血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
以前血統についての入り口記事を執筆しました↓
↑こちらでは種牡馬王ディープインパクトからキングカメハメハについて触れました。
今回は種牡馬ランクトップ10の常連、堅実馬について調査したいと思います。
それでは
ちょっと知るだけでわかる『ルーラーシップ』どうぞ!
画像元:(c)netkeiba.com
ルーラーシップは現役時代、日本、香港、UAEで走り20戦8勝(2着2回、3着4回)。
主な勝ち鞍は香港での国際G1、クイーンエリザベス2世カップ。
G1の舞台でも活躍しながらもあと一歩タイトルに届かない善戦マンだったが、5歳になり香港に遠征すると、クイーンエリザベス2世カップで悲願のG1初制覇。
その後も2012年の宝塚記念でオルフェーヴルの2着に入るなど、G1戦線でも堅実に走り、掲示板を外したのは生涯で2度だけと抜群の安定感を誇った。
血統背景は父キングカメハメハ×母エアグルーヴという非サンデーサイレンス系。
母エアグルーヴは牝馬ながら年度代表馬に選出された女傑で日本を代表する良血牝馬。
2016年から種牡馬として初年度産駒の供用開始。
種牡馬としても堅実に活躍産駒を送り出し、現在ではトップ10の常連。
2020年種牡馬ランクは第6位。
非サンデーサイレンス系ということで、現在の日本の主流サンデーサイレンスの血を持つ牝馬と制限なく自由に交配できることが種牡馬としての強み。
実際、産駒の上位10頭は全て母にサンデーサイレンスを持っている。
とにかく現在の日本の種牡馬でサンデーサイレンスの血脈を持たない種牡馬は大変貴重で、その時代背景の後押しもあり、毎年多くの繁殖牝馬を集めることができている。
2021年種付料は400万円。
目次
【成功配合パターン】
非サンデー系種牡馬ということでまずはもちろん「母父サンデーサイレンス」の血。
オーストラリアG1・コールフィールドカップを勝ったメールドグラースを始め、ダンビュライト(京都記念(G2)、AJCC(G2))、ムイトオブリガード(アルゼンチン共和国杯(G2))といった重賞馬が出ている。
次にサンデー系大将の血である「母父ディープインパクト」。
菊花賞勝ち馬のキセキやワンダフルタウン(青葉賞(G2))がこの組み合わせで、先日オープン入りしたアンティシペイトも同じ。
最後に、非サンデーサイレンスながら「母父クロフネ」も取り上げておく。
リオリオン(青葉賞(G2)、セントライト記念(G2))、パッシングスルー(紫苑S(G3))、リリーノーブル(オークス2着、桜花賞3着、阪神JF2着)が出ており、リオンリオンとリリーノーブルは母母にサンデーの血を持っていることは合わせて覚えておきたい。
また、キンカメ系種牡馬ということで、ロードカナロアの時に出てきた名牝Specialを持つ種牡馬(Nureyev、Fairy King、Sadler’s Wells)ともやはり相性が良い。
メールドグラース(オーストラリアG1・コールフィールドC)、リオリオン(青葉賞(G2)、セントライト記念(G2))、フェアリーポルカ(福島牝馬S(G3)、中山牝馬S(G3))はそれぞれNureyevの血を持っており、テトラドラクマ(クイーンC(G3))とディアンドル(福島牝馬S(G3))はFairy Kingを持っていた。
このような状況なので今後Sadler’s Wellsの血を持つ牝馬との配合でも大物が出てくる可能性は高いのではないだろうか。
【馬券に役立つデータ】
得意なコース
・新潟、東京、中山、福島が特注。
・その他、函館、小倉でも勝率は10%を超えている。
・ダートでは函館競馬場が特注
得意な距離
・中長距離が最も得意。特に東京芝2400mでは連対率が30%を超える。
・また芝2200mの距離も得意で複勝率は35%近くとなっている。
・ダートでは1700mが最も得意でダートで唯一、勝率が10%を超えている。
馬場状態
・キンカメ系種牡馬らしく芝の馬場状態は不問。
・ダートも万能で特に不良馬場は◎。
その他
・距離延長は得意、逆に距離短縮は苦手。
・父自身がそうであったように古馬になってもうひと成長するタイプが多い。
・本格化するとクラスの壁関係なく活躍する。
・国内でG1を制したのは不良馬場の菊花賞を勝ったキセキのみ。父同様勝ち味に遅い。
ということで今回は種牡馬ルーラーシップの「配合」と「馬券に役立つ情報」についてでした!
是非参考にしてみて下さい。
それではまた!
2021.10.28 post