血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週は秋華賞トライアル、ローズS(GⅡ)です!
それでは今週もまずはみっちゃんよろしく!
目次
【ローズステークス過去データ】
ローズSは、2019年まで阪神芝1800で行われていた為、今回は下記のような条件のデータを紹介します。
直近2年分の中京で開催されたローズSの結果と照らし合わせながら見ていきましょう。
枠について
まずは、枠番ごとのデータです。
開幕2週目ということもあり、まずは内枠に有利な傾向が出ています。
1枠は勝率、連対率、複勝率ともにトップですね。
6枠を含む外側の枠も、内を見ながら立ち回れるので競馬がしやすいというデータが出ています。
実際、過去2年では、先ほど紹介した枠から4頭が馬券になっています。
もちろん、枠番は他馬との並びも重要になってきますが、
参考程度に見ておきたいと思います。
脚質について
次に脚質ごとのデータです。
過去2年のレース結果と照らし合わせて見てみましょう。
前で競馬をした馬が2頭、中団が2頭、後方が2頭と満遍なく馬券になっています。
なにがなんでも前が有利、と決めつけるのは危険かと思っています。
しかし、雨が降って馬場が渋ると、重馬場適正の高い馬が有利になったり、
差し馬の末脚が鈍り、前決着になることも考えられます。
データや傾向に惑わされず、当日の馬場と馬の適性をよく見極めていく必要がありそうですね。
騎手について
次は騎手ごとのデータです。
騎乗する馬質の関係もありますが、いわゆるトップジョッキーが良い成績を収めています。
2000mともなると、やはり騎手の腕と経験が大切になってきますね。
過去2年の結果を見てみると、
トップジョッキーが人気馬を好走させており、穴馬が飛び込んでくるという結果になっています。
ルメールが2回とも人気馬を飛ばしているのが気になりますが、
トップジョッキー+人気馬には逆らわないほうが良いと思っています。
タイムについて
最後に時計の面も見ていきたいと思います。
過去2年のローズSでは、2分フラット前後が決着時計となっています。
単純比較はできませんが、その他の中京2000mの時計も並べてみました。
良馬場では1分59秒前後、馬場が渋ると2分1秒前後が決着時計となっています。
過去に中京芝2000mの経験があるのは、セントカメリア・パーソナルハイ・ヒヅルジョウ・ベリーヴィーナス・ミナモトフェイスの5頭です。
もちろん、展開によってタイムは変わってくると思いますが、
まとめてみましたので参考になれば幸いです。
以上、データでした!
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【ローズステークス血統傾向】
□天上天下ディープ独尊
2021年(良)中京
1、キングカメハメハ 母父ディープインパクト
2、エイシンヒカリ 父父ディープインパクト
3、キングカメハメハ 母父ディープインパクト
2020年(良)中京
1、ディープインパクト
2、エピファネイア 母父ディープインパクト
3、ディープインパクト
2019年(良)阪神
1、ディープインパクト
2、クロフネ
3、ヴィクトワールピサ
2018年(良)阪神
1、ディープインパクト
2、ディープインパクト
3、ディープインパクト
2017年(良)阪神
1、Tapit
2、ディープインパクト
3、ハーツクライ
2016年(重)阪神
1、ディープインパクト
2、ステイゴールド
3、エンパイアメーカー
2015年(良)阪神
1、ディープインパクト
2、ディープインパクト
3、キングカメハメハ
従来阪神競馬場で行われるこのレースは種牡馬王ディープインパクトの庭。
2015~2019年の5年間で、4勝・2着2回、3着1回の計7頭もの産駒を馬券圏内に送り出している。
そんな中で2020年、2021年、そして今年は中京芝2000mにて開催。
2020年の優勝馬リアアメリア、3着馬オーマイダーリンはディープインパクト産駒。
2着のムジカはエピファネイアの産駒だが、母父がディープインパクト。
昨年の優勝馬アンドヴァラナウトと3着馬アールドヴィーヴルはともにキングカメハメハ産駒だが、母父がディープインパクト。
2着エイシンヒテンはディープインパクト直仔のエイシンヒカリ産駒。
開催が中京芝2000mとなってもディープインパクトの血はこのレースで外せない存在であることがわかる。
