血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週は3日間開催!
月曜日は牝馬クラシックへ向けて貴重な賞金加算レース、フラワーC(G3)です。
それでは、3歳乙女の全頭血統考察どうぞ!
目次
【フラワーC(GⅢ)全頭血統考察】
1枠1番スタニングローズ
父キングカメハメハ 川田
母母ローズバドはフィリーズレビュー(G2・芝1400m)勝ち馬でオークスと秋華賞で2着。
3代母ロゼカラーはデイリー杯3歳S(G2・芝1400m)勝ち馬で秋華賞3着。
いわゆる「華麗なるバラ一族」だ。
父キングカメハメハ×母父クロフネなのでハヤヤッコ(レパードS(G3))に代表されるようにパワーに富む。
さすがに本馬の牝系から「ダートが良いよ」とまでは言わないが、馬場は渋った方が良いタイプだろう。
全姉バンゴール(オープン馬)を参考にすると距離は1600~1800mあたりかなという感じはする。
サウジアラビアRCでは最速の上がりで、コンマ1秒差の3着。
デイリー杯2歳S時には『牝馬ながら牡馬に混じって頑張る姿にもちろん応援したくなる気持ちをくすぐられるが、ハッキリと言います。「ソネットフレーズの方が可愛い」』と考察した通り、やはり絶対アイドルの可愛さには敵わず5着。
そこから前走1勝クラスを勝ちきってここへ。
やはりデイリー杯2歳SはスーパーG2だったのですね。
2枠2番パーソナルハイ
父ディープインパクト 藤岡康
母パーソナルダイアリーはデルマーオークス(アメリカG1)勝ち馬。
母父City Zipは米ダート7FのG1勝ち馬。
父はアメリカ型のスピード血統との配合が成功パターン。
本馬についてはデビュー前に血統注目馬としてTwitterで取り上げました。
勝ち上がりまでに3戦を要したが、前走赤松賞では逃げて2着。
勝ち上がったレースも逃げだったので現状この戦法が合うのだろう。
前走阪神JF時には「鞍上が2戦目に手綱をとった藤岡康に戻るのでまた、中団後方からというレースをしなければ良いのだが。」と考察したのですが、本当に中団からいってしまい16着。
その時の反省を踏まえて、さすがにここは前からいくでしょう(と思いたいです)。
3枠3番シンティレーション
父ロードカナロア 横山武
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
母母トコアは現役時、3勝(条件馬)スプリンターとして活躍した。
その父系はSadler’s Wells系となる。
ロードカナロア配合は名牝Specialの血を増強することで大物を輩出する。
本馬が持つSadler’s Wellsは皐月賞馬サートゥルナーリアと同じ。
そんな配合なのでマイルよりは長めの方が合っていますし、ここで賞金が上積みできるようならクラシックへの視界が明るくなります。
(但し、桜花賞は少し短い気がするし、オークスは長い気がするんですけど)
4枠4番コルベイユ
父リーチザクラウン 勝浦
母母サンデーピクニックはフランス重賞(芝2100m)勝ち馬。
3代母アトールはイタリアオークス(イタリアG1)勝ち馬。
父リーチザクラウンはきさらぎ賞勝ち馬でダービー2着。
その父はサンデーサイレンスで、先述した母母の父もサンデーサイレンス。
ということでサンデーサイレンスのクロス3×3がある。
やや濃い印象だが、ここまで気の悪さは見せておらず、前走デビュー3戦目で勝ち上がった。
そのレースが逃げの手に出たもので父の現役時と重ね合わせた人も多いのではないだろうか。
今回その前走と同じようなレースをするのであれば、レースレベルが上がる中でどこまでいけるかでしょう。
5枠5番ニシノラブウインク
父エピファネイア 三浦
父エピファネイアについてはこちらで解説しています。
5代母Fiesta Funはヨークシャーオークス(イギリスG1)3着に入着。
父エピファネイア×母父アグネスタキオンの組み合わせは、昨年のラジオNIKKEI賞(G3)で2着のワールドリバイバルと同じ。
前走のフェアリーSでは中山は合いそうと思いながら見ていましたが、案外の7着でした。
初重賞を経験してからの2戦目なので前進する姿が見たいところです。
5枠6番モカフラワー
父スクリーンヒーロー 石川
母ハイタッチクイーンは現役時3勝。
3代母レディステラはフェアリーS(G3・当時1200m)勝ち馬。
父スクリーンヒーローはジャパンカップ勝ち馬。
血統背景は父グラスワンダーにサンデーサイレンスを配した形。
種牡馬としてはモーリスを輩出している。
本馬はこのモーリスとは、Sadler’s WellsとLyphardを持つ点で合致している。
