全頭血統考察

競馬血統まとめ【菊花賞(GⅠ)2023】の順位予想

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YRA
血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

クラシック最終戦菊花賞です!

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菊花賞血統傾向

□ディープインパクト後継を狙う

2022年(良)阪神
1、 ディープインパクト
2、 スクリーンヒーロー
3、 ディープインパクト

2021年(重)阪神
1、キズナ
2、キングカメハメハ
3、ディープブリランテ

2020年(良)
1、 ディープインパクト
2、 エピファネイア(母父ディープインパクト
3、 ディープインパクト

2019年(良)
1、 ディープインパクト
2、 ディープインパクト
3、 ジャスタウェイ

2018年(良)
1、 ディープインパクト
2、 ステイゴールド
3、 キングカメハメハ(母父ダンスインザダーク

2017年(不良)
1、ルーラーシップ(母父ディープインパクト
2、ディープスカイ
3、ディープインパクト

2016年(良)
1、 ディープインパクト
2、 ステイゴールド
3、 キングカメハメハ(母父サンデーサイレンス

サンデーサイレンスが強い

京都競馬場の改修工事に伴い過去2年は阪神での開催となっておりました。
今年は3年ぶりに京都での開催となります。

京都で開催されていた過去5年(2020~2016年)を見てみると、馬券になった15頭のうち11頭父サンデーサイレンス系種牡馬でした。
残り4頭の内訳は、3頭がキングカメハメハ系で1頭がエピファネイア。
しかしこの4頭とも母父サンデーサイレンス系ということで、サンデーサイレンスの血が圧倒的に強いレースということがわかります。

ディープインパクト圧倒

そんな中で、この京都で行われていた過去5年の勝ち馬を見てみると、
2016年サトノダイヤモンド、2018年フィエールマン、2019年ワールドプレミア、2020年コントレイルと4頭がディープインパクト産駒でした。
ちなみに不良馬場で開催された2017年の勝ち馬キセキは父がルーラーシップですが、母父はディープインパクトです。

京都に戻ってきたということでディープインパクト産駒をといきたいところですが、今年は血統の過渡期によりディープインパクト産駒の姿はありません。
そこでディープインパクト後継種牡馬から見ていきたいと思います。

キズナは父ディープ同様に京都競馬場で相性の良い種牡馬。
勝率14%連対率22%複勝率32%と好成績を残しています。

キズナ産駒の一般的な適距離は2000mあたりまでなので3000mがどうかという課題はありますが、舞台相性の良さは魅力があります。

今年の出走馬の中でキズナ産駒は、
サヴォーナ
リビアングラス

この2頭となります。

ディープインパクト産駒の長距離砲と言えば、サトノダイヤモンド
この世代が初年度産駒となりますが、ここまでの傾向としては平均距離が長いデータが出ています。
自身も2016年にこのレースを制していますから、産駒も京都適性は高いのではないかと思っています。

今年の出走馬の中では、
サトノグランツが該当しています。

どうするソールオリエンス?!

最後に1番人気想定のソールオリエンスについて。
ディープインパクト同様に王道を歩んでいる父のキタサンブラックはその父ブラックタイドがディープインパクトの全兄となります。
先述した2頭の種牡馬ほど強調材料があるわけではありませんが、特に割り引く必要もないでしょう。

以上、血統傾向についてでした。

菊花賞全頭血統解説

それでは出走馬全頭について解説していきます。

※血統評価はあくまでも血統のみでの評価となります。

1枠1番トップナイフ

父デクラレーションオブウォー 横山典


母ビーウインドは現役時未勝利。
繁殖としてゼンノロブロイとの間にオープン馬(OP万葉S・芝3000m)ステラウインドを出している。

父デクラレーションオブウォーはアメリカ産馬で、ヨークインターナショナルS(イギリスG1・芝10.3F)とクイーンアンS(イギリスG1・芝8F)勝ち馬。
現役引退後、アイルランドで種牡馬入りすると2015年よりアメリカで供用。
2019年から日本で供用開始され、この世代が日本での産駒初年度となる。
父系はWar Front~Danzig~ノーザンダンサー系の系統で、芝ダート兼用。
自身がマイルと2000mのG1を制したように産駒の距離適性も幅広く、海外では既にG1馬を輩出し成功を収めている。
海外の活躍馬はNureyev≓Sadler’s Wellsを持つ馬が多い(Olmedo(フランス1000ギニー)、Vow And Declare(メルボルンC)など)。
本馬は母母父にNureyevを持つのでこの傾向に合致している。

G3京都2歳Sでは4コーナーで不利を受けながらも、勝負根性が強く、内をしっかりと伸びてあわやの2着まできた。
そしてG1ホープフルSでは逃げの手に出て2着。
自在性のある脚質は魅力です。
ディープインパクト記念では先団から進めてここでも2着。

