血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
日本ダービーが終わりました!
さぁ今週から2歳戦が始まります!
血統の出番ですね。
それでは「2歳戦で狙える!種牡馬」スタートです。
目次
【2歳戦種牡馬ランク過去5年】
2018年
1位ディープインパクト
2位ロードカナロア
3位ダイワメジャー
4位ルーラーシップ
5位ハービンジャー
2019年
1位ディープインパクト
2位ハーツクライ
3位キズナ
4位ダイワメジャー
5位エピファネイア
2020年
1位ディープインパクト
2位ドゥラメンテ
3位モーリス
4位キズナ
5位エピファネイア
2021年
1位ディープインパクト
2位エピファネイア
3位ドゥラメンテ
4位ロードカナロア
5位ドレフォン
2022年
1位ドゥラメンテ
2位エピファネイア
3位ルーラーシップ
4位ハーツクライ
5位ロードカナロア
昨年ここで述べたように不動の1位だったディープインパクトが2019年に死去。
その年に種付けを行われた数少ない翌2020年の産駒が、昨年2022年にデビューしました。
そして2歳種牡馬ランクからついに姿を消すこととなりました。
ということで現在
種牡馬戦国時代真っ只中です!
そして2022年度に見事そのポストディープインパクトの座を射止めたのは、
ドゥラメンテでした。
昨年「一気の天下獲りがあっても不思議ない」と述べたのですが、順当にその座を手にしましたね。
これでここまで2020年2位、2021年3位、2022年1位となり、立派の一言。
今年の2歳世代も種付け頭数はトップクラスですし、今年も2歳リーディングの本命候補です。
2022年世代の代表産駒はリバティアイランドでした。
デビュー以来種牡馬王候補と言われているエピファネイアもドゥラメンテに先を越されたものの2019年5位、2020年5位、2021年2位、2022年2位とその座を虎視眈々と狙っています。
2022年は大物輩出とはなりませんでしたが、今年の2歳世代の種付け頭数はほぼナンバーワン。
この世代で巻き返しがあっても不思議無いラインナップとなっています。
2022年の代表産駒はモリアーナでした。
一時低迷していたロードカナロアは、2021年に再び4位まで順位を押し上げると2022年も5位とトップ5を守りました。
種牡馬全体としてポストディープインパクと言われており、5月現在今年の種牡馬リーディングをひた走っております。
来年以降もその座を揺るぎないものにする為に、2歳戦から活躍産駒を送り出しておきたいところです。
この世代も安定してトップクラスの種付け頭数を確保していますから、今年も上位は堅そうです。
2022年の代表産駒はウンブライルでした。
旧勢力から巻き返したのはルーラーシップ。
成長力がある血統で、このPOGという観点からは晩成傾向から敬遠されがちでしたが、2022年はなんと第3位にランクインしました。
年末の2歳戦では「ルーラーシップ×ディープインパクトはこの世代のトレンド」と評したようによく走りました。
もともと早くから活躍馬を送り出す種牡馬王ディープインパクトの血を上手に活用した結果と言えるのではないでしょうか。
であればこの勢いで今年も!となるわけですが、注意点が1つ。
2022年世代は種付け頭数がなんとロードカナロアに次ぐ220頭以上を誇っていたのです。
対して今年デビューを控えている世代は130頭前後と大きく減っています。
むやみに飛びつくのは早計かもしれません。
2022年の代表産駒はドルチェモアでした。
旧勢力からもう1頭。
ハーツクライはここ2年ほどランク外でしたが、2022年は4位に巻き返しました。
2021年の世代でダービー馬ドウデュースを出したように、長年種牡馬生活を送ってきた中で早くから活躍できる配合・育成方法が確立された感があります。
今年もダービー3着にハーツコンチェルトを送り出しましたよね。
もともと全体として長らくトップ3の座を守ってきたように種牡馬のポテンシャルの高さは折り紙つきでした。
残念ながらこの2023デビュー世代がラストクロップとなり、種付け頭数も70頭前後と少ないので2歳種牡馬ランクから姿を消すでしょうが、最後にもう一発大物を生む可能性は大いに秘めています。
2022年の代表産駒はハーパーでした。
【新種牡馬をどう見るか】
2歳戦というと避けては通れないのが新種牡馬の取り扱いです。
毎年多くの新種牡馬がデビューしますが、まだ種牡馬としての傾向がわからないままに馬券の取捨をしないといけないので常に頭を悩ませる存在です。
先ほどの過去5年のランキングをもう1度見て下さい。
赤字で記載していた馬名はその年の新種牡馬です。
ランクインしている新種牡馬の共通点は
全て社台スタリオンステーション供用の種牡馬ということです。
2019年キズナ、エピファネイア、2020年ドゥラメンテ、モーリス、2021年ドレフォン
これら全てがあてはまります。
