血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週は有力馬達の飛躍を目指す戦い
アメリカジョッキークラブカップ(G2)です。
血統傾向についてはこちらで解説しています。
それでは
全頭血統考察スタートです!
目次
【AJCC(GⅡ)全頭血統考察】
1枠1番キングオブコージ
父ロードカナロア 横山典
父相馬×母父相馬。6月13日生まれの54歳。
過去競馬で借金を抱えた際に路線をスロットに変更すると、借金を完済。
その後、宮崎に拠点を移すと再び、競馬の世界に。
現在は競馬の専門学校を主催し、4万人の生徒が在籍している。
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
父ロードカナロアの大物輩出パターンはSpecial牝系の血を増強させること。
Special牝系の種牡馬はNureyev、Sadler’s Wells、Fairy King。
代表産駒アーモンドアイももちろんそう。
本馬は母父がSadler’s Wellsでこの傾向に合致。
一昨年にG2目黒記念を制した時にはこのまま頂点までという期待を抱かせましたが、骨折してしまい、昨秋1年ぶりの復帰を果たしました。
徐々に上向いてきていはいるので、好走歴があるここで上位に入り完全復活を印象づけることができるのか注目。
2枠2番アサマノイタズラ
父ヴィクトワールピサ 嶋田
母ハイタッチクイーンは現役時、35戦とタフに走り中距離戦線で3勝を挙げた。
母母レディステラはフェアリーS(G3)勝ち馬。
父ヴィクトワールピサ×母系にサドラーズウェルズの組み合わせはブレイキングドーン(ラジオNIKKEI賞(G3))と同じで、ブレイキングドーンも本馬同様皐月賞のステップレース弥生賞(中山・芝2000m)で3着に入り、本番への切符を掴んだ。
本馬は春、スプリングS(中山・芝1800m)で2着から皐月賞へ(16着)。
秋には菊花賞にも出走し9着。
その菊花賞の時から「血統的には中山が合う構成なのでセントライト記念のようにやはりベストは中山だろう。」とわしは言っています。
前走有馬記念も中山でしたが、初の古馬相手でさすがにあのメンバーでは辛かったです。
馬場が渋ればさらなるアドバンテージとなりそう。
3枠3番キャッスルトップ
父バンブーエール 仲野光
父バンブーエールはJBCスプリント(G1・ダート1400m)勝ち馬。
種牡馬としても素直にダート適性の馬を出す。
母も母母も勝ち鞍はダートの舞台にて。
母父マヤノトップガン(有馬記念、菊花賞)も初期はダートで走っていた。
このような血統背景で本馬もジャパンダートダービーを制覇。ダートの世代頂点に立った。
ここでの血統的評価は見送りたい。
3枠4番クレッシェンドラヴ
父ステイゴールド 津村
父ステイゴールドはスタミナ型サンデー系の中・長距離砲で有馬記念と言えば真っ先に名前が挙げられる種牡馬。
産駒は非力になりがちなのでパワー型ノーザンダンサーで補うのが配合のベスト。
父×母父Sadler’s Wellsの組み合わせは、本馬の他に芝の中・長距離戦線で活躍したジャミールがいる。
Sadler’s WellsとMill Reef(Never Bend)という重厚な血統背景は距離延長がプラスには働く。
中山も合うがあとは明け8歳の年齢がどうか。休み明けなので調教とパドックは要チェック。
4枠5番エヒト
父ルーラーシップ 菅原明
母ヒーラは現役時3勝(条件馬)。短距離戦線で活躍した。
父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。
父ルーラーシップ×母父ディープインパクトの組み合わせは、先日引退したキセキ(菊花賞)と同じ。
さらにこの組み合わせで母が短距離というのはこのレースに出走するアンティシペイトも同じ。
ルーラーシップ産駒は芝2200mが得意で本馬も条件クラスで良績があるが、中山は初。
成長力がある血統だが、まだオープンクラスに入ったばかり。
これから強い相手と戦いながらさらなる力をつけていきたい。
4枠6番ポタジェ
父ディープインパクト 川田
母ジンジャーパンチはアメリカG1を6勝した名牝。
母母ナッペロンも重賞勝ち馬というしっかりとした牝系。
3/4同血の姉(父マンハッタンカフェ)ルージュバックは、毎日王冠勝ち馬だったように東京芝1800mがベストな馬だった。
それだけに、前々走の毎日王冠時には「本馬はそこから父がディープインパクトに変わっているので血統的には合わないわけがない。4連勝でオープン入りして重賞でも好走している本馬がG1馬相手にどれだけやれるか楽しみに見守りたい。」と述べたとおり、結果はコンマ2秒差の3着ときっちり格好はつけた。
それだけに同じ非根幹距離と言えども1F長い気がするし、中山もベストとは思えない。
5枠7番ダンビュライト
父ルーラーシップ 松若
父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。
母母キャサリーンパーは未勝利ながらフランスの重賞戦線で活躍した。
近親にはアロンダイト(ジャパンカップダート)、マリアライト(宝塚記念、エリザベス女王杯)、クリソベリル(チャンピオンズC、ジャパンダートダービー、現役)、クリソライト(ジャパンダートダービー)とG1馬がズラリ。
父ルーラーシップ×母父サンデーサイレンスの王道配合。
先述したように近親のなかにはダートの活躍馬が目立つ。
