全頭血統考察

必読!【札幌2歳S、小倉2歳S2021】全頭血統考察

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血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

今週は南北で2歳重賞が開催されます。

血統傾向については先日こちらで述べました。

それでは、今後の飛躍を誓う若駒たちの全頭血統考察スタートです!

札幌2歳ステークス(GⅢ)

1枠1番リューベック
父ハービンジャー 横山武

3代母Sonic Ladyはアイルランド1000ギニーなどマイルG1を3勝。
全姉にナッソーS、秋華賞勝ち馬のディアドラ。
父ハービンジャー×母に「サンデーサイレンス+Nureyev」の組み合わせは全姉ディアドラ以外にもマイルCS(G1)のペルシアンナイト、有馬記念(G1)のブラストワンピースという大物輩出配合。
ハービンジャー産駒は洋芝得意だし、特に札幌1800mは庭。
出走馬の中で血統的に推せる材料が最もあるのはこの馬だろう。

 

2枠2番トップキャスト
父ダイワメジャー 団野

母父にMr. Prospector+Storm Birdを持つ血統構成はマイルG1を3勝(香港マイル、NHKマイルC、朝日杯FS)したアドマイヤマーズと同じ(5/8同血)。
父産駒のG1タイトルは全てマイル以下なので、ベストはやっぱりそこになる。
ただし、そのG1タイトル全てが2~3歳馬によるものであるように産駒の完成度は総じてかなり早い。本馬も勢いのままここも。

 

3枠3番ダークエクリプス
父ドゥラメンテ 和田竜

母母ウインドインハーヘアは言わずと知れた名馬ディープインパクトの母。
ここまでの父産駒を見る限り、活躍馬が牡馬に偏る傾向がある。
Mr. Prospectorのクロスは有効でタイトルホルダー(今年の皐月賞2着)、キングストンボーイ(青葉賞(G2)2着)、ジュンブルースカイ(東スポ杯2歳S(G3)3着)といった初年度産駒上位組が持っている。
また、Lyphardの血も複数勝ち馬が多く出ており、相性が良さそうな血だ。
このような血統背景なので芝中距離が合う。
現在2歳リーディングトップにいる父産駒だけにここも注目したい。

 

4枠4番エーティマクフィ
父マクフィ 藤岡佑

父は芝ダート兼用の短距離馬。(マクフィの詳しくについてはこちら
牡馬はダート馬に出やすいが、血統的に高速馬場は合わないので洋芝は良い。

 

5枠5番ユキノオウジサマ
父ドレフォン 横山和

父は短距離チャンピオンのドレフォンだが、母がマンハッタンカフェ×メジロマックイーン。
さらにリマンドのクロスを持つ。リマンドは種牡馬として日本でダービー馬やオークス馬を輩出している。
このような母系なので距離の融通は効きそう。

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6枠6番オンリーオピニオン
父キズナ 柴田大

父キズナは名馬ディープインパクトの直仔。
ディープインパクトのニックス・Storm Catとの交配の代表格と言える。
後継種牡馬ということもあり、父と相性の良かった血を取り入れていくことが成功のセオリー。
本馬の母母方にあるクロフネ~フレンチデピュティのラインはディープインパクト配合の成功パターンで、マカヒキ(ダービー)やショウナンパンドラ(ジャパンカップ、秋華賞)を出した。
キズナとの組み合わせでも既にオープン馬クリスティを輩出している。
また、フォーティーナイナーとの配合はフラワーC(G3・芝2000m)を勝ったアブレイズと同じ。
最後に意外な血統との組み合わせで面白いのは、コスモス賞(OP・札幌芝1800m)を勝ったルーチェデラヴィタと母方にトウカイテイオーを持つ点で合致していること。
このように配合的にはかなり面白い存在だ。

 

7枠7番アスクワイルドモア
父キズナ 武豊

本馬についてはデビュー前に血統注目馬として考察したので、以下一部抜粋する↓
『母ラセレシオンは現役時、7戦3勝(条件馬)。
繁殖として本馬が初仔。その為、繁殖力は未知。
血統背景は父ゼンノロブロイ(サンデーサイレンス系)×母父Candy Stripes(Blushing Groom~Red God~ナスルーラ系)の組み合わせ。

父キズナは名馬ディープインパクトの直仔。
ディープインパクトのニックス・Storm Catとの交配の代表格と言える。
後継種牡馬ということもあり、父と相性の良かった血を取り入れていくことが成功のセオリー。
Lyphardのクロスは今年の阪神大賞典(G2)を勝ち、天皇賞(春)で2着したディープボンドと同じで、ディープ系種牡馬と相性の良いクロス。
Blushing Groomとの組み合わせもチューリップ賞(G2)を勝ったマルターズディオサ、フェアリーS(G3)を勝ったファインルージュを輩出している。
このファインルージュとはサンデーサイレンスのクロスを持つことでも合致している。』