スクリーンヒーローはRoberto系なので活躍が牡馬に偏る傾向にある。
本馬と同じく牝馬での活躍馬でいけばクールキャット(G2・フローラS)と、Lyphardを持つという共通点がある。
そのクールキャットはこのレースで5着でした。
元来、この血は中山が得意なので前走よりはプラスに働きそうです。
6枠7番アポロルタ
父アポロキングダム 吉田豊
父アポロキングダムは現役時2勝で重賞勝ちはなし。
種牡馬としてはダートの短距離が主軸となる。
芝の場合でも主戦は短距離で主に下級条件まで。
母母エンゼルカロは函館3歳S(G3・芝1200m)勝ち馬。
このような配合なので血統面からはクラシックに向けてここで賞金加算するイメージは持てないというのが正直なところです。
6枠8番ダイム
父オルフェーヴル 横山和
父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。
母シンバルⅡはアイルランド産馬のオープン馬。
父オルフェーヴル×母方にSadler’s Wellsの組み合わせはオーソリティ(G2・AJCC)やオセアグレイト(G2・ステイヤーズS)と同じで相性が良い配合。
前走道悪で勝ち上がったようにオルフェーヴル産駒はサンデーサイレンス系の中でも力が要る馬場の方が良い傾向にあります。
中山コースは合いそうですが、上述した2頭に挙げられるようにクラシックというよりはやはり完成は古馬になってからとなりそうです。
7枠9番キタサンシュガー
父キタサンブラック 坂井
母リップスポイズンはドイツ産馬で、ドイツ1000ギニー(G2)勝ち馬。
父キタサンブラックはこの世代が初年度産駒となる。
その父ブラックタイドは全弟に名馬ディープインパクト。
キタサンブラック自身の本格化が古馬になってからだったので、そこにヨーロッパ血統の肌馬を持ってくるという配合からはやはり完成はもう少し先にありそう。
それでも新馬戦できっちり勝ち上がっているところに非凡さを感じますし、オーナーはキタサンブラックと同じ北島三郎。
親子2代の夢も見たくなる、そんな馬ですね。
7枠10番デインティハート
父エピファネイア 菅原明
父エピファネイアについてはこちらで解説しています。
母スペルバインドはマイル~中距離で活躍したオープン馬。
母母デインスカヤはフランス重賞勝ち馬(芝1600m)。
父エピファネイア×母父ゴールドアリュールの組み合わせはなかなか見ない配合だが、ゴールドアリュールに内包するNureyevが、エピファネイアが持つSadler’s Wellsと3/4同血なので相性が良さそうな配合ではある。
先述した母はその父がダート王ゴールドアリュールだったにも関わらず芝で活躍した。
その影響で本馬も芝適性に出ているのだろう。
その母はこのフラワーCでは13着と苦杯をなめましたが、中山得意な父と配されて生まれた本馬はどうでしょうか。
8枠11番アプサラー
父ドレフォン 津村
父ドレフォンはこの世代が初年度産駒。
芝・ダート兼用種牡馬なので、適性は配合次第なところが大きい。
本馬の母父ディープブリランテはディープインパクト直仔でパワーを足したような配合。
その為、本馬はダートで勝ち上がったが芝でもやれそう。
但し、先述したようにディープにパワーを足したのがディープブリランテなので、芝ならパワーがいる馬場がベターか。
父ドレフォンはStorm Catを内包し、母方にはUnbridledを内包。
ということでこの馬は「アンディープキャット配合」ということになる。
8枠12番ティズグロリアス
父ディープインパクト ルメール
母ティズトレメンダスは現役時2勝。
フィリーズレビュー(G2)3着から桜花賞へと駒を進めた(結果は13着)。
母父Tiz Wonderfulは母方にStorm Catを内包。
Storm Catはディープインパクトとの交配において、キズナやラヴズオンリーユーなどG1馬を多数輩出したニックスな血。
非サンデーサイレンスながら桜花賞まで駒を進めた母に日本の主流ディープインパクトを配しているので血統的にはもちろんクラシックの舞台がよく似合う。
小柄なこともありデビュー戦を勝ち上がった後は、成長を促しています。
今回はもともと自己条件で使う予定だったようですが、ルメールを確保できたこともありここへ。
先述したような血統なので楽しみは大きいですが、まだまだ挑戦者の立場です。
以上、全12頭血統考察でした。
画像元:(c)netkeiba.com
2022.3.19 post
【確定!血統評価】
S評価
①スタニングローズ
②パーソナルハイ
③シンティレーション
A評価
⑥モカフラワー
⑨キタサンシュガー
⑩デインティハート
2022.3.21 post