それもあってか近走はダート重賞で走り、前走(名古屋グランプリ(G2))は3着と好走。
芝での一線級相手はさすがにもう厳しいか。
5枠8番アンティシペイト
父ルーラーシップ 大野
母アンチュラスはファンタジーS(G3・京都芝1400m)2着。
父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。
父ルーラーシップ×母父ディープインパクトの組み合わせは、先日引退したキセキ(菊花賞)と同じ。
ルーラーシップ産駒は芝2200mが得意で本馬は3勝クラスの時に本コースで2着の実績あり。
4歳時の昨年オープン入りを果たしたが、成長力がある血統だけに明け5歳となった今年もうひと成長があっても良い。
6枠9番ボッケリーニ
父キングカメハメハ 横山武
4代母に小倉記念(当時OP)を勝ったシャダイチャッターがいる牝系。
全兄に宝塚記念勝ち馬のラブリーデイがいる。
他にも父キングカメハメハ×母父ダンスインザダークの組み合わせは、ユーキャンスマイル(G2・阪神大賞典)やショウリュウムーン(G3・チャレンジC)、ルビーカサブランカ(G3・愛知杯)といった重賞馬を輩出している好相性な配合。
基本的に非根幹距離(400mで割れない距離)で強い血統といえるので、今回の距離は歓迎。
但し、意外にも初出走となる中山の適性があるのかどうか。
6枠10番ラストドラフト
父ノヴェリスト 戸崎圭
母マルセリーナは桜花賞馬。
父ノヴェリストの産駒らしく重厚なヨーロッパ血統なので、本馬のようにサンデーサイレンスのスピードを取り入れることが配合の基本となる。
それでもなかなか勝ちきれないところがこの血の重厚さを物語っている。
本馬もデビューから連勝で京成杯(G3・中山芝2000m)を勝ったあとは勝ち星を挙げることができていない。
前回考察した天皇賞・秋の時には「毎日王冠(芝1800m)から距離延長となることはプラスですが、それでもこの舞台ではスピードも決め手も足りないでしょう。」と考察し、前進を見せながらも8着という結果に。
得意舞台を模索する現役生活となっていますが、そんな中でここは2年連続3着と現状唯一の得意舞台。
3年連続馬券圏内に期待したい。
7枠11番オーソクレース
父エピファネイア ルメール
父エピファネイアについてはこちらで解説しています。
母マリアライトは現役時20戦6勝で、宝塚記念(G1)とエリザベス女王杯(G1)勝ち馬。
本馬が初仔。
父エピファネイア×母父ディープインパクトは昨年このレースを勝ったアリストテレスと同じ。
この配合はさらにSadler’s Wellsをクロスさせることもポイントで、Sadler’s Wellsはヨーロッパ型のスタミナ血統。
血統傾向の記事でも述べたようにこの中山芝2200mの舞台は父エピファネイアが内包する「Roberto」の血が好相性。
ここは古馬初戦となるが、世代上位の存在だけに年初の重賞制覇から今年の飛躍へとつなげたい。
7枠12番ソッサスブレイ
父コンデュイット 柴田大
父コンデュイットヨーロッパでG1を4勝した名馬で、現役の最後は日本に遠征し、ウオッカの時のジャパンカップで4着。
血統はNever BendやSadler’s Wellsといった重たい血を内包するのでとにかく母方に軽い血を持ってくるのが鉄則。
となれば、やっぱり第一はもちろんサンデーサイレンスとなります。
現役引退後に日本で種牡馬入りしましたが、平地での活躍馬を出すことはできませんでした。
しかし障害馬で活躍馬を出したことが評価されて、2015年生まれ故郷のアイルランドに帰っていった。
アイルランドでは障害専門の種牡馬となったようです(2020年死去)。
オープンクラスではそこそこ頑張っていますが、重賞の壁は高いです。
8枠13番スマイル
父ダイワメジャー 田辺
父ダイワメジャーについてはこちらで解説しています。
4代母にフランスオークスとヴェルメイユ賞(フランスG1)を勝ったMrs. Pennyがいる牝系。
マイルが基本ベースのダイワメジャー産駒にして中長距離戦線を戦っているのはこの牝系の底力によるもの。
母にMr. Prospector+Storm Birdを持つ組み合わせは代表産駒のアドマイヤマーズ(香港マイルC、NHKマイルC、朝日杯FS)と同じ。
またUnbridled+Storm Birdの組み合わせとの配合では、カレンブラックヒル(NHKマイルC)と同じ。
このように父と相性の良い血で構成されており、前走3勝クラスを勝ちオープン入り。
先述したように父の距離的性はマイル。
その傾向と離れているだけに上級クラスでどこまで通用するか。
8枠14番マイネルファンロン
父ステイゴールド 松岡
母母マイネヌーヴェルはフラワーC(G3)勝ち馬。
母は、ここまで全てステイゴールド系と交配されており、勝ち上がり率も高かったが、今年のオークスで本馬の3/4妹ユーバーレーベンがG1タイトルを獲得。
こだわってきた配合がついに実を結ぶこととなった。
Haloのクロスでスピードを増強させており、ユーバーレーベンはオークス(東京・芝2400m)を制したが、血統的には元来どこをどう切り取っても中山がベスト。
近走は凡走が続いているが、血統的にはここで激走があっても良さそう。
以上、出走馬全14頭全頭血統考察でした。
【YRAとみっちゃんの予想対談】
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2022.1.21
【本命確定!】
ルメール目覚めろ、オーソクレース!
ダンビュライト、第3コーナーまで楽しめるはず!