 

7枠8番クリノメガミエース
父エスポワールシチー 菱田

父×母父Deputy Minister系の組み合わせは相性○。
ですが、ダート馬。連闘。

 

8枠9番ジオグリフ
父ドレフォン ルメール

母はオープン馬アロマティコ(巴賞・函館芝1800m)。
父ドレフォンはアメリカのチャンピオンスプリンターで新種牡馬。
初年度から186頭と交配されていることに社台の期待の高さがうかがえる。
血統背景はStorm Cat系となるので、日本で現在活躍している種牡馬としてはへニーヒューズやヨハネスブルグと同じということになる。
ドレフォンはしなやかさがある分芝も大丈夫で、ここまで勝ち上がっている6頭のうち4頭が芝でのもの。
よってイメージはヨハネスブルグの方が近い。
ヨハネスブルグは洋芝適性が高い種牡馬なのでドレフォンもその特徴を持っている可能性は高いし、成長と共にゆくゆくは短距離馬となる可能性は高いが、本馬は母系がサンデー+キングカメハメハなので現状、距離は持ちそう。

 

8枠10番トーセンヴァンノ
父ヴァンキッシュラン 山田

母母へニーズソングはアメリカのリステッド競争勝ち馬で、3代母Zama Hummerはアメリカ重賞(ダ・6F)勝ち馬というしっかりとした牝系。
父ヴァンキッシュランはディープインパクト産駒で母父Sadler’s Wells系。
この組み合わせは日本ではシンハライトを出しており、海外では今話題沸騰のスノーフォールと同じ。
このような血統背景になるので父として見た時には、母系にスピード血脈を持ってくることが○。
先述したように本馬の母系はアメリカダートの短距離系なのでこのセオリーに合致。
ディープ系ながらヨーロッパ血統も内包している父の産駒ということなので、洋芝は歓迎。
前走と同じ舞台ならここでも期待したくなる。

小倉2歳ステークス(GⅢ)

1枠1番シュンメキラリ
父エイシンフラッシュ 秋山真

エイシンフラッシュは非サンデー血統なので産駒はサンデーを持つ母との配合が基本。
但し、まだ重賞馬は出していない。
この産駒はスタートを決めて逃げられるタイプが好走パターンであることが多い。
本馬もデビュー戦の時のようにスタートを決めれば気持ちよく走るし、前走のように出遅れてしまえば脆さが出る。
とのかくスタートを決めたい。連闘。

 

2枠2番ソリッドグロウ
父ダイワメジャー 岩田康

母母Mystic Goddessはアメリカ産馬でイギリス芝リステッド競争勝ち馬。
父ダイワメジャーは本レースで相性が良く、また近年はロードカナロアが相性○。
そのロードカナロアが持つStorm Bird(その仔Storm Cat含む)の血が相性が良いレースなので血統的にはここは魅力的。

 

3枠3番ショウナンマッハ
父ショウナンカンプ 松山

父はスプリント王サクラバクシンオーの直仔で自身も高松宮記念(G1)を制した。
このような父系のラインなので産駒も短距離が中心。
本馬が前走の新馬戦で快勝したように小倉のような平坦は合う。
また母父にあるダイワメジャーの血もこのレースでは合うのでこの舞台にベストトゥベストの配合と言える。

 

4枠4番インプロバイザー
父ダイワメジャー 松若

母リトルゲルダは現役時、29戦7勝。
主な勝鞍はセントウルステークス(G2)、北九州記念(G3)。
繁殖としてデビュー済み産駒はまだ1頭のみ。
本馬の1つ上で勝ち上がっている(父オルフェーヴル)。
血統背景は父Closing Argument(~In Reality~その他)×母父Buddha(Unbridled’s Song~Unbridled~Mr. Prospector~ネイティブダンサー系)の組み合わせ。
母母父BuddhaはウッドメモリアルS(アメリカG1・ダ9F)勝ち馬で、UnbridledとStorm Catを内包する。
ということでディープインパクトとの配合では相性の良い「アンディープキャット」が成立することから昨年、本馬の半兄グレイイングリーンをデビュー前に血統注目馬として取り上げた(2021.9.3現時点で3勝)。
本馬はそんな母系に父がダイワメジャーに変わった形。
この距離、このコースを走るには心強い血統構成になっていると言える。