さらにもう1つ共通点があるのですがそれは
「いずれも新種牡馬としての同年種付頭数が1位もしくは2位の種牡馬である。」
ということです。
2019年のキズナは269頭で1位、エピファネイアは221頭で2位
2020年ドゥラメンテは284頭で1位、モーリスは265頭で2位
2021年ドレフォンは207頭で1位
種付け頭数=期待の高さ
ですから社台に大きな期待を寄せられた馬は結果もちゃんと残すということが言えます。
但し昨年はサトノクラウンがこの傾向に合致し、種付け頭数も207頭を集めていたのですが、ランク外でした。
ちなみに新種牡馬ランクでも5位に甘んじています。
但しタスティエーラというダービー馬を輩出しましたので、ポテンシャルが低いというよりは、アベレージヒッターではないと見るべきでしょう。
このように当然全てが全てというわけではありませんが、活躍馬を送り出す可能性は高いと言えるのではないでしょうか。
今年の新種牡馬で
「社台SS供用かつ種付け頭数第1位」は、
レイデオロとなります。
レイデオロは、キンカメ産駒のダービー馬でサンデーを内包しません。
日本の主流血統であるサンデーを内包しないということは、配合に注文がつかないということですから種牡馬として大きなアドバンテージとなります。
さらに本馬は3代前にディープインパクトの母ウインドインハーヘアを持っています。
つまり、ディープインパクトを持つ肌馬との交配ではこのウインドインハーヘアのクロスを作れるというわけです。
歴史上、名牝のクロスというのは成功しますから、本馬にかかる期待は否が応でも高まります。
続いて
「社台SS供用かつ種付け頭数第2位」は、
ブリックスアンドモルタルとなります。
ブリックスアンドモルタルはアメリカの馬でペガサスワールドカップやBCターフを始め、芝G1を5勝しました。
血統ラインはGiant’s Causeway~Storm Cat~大系統ノーザンダンサーです。
Storm Catは日本でかなり高いレベルで適合している血です。
サンデー系種牡馬と抜群の相性の良さを見せていますし、父系でも一昨年の新種牡馬ドレフォンがこの系統。
ドレフォンは皐月賞馬ジオグリフを送り出しました。
ブリックスアンドモルタルももちろん非サンデー系なので、サンデー系肌馬と交配できる強みは先ほどのレイデオロと同じです。
初年度はレイデオロには劣りますが、178頭もの頭数を集めました。
アメリカ馬らしく、種牡馬としてはダート馬も出しそうなので、堅実に賞金を加算していきそうです。
【種付け頭数からが見る】
先ほど種付け頭数=期待の高さと述べました。
ここではこの世代での種付け頭数が最も多かったキズナを取り上げます。
先ほどエピファネイアの時にほぼトップの種付け頭数と述べましたが、そのエピファネイアを抑えてトップに立ったのがこのキズナです。
(まぁエピファネイア240頭、キズナ242頭なのでどちらもトップと言って差し支えはないでしょうが。)
キズナは新種牡馬だった2019年にいきなり3位にランクすると翌2020年も4位でした。
しかし、2021年には8位、2022年も8位と上昇カーブを描けていません。
最初の2年に比べて種付け頭数が落ちたことも原因にあるでしょう。
ただ、全体の種牡馬ランクとしては3位につけているわけですから2歳戦では苦戦したと言わざるを得ない状況であることは間違いありません。
実際、まだ2~3歳戦でG1馬を出せていないという状況もあります。
こうして見ると、なかなかPOGでは手が出し辛いのですが、最初に述べたようにこの世代の種付け頭数は過去最多。
繰り返しになりますが、「種付け頭数=期待の高さ」ですからもともと好きな馬ということもあるのでこの世代ではもう一度期待してみたいと思っています。
逆にここで大物を出せないとこの後、同系の大型ルーキー・コントレイルが控えているので種牡馬として暗雲が立ちこめてくるかもしれません。
【番外編】
2022年世代で皐月賞馬ソールオリエンスを出したキタサンブラックは初年度産駒から年度代表馬イクイノックスを出しました。
そのド派手な産駒たちとは裏腹に2歳種牡馬ランクは2021年16位、2022年17位と低調。
但し種付け頭数も2021年世代130頭、2022年世代110頭と上位人気種牡馬たちに比べると少ないことがわかります。
今年の世代は種付け頭数92頭とさらに数を減らしていますから、2歳種牡馬リーディングとは今年も無縁でしょう。
しかしながら先述したようにド派手な一発を出すので、今年はどんな大物ホームランバッターが出てくるか楽しみにしています。
【まとめ】
ということで最後にわしが選ぶ2023年の2歳種牡馬ランクの上位候補は、
ドゥラメンテ
エピファネイア
ロードカナロア
キズナ
レイデオロ
とします。
今年の終わりにどうなっているか?!
お楽しみに~!
最後までお読み頂きありがとうございました!
参考になれば幸いです。
それでは、また(^^ゞ
2023.5.30 YRA