全頭血統考察

競馬予想まとめ【中山金杯(GⅢ)2023】の順位予想

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あけましておめでとうございます。

血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

今回は中山金杯が開催されます。
今年もよろしくお願いします。

しばらく全頭血統解説についてYouTubeで行っていましたが、
無事その役目を終えましたので、今年から再びライターに戻りますのでブログにてよろしくお願いします。

それでは
2023年競馬のはじまりはじまり~

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【血統傾向】


まずは血統傾向についてこちらをご覧下さい。

【全頭血統解説】

ここからは出走馬全頭の血統解説です。

アラタ 牡

父キングカメハメハ 横山武


母サンシャインはエルフィンS(OP)勝ち馬。
母母バルドウィナはフランス重賞(芝2100m)勝ち馬という下地がしっかりとした牝系。
父キングカメハメハに母父ハーツクライの組み合わせなので距離は中距離~。
じっくり成長していくあたり母父の血が色濃く受け継がれているように見える。

4歳時に1勝クラスからオープンまで一気の4連勝。
そこから重賞戦線で戦った5歳時の昨年は札幌記念(G2・芝2000m)で4着、福島記念(G3・芝2000m)で3着と頑張っています。
特に中山が苦手というわけでもないのでここも堅実に走ってくれるでしょう。

ウインキートス 牝

父ゴールドシップ 松岡


母イクスキューズはクイーンC(G3)勝ち馬。
さらに母母クリスティキャットはフラワーボールH(アメリカG1・芝10F)勝ち馬というしっかりとした牝系。
父ゴールドシップ産駒の特徴として時計がかかる馬場状態が得意で、洋芝も優秀。
特に札幌競馬場での成績は優秀。また、産駒全体としては4歳になって成長力を見せる傾向があり、そのあたりは流石ステイゴールド系といったところでしょう。

前走エリザベス女王杯時には「5歳になっても前走のオールカマーで3着と頑張っていますが、このレースは4歳の昨年で10着。それが適性でしょう。」と考察し15着。
そこから今回中山に戻ることと、ここまで戦ってきたメンバーレベルを思えばここは上位。
気掛かりは明け6歳の年齢による衰えだけです。

エヴァーガーデン 牝

父アイルハヴアナザー 丹内


母モエレカトリーナは現役時、13戦3勝。
主な勝ち鞍は紫苑S(当時OP・芝2000m)
父アイルハヴアナザーはアメリカの3歳チャンピオンで、ケンタッキーダービー(G1)、プリークネスS(G1)、サンタアニタダービー(G1)を勝った。
非サンデー系なのでサンデー系種牡馬との交配が中心となる。
母父ゴールドヘイローはサンデー直仔なのでこの傾向に合致。
ゴールドヘイローは地方のダートを走ったが、本馬は芝で活躍している。
先述した母が強く出ているのでしょう。
だとすれば母が紫苑Sを勝っているわけで、中山2000mは合いそうです。

カレンルシェルブル 牡

父ハービンジャー 斉藤新


母カレンケカリーナは現役時、21戦5勝(オープン馬)
4代母にはアメリカ重賞(芝10Fと11F)勝ち馬のPossible Mateがいる牝系。
父ハービンジャーはキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(イギリスG1・芝12F)を11馬身差で圧勝した。
ヨーロッパ型の血統なので配合は日本の主流血統との交配がセオリー。
本馬の母父ハーツクライはサンデーサイレンス直仔なのでこの傾向に合致。
Lyphardのクロスを持つのはG2チューリップ賞を勝ち、オークス3着、秋華賞2着のナミュールと同じ。

ハービンジャー×ハーツクライなのでじっくりと成長してきて4歳だった昨年3勝クラスを勝ってオープン入りしました。
明け5歳なのでここでもうひと成長がありそうです。
中山がどうかはわかりませんが、年明けの力が要る馬場は合いそうですね。