 

5枠5番デュガ
父Practical Joke 武豊

ウマ娘開発者の藤田晋氏の所有馬として注目を集めている本馬は新馬戦でなく、オープンクラス(フェニックス賞)でのデビューを果たしさらなる話題をさらった(3着)。
父はStorm Cat系で、フォーティーナイナー、Danzigといった日本でおなじみの血を持つ。アメリカ短距離G1(7F、8F)を3勝。
Storm-Cat系らしくパワーに富んだスピードタイプだ。
そんな父にDanzigのクロスなので芝向きのスピードがより増強されている可能性が。

 

6枠6番エトワールジェンヌ
父ブラックタイド 国分優

父ブラックタイドはディープインパクトの全兄で代表産駒にキタサンブラックがいる。
今のところ種牡馬としてはこの一発のみ。
芝もダートも出すが基本的にはダートの方が優勢。
母ピュアシンフォニーはダート馬だったことを考えれば、この配合から前走ダートで勝ち上がったことは納得。

 

7枠7番スリーパーダ
父ミッキーアイル 福永

母シンハリーズはデルマーオークス(アメリカG1・芝9F)勝ち馬。
半姉にオークス馬シンハライトがいる。
シンハライトはディープインパクト産駒なので、本馬はそのディープ直仔との配合パターンということになる。
ミッキーアイルはディープ産駒のマイラーだったので、シンハライトよりもスピードが勝ち短距離馬に出ていることは納得。もう少し伸びてもやれそうだ。
父産駒の成功パターンであるサンデーのクロスがないが、そのおかげで同産駒の割に気性が落ち着いている。
しかも代わりにHaloのクロスはあるので、これが都合良くスピードだけ補完している形となっていそうで楽しみ。
あとはNureyev≒Sadler’s Wellsという近年の大物輩出パターンのニアリークロスがあるところも見逃せない。

 

7枠8番ブレスレスリー
父アメリカンペイトリオット 藤岡康

4代母Alydaressアイルランドオークス馬。
父アメリカンペイトリオットはDanzig系でアメリカの芝マイルG1勝ち馬。
本馬はそのDanzigがクロスされているのでさらなるスピードが補強されている。
そのような血統背景なので、今回もデビュー戦の時のようにスタートからスピードにのって逃げの一手で走りたい。

 

8枠9番ナムラクレア
父ミッキーアイル 和田竜

3代母Coup de Genieはモルニー賞(G1・芝1200m)、サラマンドル賞(G1・芝1400m)勝ち馬。
父ミッキーアイルの2年目産駒。初年度からメイケイエール(チューリップ賞)を出している。
このメイケイエールに代表されるようにサンデーサイレンスのクロスは成功パターンになりつつあるが、そのクロスを持つことで気性がかなり荒くなる可能性は高まる。
ミッキーアイルがディープインパクト産駒ということで、ディープインパクトと相性が良い血との組み合わせで活躍馬を輩出する可能性が高まる。
ただし、Storm Catは今のところ低調。今後巻き返してくると思っているが果たして?
道悪が得意な父産駒の特徴通り、本馬も未勝利ながら出走した不良馬場で行われた前走のフェニックス賞(OP)で初勝利。ここも渋った方が歓迎だろう。

 

8枠10番アネゴハダ
父キズナ 幸

母母ウォートルベリーはフランスの重賞勝ち馬で、日本のエリザベス女王杯にも出走した(15着)。
「父キズナ×母方にBlushing Groomの血」との組み合わせはチューリップ賞(G2)を勝ったマルターズディオサ、フェアリーS(G3)を勝ったファインルージュを輩出している。
ちなみにこのBlushing Groomはディープインパクトとも相性が良かった血。
キズナは父ディープインパクトよりもパワーよりなので、本馬のようにダートで勝ち上がる馬も出る。
また、小倉コースは比較的得意な舞台である場合が多い。
本馬もダートで勝ち上がっているようにパワーが勝っているタイプなので馬場は荒れた方が向きそうだ。

以上、出走馬全20頭の血統考察でした!

2021.9.3 post

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札幌2歳ステークス
わし◎リューベック
みっちゃん◎トップキャスト

2021.9.4 post

小倉2歳ステークス
わし◎ソリッドグロウ
みっちゃん◎ショウナンマッハ

2021.9.5 post

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YRA@血統調査員

少しでも役立つ競馬情報を。2011年~2016年までの5年間、北海道を拠点に毎日馬のお勉強に明け暮れていました。 2023年から再び拠点を北海道に移し、血統調査員として執筆活動に邁進中! 夢は雑誌で連載すること!

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