血統調査員のＹＲＡです。
「血統表は競走馬の設計図！」ということで。
今週は今年初ＧⅡ、日経新春杯です。
今年の古馬戦線で飛躍を誓う馬達の戦いです。
血統傾向についてはこちらで解説しています。
それでは
全頭血統考察スタートです！
目次
【日経新春杯（GⅡ）全頭血統考察】
1枠1番モズナガレボシ
父グランプリボス 松山
父グランプリボスは現役時、NHKマイルCと朝日杯ＦＳを勝った。
サクラバクシンオー×サンデーサイレンスで快速バクシンオーに1Ｆ延びたイメージだ。
本馬はそこにNijinskyが1本なので、より距離が持つように出た。
ただしこのような血統背景なので本質的に長い距離が良いわけではなく、上級クラスでは小倉記念（Ｇ３）を勝ったように芝2000ｍあたりが適性だろう。
1枠2番クラヴェル
父エピファネイア 横山典
父エピファネイアについてはこちらで解説しています。
母ディアデラマドレは府中牝馬S（G3）勝ち馬。
母母ディアデラノビアはフローラS（G2）勝ち馬。
このようにしっかりとした良血牝系で、本馬にかかる期待はもちろんG1制覇。
父エピファネイア×母父キングカメハメハの組み合わせは三冠牝馬デアリングタクトを輩出している黄金配合。
本馬は重賞でも2着3着3着と相手なりに走り、前走のＧ１（エリザベス女王杯）も３着と頑張った。
ハンデ戦だが、ここも堅実さを見せることができるか。
2枠3番マイネルウィルトス
父スクリーンヒーロー 川須
母母コスモフォーチュンは北九州記念（G3）勝ち馬。
父がロベルト系種牡馬ということだけあって活躍馬は牡馬に偏る。
母父Devil’s Bag系との組み合わせはグァンチャーレ（シンザン記念（Ｇ３））、マイネルグリット（小倉２歳Ｓ（Ｇ３））やクリノガウディーと同じ。
クリノガウディーとは同い年で、共に５歳になりオープン入りしたという共通点がある。
この組み合わせは成長力があるということだろう。
札幌記念の時にも本馬については考察しているのですが、その時には「函館記念（８着）は案外でしたが、札幌替わりは血統的にプラスです。」と述べたようにあの豪華メンバーを相手に4着と好走。
その後、秋のアルゼンチン共和国杯（Ｇ２）でも2着と本格化の兆しを見せたところで、前走のチャレンジＣを6着。
舞台的に適性がバッチリ合うわけではないが、Roberto系でスタミナには秀でているので距離延長はプラス。
2枠4番ステラヴェローチェ
父バゴ Mデムーロ
母オーマイベイビーは未勝利で、半兄に朝日杯FSを制したゴスホークケンがいる血統。
父バゴについては先日こちらで解説しました。
ここでも述べたように父バゴは現役時に唯一掲示板を外したレースが日本でのジャパンカップだった（８着）。
日本で求められるスピードには乏しく鈍重な血統である。
そのため、日本的なしなやかなスピードの代表格であるディープインパクトとの交配は◎
父産駒はグランプリホース・クロノジェネシスに代表されるように晩成型の傾向がある。
そんな中、本馬はデビュー時から高いポテンシャルを背景に皐月賞とダービーでそれぞれ３着。最後の一冠菊花賞でも4着とクラシック戦線をフル回転で頑張りました。
前走の有馬記念でも４着とやはり堅実。
古馬となった年明けのここから競走馬としての完成に向かって再び挑戦を目指す戦いが始まります。
3枠5番ロードマイウェイ
父ジャスタウェイ 幸
3代母シンコウラブリイはマイルチャンピオンシップ（Ｇ１）を含む重賞を6勝した名牝。
父ジャスタウェイはハーツクライの直仔で母父ジャングルポケットと同じくトニービンの血を内包する。
ということでトニービンのクロスを持つので適性のベストは東京。
3歳時に5連勝で重賞を制した時の連勝街道は東京からだった。
父系からは奥がありそうな血統なので、明け6歳のここら辺でもうひと成長あっても良さそうだがどうか。
3枠6番ヤシャマル
父キズナ 松田
父キズナについてはこちらで解説しています。
3代母にエリザベス女王杯を勝ったタレンティドガールがいる牝系。
キズナ産駒でLyphardのクロスは、ディープボンド（阪神大賞典（Ｇ２））と同じ。
このLyphardのクロスはキズナの父ディープインパクトでも相性が良かった配合。
キズナ産駒はディープにパワーを足したような血統なので、中京は父ディープから引き続き相性が良い。
但し、キズナ産駒の基本は2000ｍまで。距離延長がどうか。
4枠7番アフリカンゴールド
父ステイゴールド 国分恭
母母Danishはアイルランド馬でクイーンエリザベス二世チャレンジ（G1・芝９Ｆ）の勝ち馬。
半兄にドバイワールドCを勝ったアフリカンストーリーがいる。
父ステイゴールド×母方にデインヒルの組み合わせは、宝塚記念を勝ち、凱旋門賞で２着となったナカヤマフェスタが同じ。
前走中日新聞杯は行った行ったで、２着に残り大穴をあけた。
ステイゴールド産駒なので距離延長は合うが、ここも再現があるかと言われると・・・。
4枠8番フライライクバード
父スクリーンヒーロー 武豊
母シングライクバードは26戦５勝（オープン馬）。
半姉（父マンハッタンカフェ）に重賞馬シングウィズジョイ（G2・フローラS）。