クリノプレミアム 牝

父オルフェーヴル Mデムーロ

父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。

母ダンシングクイーンは現役時、4戦1勝。
3代母にはアメリカのG1を6勝(芝9F~10F)した名牝Possibly Perfectがいる牝系。
父オルフェーヴル×母方にGone Westを持つ組み合わせは、シャインガーネット(G3・ファルコンS)やジャスティン(G2・東京盃)と同じ。

成長力のあるオルフェーヴル産駒らしく5歳の昨年、重賞で連続連対(中山牝馬S1着、福島牝馬S2着)と充実していました。
G1ヴィクトリアマイルとエリザベス女王杯ではともに大敗(16着、11着)と壁に跳ね返される結果に。
G3なら見直せますが、成長力がある血統と言えど牝馬で明け6歳がどうかでしょう。

ゴールドスミス セ

父ステイゴールド 大野


母ザミリアはアイルランド産馬で現役時、7戦2勝。
繁殖として海外で、Mtotoとの間にチヴァリーパークS(イギリスG1・芝6F)とニアークティックS(カナダG1・芝6F)を勝ったシリアスアティテュードを出している。
父ステイゴールドは種牡馬としてオルフェーヴルやゴールドシップといった中山適性が高い産駒を輩出する。

本馬も2勝クラスをここと同じ舞台で勝っており、このレースのステイゴールド産駒の成績も優秀です。血統的には合っていそうですが、明け9歳という高齢がどうかです。

コスモカレンドゥラ

父ノヴェリスト 柴田大


父ノヴェリストはイギリスG1・キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(芝12F)などG1を4勝したドイツ馬。
重厚なドイツ血統なので配合は日本の主流血統サンデーサイレンスを取り入れることが必須。
母父アグネスタキオン(サンデーサイレンス系)との組み合わせは、本馬の他にも複数勝ち馬を多く輩出している好相性の配合。
オープン入りすることになったレースが中山芝1800mだったし、2歳時のホープフルステークス(G1・中山芝2000m)では4着と中山の相性は悪くない。

昨年のこのレースは連闘で17着でした。
今年はローテーション的には○
ただし斤量は昨年よりも2kg増になっています。

スカーフェイス 牡

父ハーツクライ 石橋脩


父ハーツクライについてはこちらで解説しています。

母スプリングサンダーは現役時30戦5勝(オープン馬)
勝ち鞍は1200m~1400mで挙げた。
父ハーツクライ×母父クロフネの組み合わせはクイーンC(G3)勝ち馬でオークス3着のアドマイヤミヤビや、オープン馬チェスナットコート、サラトガスピリットと同じ。
本馬はそこに1本Nijinskyなのでパワーと持続力で阪神の急坂を差し切ってオープン入り。

今年の始動戦となった中山金杯では「差し競馬になるようならここも出番がありそう。」と考察し、2着と好走しました。
今年も後ろが届く展開になれば出番はあります。

ヒュミドール セ

父オルフェーヴル 田辺


父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。

母母に桜花賞馬キストゥヘヴンがいる牝系。
ノーザンテーストのクロスを持つ父オルフェーヴルにさらに母系にノーザンテーストを重ねており、さらにサンデーサイレンスの3×3クロスというなかなか挑戦的な配合。
クロス過多により気性難があり、3歳時に虚勢された。
能力は水準以上でその後はオープンまで出世。
重賞でも割と堅実に走っており、福島記念(G3)と小倉記念(G3)で2着とするなど、重賞制覇まであと一歩のところまで迫っている。

このように2000mでの重賞では、平坦の方が合っていそうですが、中山の田辺は買い材料ではあります。

フェーングロッテン 牡

父ブラックタイド 松若


母ピクシーホロウは現役時、14戦3勝(条件馬)。
勝ち鞍は芝1500~1800m
繁殖としてスプリンターズSを勝ったピクシーナイト(父モーリス)を輩出している。
4代母にはアメリカ産馬でG1・ヴァニティH(ダート9F)を勝ったA Kiss for Luckがいる牝系。
父ブラックタイドは名馬ディープインパクトの全兄。代表産駒はG1・7勝のキタサンブラック。
そのキタサンブラックとはLyaphardのクロスに加えて、サクラバクシンオーの血を持つという共通点がある。