事実、このレースに限らず、中京芝2000m全体の種牡馬成績でナンバー1はやはりディープインパクト。
勝率14%、連対率28%、複勝率38%という他を圧倒する成績を残している。
該当馬は、サリエラ、パーソナルハイ、マイシンフォニー、ラリュエル。
またディープインパクト直仔の産駒はエグランタイン(キズナ)、ベリーヴィーナス(キズナ)、ルージュリナージュ(スピルバーグ)。
その他、エピファネイアも連対率23%、複勝率33%と馬券圏内では優秀さを見せている。
該当馬は、ブルトンクール。
【ローズステークス全頭血統考察】
アートハウス
父スクリーンヒーロー 川田
母パールコードは秋華賞2着。
母母マジックコードはアメリカ重賞勝ち馬(ダート9F)。
父スクリーンヒーローはジャパンカップ勝ち馬。
血統背景は父グラスワンダー(Silver Hawk~Roberto~ターントゥ系)×母父サンデーサイレンスの組み合わせ。
Roberto系種牡馬らしく産駒の活躍馬は牡馬に偏っている。
牝馬で重賞を勝っているのはウインマリリン(日経賞、オールカマー、フローラS)とクールキャット(フローラS)のみ。
本馬も重賞ではないが上述した牝馬2頭と同じようにオークストライアル(わすれな草賞)を勝って春のオークスへと足を踏み入れた(結果は7着)。
ウインマリリンはオークスで2着、クールキャットは14着だった。
オークス後、秋華賞は2頭とも大敗(ともに15着)。
その前哨戦でどのようなレースができるか注目したい。
エグランタイン
父キズナ 池添
母母にはアメリカG1・ガゼルS(ダート9F)で3着に入着したBon Jovi Girlが、4代前にはアルゼンチンG1・銀杯大賞(芝2000m)勝ち馬のSalt Springがいる牝系。
父キズナについてはこちらで解説しています。
母方にAlydarを内包するのは、ディープボンド(G2・阪神大賞典)と同じ。
母母父にあるSeattle Slew系の血もキズナ配合において多くの活躍馬に共通する好相性。
勝ち上がりまでに5戦を要したが、昇級初戦で2着→2戦目で1着と本格化の兆しを見せている。
好位から抜け出す脚質もここでは追い風となりそう。
サリエラ
父ディープインパクト ルメール
母サロミナはドイツオークス勝ち馬。
母母Saldentigerinもドイツ重賞勝ち馬。
全姉にはG2・府中牝馬勝ち馬のサラキアがおり、半兄(父ハーツクライ)は朝日杯FS勝ち馬のサリオス。
競争成績も繁殖力も高スペックな母系を背景に、デビューから2戦2勝。
初重賞挑戦で最後の一冠の挑戦権を掴めるか注目。
セントカメリア
父ドゥラメンテ 福永
母アドマイヤテレサは現役時19戦5勝。
母母ヒードはアメリカ重賞(芝8.5F)勝ち馬。
半兄にG1コーフィールドC勝ち馬のアドマイヤラクティ(父ハーツクライ)やG3函館記念を勝ったアドマイヤジャスタ(父ジャスタウェイ)がいる。
父ドゥラメンテはキンカメ×アドマイヤグルーヴという良血種牡馬で、初年度産駒から菊花賞馬タイトルホルダーを輩出し、2年目にも桜花賞とオークスを勝ったスターズオンアースを出した。
キンカメ系種牡馬らしくNureyevの血を増強させることで大物が出る。
母母父にあるFairy Kingは母母にSpecialということでNureyevと3/4同血のクロスということでこの傾向に合致。
勝ち上がりまでに4戦を要したが、昇級初戦でも勝利。
2勝クラスでも2着ということで軌道に乗りつつある。
ひと夏超えてのドゥラメンテ産駒ということで、さらなる成長した姿を見せてくれるか楽しみだ。
パーソナルハイ
父ディープインパクト 吉田豊
母パーソナルダイアリーはデルマーオークス(アメリカG1)勝ち馬。
母父City Zipは米ダート7FのG1勝ち馬。
父はアメリカ型のスピード血統との配合が成功パターン。
本馬についてはデビュー前に血統注目馬としてTwitterで取り上げました。
勝ち上がりまでに3戦を要したが赤松賞では逃げて2着。
勝ち上がったレースも
逃げだったので現状この戦法が合うのだろう。
その後のクラシックの本馬への考察と結果は以下の通り。
阪神JF時には「鞍上が2戦目に手綱をとった藤岡康に戻るのでまた、中団後方からというレースをしなければ良いのだが。」と考察したのですが、本当に中団からいってしまい16着。
フラワーCでは「その時の反省を踏まえて、さすがにここは前からいくでしょう(と思いたいです)。」と考察しましたが出遅れもありまたもや後ろからとなり、6着。
