダービー卿CTではトロヴァトーレに0.3秒差の 6着。まぁまぁ上がってきた。意外と調教はやればやるほど時計は出る馬。今回最終は美浦の坂路で、一杯追いながら51.3秒。CWでも10秒台は出すことが出来、今回も1週前はCWで3F 35.7-10.9秒。ただ、中8週なのに時計の本数が3本のみ。外厩仕上げだろうが、今回は絶対的な調教量が足りていないような気がする。
🐴ジャンタルマンタル
香港マイル13着からの中25週空いている。リズムはいい。頭は高いが、こういったフォームの馬。後ろに飛ばしているチップの量を見ても、力強い。1週前追い切りで、50.1秒の時計を出している。毎回2本走らせる高野厩舎で、2本目に50.1秒は相当のことで、見たことがない。これを急仕上げと見るのか、この馬の能力そのものが出ていると見るのか、その判断が非常に難しい。最終は、いつもどおりテンションを上げないための折り合い重視の馬なり調教。
自厩舎での1本目の時計出しが5月18日なのは、いつもより遅い気はする。外厩は山本トレセン。長く間隔が空く時には、せめて1ヶ月前には自厩舎に戻しているが、今回は立ち直りが遅いから戻せなかった?そのため、こんな早い時計になった?とも考察できる。G1を2個取っている馬だし無碍には出来ない。早い段階から、叩かず安田記念に向かうとは言っていた。
🐴サクラトゥジュール
セン馬の8歳。東京新聞杯15着だが、負ける時は派手に負け、勝つ時は僅差で勝つような馬。折り合いが難しいが、レーンJとの相性はいい。ただもう8歳で、7歳の時にレーンJは乗っていない。とにかく気性が問題、出たとこ勝負になる。調教は順調に消化されているが、1年前に優勝した東京新聞杯の時のものがベストだったと思っている。そこには正直及ばない。ただ、年齢を経て強い調教をしなくても能力が出せるようになっているのかもしれない。
🐴ロングラン
マイラーズC 1着。1週前は岩田康成Jが乗り、最終は助手が併せ馬を行っている。この馬の課題はやはり左回りと鞍上も調教師もコメントしている。どうしても外に膨れてしまうらしい。最内枠なんかを引くと面白いかもしれない。1800mの重賞を勝っているだけあってスタミナは持っているし、面白い一頭。調教は動きも非常に良く、反応もいい。
🐴ソウルラッシュ
相変わらず、いつも通りのプールを挟みながらCW、坂路をこなす調教。これをしてからは馬券内を外したことがない。この馬のいい結果を出すパターン。
ドバイターフでロマンチックウォリアーに勝ったのはすごい事だし、海外帰りの疲れはなさそうに思う。あとは鬼門の東京がどうか、浜中Jがどう乗るかだろう。
🐴ウォーターリヒト
ドレフォン産駒、東京とは合う血統。東京新聞杯1着からの中16週。東京新聞杯からの直行ローテは、同コースだがあまり成績を上げていない。今回は河内厩舎から石橋厩舎への転厩初戦、そこが一番気になるポイント。インタビューなどでは、馬が賢く大人しいので調教はしやすいと言われていた。厩舎の仕上げ方の違いは、Cコース(ダートコース)を使うかどうかという程度で、むしろ石橋厩舎の方がコース追いが多い感じ。1週前にはメイショウタバルと併せてもいた。4月の終わりに帰厩しており、調教量は問題ない。1週前は大丈夫か?というくらい反応も悪く、鈍かった。今週の一追いでなんとか追いついてきたか。ただ調教からは抜粋できない。東京マイルは合っている。調教後馬体重は+8kgだが、輸送があるのでそこそこは絞れるだろう。
🐴ホウオウリアリティ
父モーリス。マイラーズCは6着、ロングランに0.6秒差。1週前の追い切りはCW、その前は坂路。チャレンジャーとしてはどうかなという内容。7歳なのでそんなに強い調教が必要ではないのかもしれないが、マイラーズCから抜群に上がったと言う感じはしない。フォームなんかは前脚が揃った状態で掻き込んでおり、よい。この馬自身の調子はいいと思うが、メンバーレベルがどうか。