前走菊花賞から距離が得意レンジに戻ることはプラスです。
中山は初だが、血統的に苦手ではなさそうです。

フォワードアゲン セ

父ローズキングダム 江田照


母母エイシンサンサンは小倉3歳S(G3・芝1200m)勝ち馬でエリザベス女王杯3着。
父ローズキングダムはジャパンカップと朝日杯FS勝ち馬。
キンカメ×サンデーサイレンスの王道配合。
種牡馬としては怪我により既に引退している。

キンカメ系らしく成長力があり、本馬も5歳の昨年オープン入りを果たしました。
母系にRoberto+ノーザンテーストなので中山は合うでしょう。
距離は1F長いように思います。

マテンロウレオ 牡

父ハーツクライ 横山和


母サラトガヴィーナスは現役時、13戦3勝(条件馬)
ダート1000m~1200mの短距離で活躍した。
3代母にはアメリカでG1を11個も勝った名牝Lady's Secretがいる。
父ハーツクライについてはこちらで解説しています。

こちらでも述べたように父ハーツクライ×母父ブライアンズタイムの組み合わせは本レース勝ち馬のタイムフライヤーと同じ。
また、母系にDanzigの血を持ってくる配合は、サリオス(朝日杯FS(G1))、カテドラル(京成杯オータムH(G3))、グラティアス(京成杯(G3))といった早期から始動できるパターンに分類。

春のクラシックは負けてしまった(皐月賞12着、ダービー13着)ものの、出走できたことは立派です。
その後、リステッド競争で1着、中日新聞杯(G3)2着と力を示しています。
ここも良績を残しているハーツクライ産駒ということで血の後押しもあります。

ラーグルフ 牡

父モーリス 戸崎圭


父モーリスはサンデーサイレンスを内包する非主流血統。
その為、様々なタイプと交配できることに種牡馬としての強みがある。
産駒初のG1馬はスプリンターズSのピクシーナイトだったが、様々なタイプと交配ができるので今後様々なタイプの産駒が出てくるだろう。
本馬はサンデーサイレンスのクロスにSadler’s Wells≒Fairy Kingのクロス、そしてRobertoのクロスといういかにもな中距離馬。

中山は道中スムーズさを欠いた弥生賞(11着)以外は好走(ホープフルS3着、皐月賞8着、セントライト記念5着)していますし、モーリスの明け4歳。
ここは勝ち負けでしょう。

ラーゴム 牡

父オルフェーヴル T.バシュロ


父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。

母シュガーショックはアメリカのダート中距離重賞の勝ち馬。
母母母Unbridled Hopeもアメリカのダート中距離重賞勝ち馬。
このようにパワーが勝った背景にある牝系が血統的素地。
父オルフェーヴル産駒のG1馬2頭はエポカドーロとラッキーライラックでこの2頭は母系にフォーティナイナーを持つという共通点がある。
本馬もこの鉄則に従って母系にフォーティナイナーを持っている。

昨年4歳時はダートに転向すると、オープン勝ちから重賞でも2着2着3着と結果を残しています。
芝ダート兼用馬としての力を示しており、今年は再び芝でのスタートを選択しました。
中山は意外にも初なのですが、血統的には可も無く不可も無くといった感じです。

レインカルナティオ 牡

父ルーラーシップ 石川


父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。

母リビングプルーフは現役時、24戦3勝。
勝ち鞍は芝1000~1200m
繁殖としてクイーンC(G3)を勝ったテトラドラクマ(父ルーラーシップ)を出しているので本馬はその全弟となる。
父ルーラーシップは非サンデーサイレンス系なのでサンデーの血を注入することがセオリー。
またキンカメ系種牡馬らしくNureyevの血を増強することで成功しやすい。
本馬の母父父にあるFairy Kingは3/4同血。