そして桜花賞時には「今回は吉田豊に鞍上強化されるので、前からのレースに期待。」と考察しましたが、スタート後押していくも先手は取れず中団からとなり6着。
そしてフローラS時には「(もしや・・・もう逃げられないのか?!)オークスに出るには権利を獲るしかないので今度こそ逃げて下さい。」と考察し、ようやく見たい競馬を見せてくれて2着。
前走オークス時には「オークスの舞台で逃げ切るのは至難ですが、この馬の良さを出すにはそれしかないので今回も思い切って乗って欲しいです。」と考察しましたが、番手から進めて16着大敗。
ということでこの馬にとってやって欲しいことは1つです。
ヒヅルジョウ
父ハービンジャー 菱田
父ハービンジャーについてはこちらで解説しています。
母サンデージョーは現役時22戦2勝(条件馬)。
5代母にはアメリカG1・エイコーンS(ダート8F)を勝ったQuillがいる牝系。
父ハービンジャー×母父グラスワンダーの組み合わせは、オープン馬ヤマカツグレース(G2フローラS2着)と同じ。
またハービンジャーの系統であるDanzigをクロスさせたものは、エリザベス女王杯を勝ったモズカッチャンと同じ。
勝ち上がりが3歳春だったので、クラシックには間に合わなかったが、その後1勝クラスでも安定しており、前走札幌でこのクラスをクリアした。
ハービンジャーなのでこの洋芝が勝ち上がったことは納得。
そこからの舞台変わりは一見マイナスに映るが、実は中京芝2000mは得意コース。
密かに期待しておきたい。
ブルトンクール
父エピファネイア 浜中
父エピファネイアについてはこちらで解説しています。
母ファビュラスセンスは15戦1勝。
3代母にはクイーンC(G3・芝1600m)を勝ったカッティングエッジがいる牝系。
父エピファネイアは4代前に主流血統サンデーサイレンスを内包する。
この血を増強することがエピファネイア配合における活躍の第一条件で、本馬の母母父にはサンデーサイレンスなのでこの傾向に合致。
母父は重厚なRoberto系なので、本馬はこのクロスも合わせ持つ。
それ故に得意舞台は前走北海道で勝ったように重厚さが求められるタフな馬場。
まだ良馬場でしか走ったことはないが、一度渋った馬場でのパフォーマンスを見てみたい。
ベリーヴィーナス
父キズナ 藤岡康
父キズナについてはこちらで解説しています。
母ティーエスベリーは未勝利。
母母ファウヴェリアはフランス産馬でG1・クリテリヨムドサンクルー(芝2000m)2着。
5代母にはイギリスオークス3着のBritannia's Ruleがいる牝系。
父キズナ×母父New Approachの組み合わせは、バスラットレオン(G2・ニュージーランドT)と同じ。
未勝利を4戦目で勝ち上がり、前走1勝クラスの昇級初戦では9着。
血統的には相性の良いディープインパクト系の産駒だが、このメンバー相手ではまだ力が足りないでしょう。
マイシンフォニー
父ディープインパクト 武豊
半兄(父ハーツクライ)は京都2歳S(G3)を勝ったマイラプソディ。
母テディーズプロミスはアメリカ産馬でアメリカG1・ラブレアS(ダート7F)勝ち馬。
父ディープインパクトにアメリカ血統を持ってきたというオーソドックスな配合。
母父Deputy Minister系との組み合わせは、ダービー馬マカヒキやショウナンパンドラ(ジャパンカップ、秋華賞)と同じ。
フィリーズレビューでは後方から追い込むも4着。権利獲りはならなかった。
前走フローラS時には「フィリーズRで追い込んできた脚には見所がありましたし、距離が延びて東京に変わるのはプラスに働きそうです。」と考察し、中団から進めて4着まで。
オークスに駒を進めることは叶いませんでした。
その後自己条件で7着、2着。正直勝ち上がってこの舞台に来て欲しかったですが、いずれも洋芝ですから求められる能力は違います。
好走レンジは道中しっかりと脚を溜められた時なので、開幕2週目の馬場で最後どれだけ伸びるかというところがポイントになりそうです。
ミナモトフェイス
父キタサンブラック 鮫島克駿
母母Win Crafty Ladyはアメリカ産馬でアメリカ重賞(ダート6F)勝ち馬。
半兄(父)にダートオープン馬のワイルドカード(L・ベテルギウスS)
父キタサンブラックは現役時、古馬G1を7勝した国民の愛馬。
その父ブラックタイドは名馬ディープインパクトの全兄という血統。
種牡馬としてこの世代が初年度産駒となる。