母がRobertoのクロス持ちなので、父スクリーンヒーローとの組み合わせでRobertoのクロスは4x4x5となりかなり重め。
そこにノーザンテーストのクロスもあるので血統表からは、4大競馬場の中では中山が最も合いそう。
スタミナの持続力が求められるレースは得意で、これまで中京芝2200ｍでは無類の強さを見せている。ここも中心視で。
5枠9番マイネルフラップ
父ヴィクトワールピサ 国分優
母マイネエレーナはダート重賞、埼玉新聞栄冠賞(1900ｍ)勝ち馬。
半弟（父スクリーンヒーロー）はオープン馬マイネルジェロディ（現役）。
父ヴィクトワールピサ自身Haloのクロスを持つが、本馬はさらに母にHaloのクロスがあるので機動力に富む。
自在性があり、色々な競馬ができるが現状オープンクラスで頭打ち。
ハンデはありがたいが、本質的には1800ｍのような気も。
5枠10番ヨーホーレイク
父ディープインパクト 川田
母クロウキャニオンは初仔以外ずっとディープインパクトと交配されているが大物はまだなし。
ディープインパクトにフレンチデピュティの組み合わせは、ダービー馬マカヒキを出している配合で、本馬もホープフル3着、皐月賞5着、ダービー7着と世代最高峰のレースで善戦。
「世代のモノサシ的存在」の本馬も古馬となりそろそろタイトルが欲しいところ。
中京に強いディープインパクト＆川田騎手ということで、悲願への条件は揃っている。
6枠11番ショウナンバルディ
父キングズベスト 坂井瑠
父キングズベストはアメリカ産馬でイギリス２０００ギニー（イギリスＧ１・芝８Ｆ）勝ち馬。
種牡馬としてはダービー馬エイシンフラッシュを輩出。
キングズベスト産駒はスピードの持続力を引き継ぎ、逃げる・先行スタイルが合う馬が多く、本馬は現役の中では重賞馬トーラスジェミニ（七夕賞（Ｇ３））と共にその代表格ともいえる存在。
前走の中日新聞杯ではまさにその逃げの型がハマり、逃げ切って重賞初制覇。
こういう馬はいつ一発あけるかわからないので馬券的には厄介な存在だ。
6枠12番エフェクトオン
父ディープインパクト 秋山真
母オヴァンボクイーンはドイツ馬で重賞勝ち馬。
母父Kalatosもドイツ馬ということで母系は重厚なドイツ血脈で構成されている。
父ディープの王道配合はアメリカ型のスピード血脈を取り入れることなので、そういう意味では成功パターンと合致しているとは言い難い。
それ故にパッと思い浮かぶディープ系とは違うパターンをイメージすると良い。
つまり「距離は長めで完成度も遅め（晩成型）」。
昨年夏にオープン入りし、明け6歳。
通常のディープインパクト産駒だと下降線に入るところだが、本馬は母系の活力からここからもうひと成長があっても良いのでは。
ただし、だからこそ通常のディープインパクト産駒が得意としているこの舞台が合うのかどうか。
7枠13番トップウィナー
父バゴ 和田翼
父バゴについてはこちらで解説しています。
母トップアクトレスは現役時ダート短距離で2勝。
父バゴは重厚なヨーロッパ血統なので、日本で活躍馬を輩出するには素軽いスピードの血を持ってくることが必要。
本馬の母父テイエムオペラオーはSadler’s Wells～ノーザンダンサー系のラインで母母系にはNijinskyを内包(Nijinskyもスタミナ型ノーザンダンサー系)。
ということで重ため同士の配合なので日本の芝を走るにはスピードが足りない印象。
ということで、芝の上級クラスではさすがに厳しい。
ダートで条件がはまったときの再びの好走に期待したい。
7枠14番プレシャスブルー
父ディープインパクト 勝浦
5代母にはイギリスオークスとイギリス1000ギニーを勝ったSweet Soleraにたどり着く牝系。
ここまで40戦とタフに使われ、ディープ産駒としては長く活躍しているが、オープンクラスでは善戦まで。
明け8歳で上がり目も見込み辛いし、ディープインパクト産駒だが上位評価には推し辛い。
8枠15番ダノンマジェスティ
父ディープインパクト 岩田望
母ドバイマジェスティはアメリカ産馬。現役時３４戦１２勝（海外）。
主な勝ち鞍はBCフィリー＆メアスプリント（アメリカG1・ダ７F）。
全兄アルアインは皐月賞と大阪杯を制し、全弟は昨年の日本ダービー馬に輝いた。
父ディープインパクト×アメリカ型血統の組み合わせは、日本の主流血統ど真ん中の配合。
本レースの舞台である中京芝2200mはディープインパクトの得意舞台。
気がかりはディープ産駒の7歳という年齢か。
8枠16番トラストケンシン
父ハーツクライ 池添
父ハーツクライについてはこちらで解説しています。
父ハーツクライ×母父エルコンドルパサーの組み合わせは、少ないながらジュンドルボン（G3・中山牝馬S）を輩出しており、他にも複数勝ち馬を輩出している高確率な配合。
この舞台のハーツクライは相性が良いし、本馬も中日新聞杯（中京芝2000ｍ）では13番人気ながら6着と頑張った。
距離延長も好材料と捉えて良いが、あとは横との比較で馬券圏内まで評価できるかどうか。
以上、出走馬全16頭全頭血統考察でした。
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