前走アルゼンチン共和国杯時には「血統的に東京は合うし、父の産駒を思えば距離延長もプラスに働くのだが、母のスプリントの血が少し強く出ていそうで、先述した全姉はマイル重賞の勝ち馬。前走2200mを勝ったがそこからさらなる延長がどうか。」と考察し結果は11着。
距離短縮はプラスでしょう。

レッドランメルト 牡

父ディープインパクト 北村宏


母クイーンズアドヴァイスはアルゼンチン産馬で現役時、19戦6勝(海外)
アルゼンチンの重賞(芝1000m)勝ち馬。
母母Queen's Benchもアルゼンチンの重賞(ダート1000m)勝ち馬。
3代母Que Llamaradaもアルゼンチン重賞勝ち馬という牝系。
ディープインパクト×Danzigの組み合わせはミッキーアイル(マイルCS、NHKマイル)など上級マイラーを輩出する配合。

本馬はそこから1F長い1800mで3連勝し、3歳の昨年オープン入りしています。
明け4歳、今が充実期で相性の良いディープインパクト産駒というのは心強いです。

ワンダフルタウン 牡

父ルーラーシップ 津村


父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。

母シーオブラブは、現役時18戦1勝(地方)。
繁殖として本馬が初産駒。
血統背景は父ディープインパクト×母父Acatenangoの組み合わせ。
この組み合わせは菊花賞(G1)勝ち馬のワールドプレミアムが代表格で、3歳以上の組み合わせの数が15頭と少ないながらも12頭が勝ち上がっている好打率な配合。
この好配合の母に非サンデー系の父を迎えた形となる。

父ルーラーシップは非サンデーサイレンス系としてサンデーサイレンス系牝馬と交配できることが強み。
実際、産駒の活躍馬のほとんどが母父サンデーサイレンス系である。
母父ディープインパクトとの組み合わせでは、ここまで産駒唯一のG1馬キセキ(菊花賞)がいる。

つまり本馬はキセキと3/4同血配合で、母がワールドプレミアムと3/4同血配合。
ということで血統的には長距離適性が高いです。
最も合うコースは東京ということになりますが、父ルーラーシップ×母父ディープインパクトは最近のトレンドです。

以上、全17頭の血統解説でした。

血統表:(c)netkeiba.com

【血統的穴馬発表】

それではここからは血統的穴馬の発表です!

過去5年で人気薄(6番人気以降)が馬券になったのは7回。
1着は人気上位馬で決まっているので、人気薄は2~3着に来る可能性が高いと見ています。

直近3年では、昨年2着スカーフェイス(7番人気)や2021年3着2020年2着ウインイクシード(11番人気、6番人気)というVice Regent持ち馬が穴をあけています。

それ以前では2020年3着テリトーリアル(11番人気)、2019年3着タニノフランケル(9番人気)、2018年3着ストレンジクォーク(10番人気)といったSadler’s Wells内包馬が穴を開けていました。

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今年の人気薄(6番人気以降)出走馬の中でVice Regentを持っている馬は・・・
スカーフェイス(11人気)
です。

続いてSadler’s Wellsを持っている馬は・・・
エヴァーガーデン(10人気)
です。

※人気は1月4日時点、netkeibaの想定によるものです。

オマケ

京都金杯の血統について少し話をしましたので良ければどうぞ(⁠◠⁠‿⁠・⁠)⁠—⁠☆

※2023.1.3 ツイキャス配信分切り抜き

以上です。
それでは今年もエンジョイ競馬よろしくです(^^ゞ

20231.4 post

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YRA@血統調査員

少しでも役立つ競馬情報を。2011年~2016年までの5年間、北海道を拠点に毎日馬のお勉強に明け暮れていました。 2023年から再び拠点を北海道に移し、血統調査員として執筆活動に邁進中! 夢は雑誌で連載すること!

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