本馬の母父Unbridledはディープインパクトと相性が良く、三冠馬コントレイルを始め多くの活躍馬を輩出している。詳しくは⇒アンディープキャット配合
先述したように父父ブラックタイドはディープインパクトと同血となるのでキタサンブラックとの交配でも相性が良い可能性は高い。
デビューから5走目となる前走で勝ち上がり。
父キタサンブラックは自身が古馬になって本格化したように成長力があるので、本馬もまだまだこれからだろう。
メモリーレゾン
父オルフェーヴル 古川吉
父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。
母メモリーパフィアは現役時22戦3勝(条件馬)
勝ち鞍は芝1200~1400m。
繁殖として中央で勝ち上がった馬は本馬を含み3頭で、全て複数勝ちを収めている。
父オルフェーヴルに母父フレンチデピュティ系の組み合わせは、BCディスタフ(アメリカG1・ダート1800m)を勝ったマルシュロレーヌや、ヘリオス(OP・霜月S)アルドーレ(OP・阿蘇S)などダート適性が高い馬が出やすい。
本馬もこの傾向に合致するのだが、ここまで芝で走っている。
オルフェーヴルの芝適性が強く出ているのだろうが、母父ノボジャックはG1・JBCスプリント(ダート1200m)勝ち馬。
古馬になってダートに高い適性を出す可能性があることは覚えておいて下さい。
ラリュエル
父ディープインパクト 坂井
母カウアイレーンは現役時18戦5勝(OP馬)。
母母シルバーレーンはフランス重賞勝ち馬で、アイルランドオークス3着。
半兄(父ステイゴールド)は今年サウジアラビアでレッドシーターフH(G3)を勝ったステイフーリッシュ。
父ディープインパクト×母父キングカメハメハはダービー馬ワグネリアン、秋華賞馬のアカイトリノムスメと同じ。
チューリップ賞時には「このレースはディープインパクト産駒の相性が良い。配合も上述したように牡牝3歳G1馬を輩出。ということで血統的にはバッチリなのですが、正直ここは回避すると思っていました。」と考察し、7着。
クラシックには辿り着くことができませんでした。
そこから休養を挟み、前走自己条件を逃げて勝ちました。
開幕2週目ですし、今回もハナを主張して欲しいです。
ルージュリナージュ
父スピルバーグ 松山
母パンツァネッラは地方2勝。
本馬が初仔。
3代母には地方重賞(G3・クイーン賞)勝ち馬のピーポジティブが、5代母にはアメリカG1・モンマスオークス(ダート9F)勝ち馬のDream Dealがいる牝系。
父スピルバーグはディープインパクト直仔で天皇賞・秋勝ち馬。
母母父のクロフネはディープインパクトと相性の良い血統で、その仔であるスピルバーグとも相性が良い可能性が高い。
産駒は父同様、晩成型のタイプが多くディープ系にしては成長力が高いタイプ。
本馬も勝ち上がりは3歳になってから。その後1勝クラスでは全て馬券になっており、前走勝ち上がりを決めた。
これからますますの成長が見込めそうで楽しみな存在だ。
ヴァンルーラー
父ルーラーシップ 小沢
父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。
母カロンセギュールは現役時24戦2勝(条件馬)。
4代母にCCAオークス(アメリカG1・ダート9F)勝ち馬のMissile Belleがいる牝系。
父ルーラーシップ×母父Deputy Ministerの組み合わせはリオリオン(青葉賞(G2)、セントライト記念(G2))、パッシングスルー(紫苑S(G3))、リリーノーブル(オークス2着、桜花賞3着、阪神JF2着)が出ており、このうちパッシングスルーは本馬と同じサンデーを内包していない。
ルーラーシップはキンカメ系の中長距離担当。
フローラS時には「距離延長はのぞむところですし、東京変わりもプラス。血統的魅力が大きい一頭となります。」と考察しましたが、結果は9着。
オークスの出走権を手にすることはできませんでした。
前走自己条件に戻ったもののタイム差なしの2着。
そこから今回中京に変わってのレースとなりますが、前から進められるのは向きそうです。
但し、血統的には王道が好走するレースなのでサンデーを内包していない点はマイナスです。
血統表:(c)netkeiba.com
以上となります。
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2022.9.16 post