🐴トロヴァトーレ
父レイデオロ。中8週。ダービー卿CTでは、出遅れたがモレイラがインで我慢させ、内からスルッと抜けて勝つなど強さが際立った。これぞモレイラマジック。レベルは高い馬だが、他の騎手ではどうだっただろうか。ここのところずっと1600mを使い、調子もいいので調教パターンは一切変えていない。2週にわたって武史が騎乗し、コンタクトを取っている。途中でプール調整をしているのも一緒で、順調そのもの。あとは相手関係がどうか。共同記者会見では、1週前はズブかったと武史。ただ本当にダメならダメというので、ある程度は期待しているかも。あとは上位との力関係。ニューイヤーSでは徹底的にイン有利なバイアスで15番からスタートし、メンバーレベルはそんな高くはないものの、強引な競馬で勝ち切った。消しにくいが、東京1600mの成績の悪い武史だし、アタマは考えにくい。中山成績がいい馬で、東京がどうか?新潟ではシンティレーションに負けてもいる。エコロヴァルツ同様に、一瞬のキレに長けた中山巧者の可能性はある。
🐴ジュンブロッサム
マイラーズCでは出遅れもあって、届かずの2着。CWで時計が出るタイプの馬。プール、プール、CWと追っており、最終と途中でも坂路を併用している。一定の調教をずっと刻み続け、最後は馬なりの余力。友道流なので問題はないだろう。1週前はそこそこいい時計で走っていた。今回中5週で、調教内容を変えているわけではないが、東京でこその馬だし悪くはない。反応が鈍いとのことで、これまでイレ込み防止でつけていたメンコを外して調教しているとのこと。マイラーズCでは、よく2着に来たなと思うくらいの仕上がり途上の馬体だった。開幕週に加えてクッション値10台の非常に硬い馬場で、適性が合ったために馬は出来ていなかったが、2着に入れた。良馬場適性の非常に高い馬。やっと絞れたという感じで、ここから輸送もありさらに減るだろう。ベスト体重は470kg台(ソウルラッシュに勝った富士S時の馬体重は470kg)。
今回は、よっぽど恵まれて3着に来れるか、という程度にしか思っていない。マイルCS 10着や東京新聞杯10着などの成績があるのは良くはない。暑い方がいいらしいというのは加点材料。
🐴ブレイディヴェーグ
ロードカナロアにディープの血統、走れるだろう。ドバイターフは7着だが、ルメールが逃げたメイショウタバルを追いかけすぎたもので力負けではないだろう。本来は一回使ってからの方がいい気はする。熱中症のような症状もあったようなので、そこから中8週でどこまで回復したかが鍵になってくる。翌日には治ったようだが、気温の上昇とともに息遣いが荒くなったり、熱がこもったりという感じも見受けられると。当日は東京が最高気温28度らしいが、注意は必要。5月18日から時計は出していて、調教量に問題はない。最終追い切りも、馬なりの割には36.4-11.0秒といいタイムで走っている。あとは戸崎Jの腕次第だが、3週にわたってコンタクトを取っている。本気で取りに来ているように見受けられる。熱中症みたいだったと言うのは気になるところだが、馬体は回復しているだろう。
2週前はシックスペンスからの誘いでCWを走ったみたいだが、戸崎が相手に気を遣いながらの走りだったよう。違和感のある内容だったのはそのためか、とキーン校長。3歳でエリ女を取っているし、本来はもっと成績出せててもいい馬だろう。いつもルメールがちょっとおかしな騎乗をして凡走しており、戸崎に変わるのはいいだろう。
調教ベスト3
ソウルラッシュ
ブレイディヴェーグ
ジャンタルマンタル
※6月8日YouTubeメンバーシップ当日検討会です!
10時30分より是非遊びにきて下さい。
それでは良い週末を(^^)/~~~
2024.6.6 post by もなもな