皐月賞時には「世代のモノサシ的存在になっているので、その堅実さは魅力ですし、こういう存在は本番でも好走します。」と考察し7着。この時は出遅れが響いた形となりました。

そしてダービー時には「スタートを決めて持ち前の先行力を出せれば前走から上昇はあるでしょう。ただし、その脚質がこの東京2400mでハマるのかと言われるとハマる可能性は低いのではと思ってしまいます。」と考察した通り14着でした。

前走は古馬に混じり、札幌記念で2着と頑張りました。
成長力には目を見張るものがありますが、3000mという距離がどうか。
2000mがベストの馬と思います。

コース4
距離 3
完成度4
血統評価C

1枠2番ウインオーディン

父エピファネイア 三浦


母ピエナビーナスは現役時、28戦5勝(OP馬)。
主な勝鞍はクイーンS(G3・札幌芝1800m)
父が2~3歳戦に強いエピファネイアにフジキセキを配合しているので、仕上がりは早そう。
その上で母系にNijinskyなので距離適性は中距離に出た。
新潟2歳Sで2着のあと、共同通信杯では5着。

皐月賞の時には「常に力は示しているが、前走の走りは明らかにダービーを意識したもの。
ここで強い相手に経験を積んで、大一番へ向かう算段だろう。血統的にも東京が合いそうです。」と考察しましたが8着とダービー切符を掴むことは叶いませんでした。

3冠目の菊花賞には出てくることができましたが、血統的にはエピファネイアにフジキセキなのでスタミナに自信があるかと言われると疑問があります。

コース4
距離 3
完成度3
血統評価C

2枠3番シーズンリッチ

父ドゥラメンテ 角田大河


母エバーシャルマンは現役時、16戦2勝。
勝ち鞍は芝2200mと1800m、紫苑Sでは3着に入着した。
母母ラシャルマンテはアルゼンチン産馬で重賞5勝。

父ドゥラメンテはキンカメ×アドマイヤグルーヴという良血種牡馬で、初年度産駒から菊花賞馬タイトルホルダーを輩出し、2年目にも桜花賞とオークスを勝ったスターズオンアースを出し、3世代目のこの世代でも牝馬3冠を達成したリバティアイランドを出した。
キンカメ系種牡馬らしくSex Appealの血を増強することで大物を輩出する。
これはリバティアイランドも同じである。
ということで配合面からは大物感たっぷり。

ダービー時には「前走毎日杯では、直線間を割って抜け出して優勝。長く良い脚を使えますし、根性もある馬なのでここも頑張ってくれそうです。母系を思えば距離延長も問題にしないでしょう。」と考察し7着と頑張りました。

前走神戸新聞杯では10着に終わってしまいましたが、これは瞬発力勝負になったことによるもの。
この馬自身そういうタイプではないので、ここはスタミナが求められるようなレースになって欲しいところです。
ドゥラメンテにハーツクライなので血統的にはバッチリです。

コース4
距離 5
完成度4
血統評価

2枠4番ダノントルネード

父ハーツクライ 西村淳


母シーウィルレインはオーストラリア産馬で現役時、12戦6勝(海外)
主な勝ち鞍は、ATCゴールデンスリッパーS(オーストラリアG1・芝1200m)とMVRCAJモイアS(オーストラリアG1・芝1000m)

父ハーツクライはサンデー系の中でも長距離は得意分野の種牡馬なのでそこは好感。
しかしながら基本晩成型なので、本馬のように母系にオーストラリアのスピード型を持ってくることは完成を早める。
とは言え、それでもまだこの3歳秋では成長し切ってはいない。

春に京都新聞杯で2着としたように力はある馬なので4歳となる来年どのような成長を遂げるか楽しみな馬です。

コース4
距離 4
完成度3
血統評価C

3枠5番パクスオトマニカ

父ヴィクトワールピサ 田辺


母ディープラヴは現役時、未勝利。
繁殖として菊花賞3着のディヴァインラヴ(父エピファネイア)を輩出している。
母母シーズインクルーデッドはアメリカG1・デルマーデュピタントS(ダート7F)勝ち馬。

父ヴィクトワールピサはドバイワールドC、有馬記念、皐月賞の勝ち馬。
中山のG1を2つ獲ったが、本馬はそこに母父ディープインパクトなので東京適性も高い。

ダービー時には「プリンシパルSでは逃げ切って本番切符を手に入れました。
枠や先行力などハマった部分は否めないが、自分でペースを作れる強みはあります。
とは言え、ここで逃げ切る想像まではつかないのであっても3列目まででしょう。」と考察し13着でした。
世代の頂点で堂々と逃げた姿は立派でしたよね。

母系の血を思えばここはプラス評価で密かに狙ってみたいと思っていたのですが、前走ダートを使いました。
何を血迷ったんだ(怒)・・・とても残念です。

コース4
距離 4
完成度4
血統評価

3枠6番リビアングラス

父キズナ 坂井


母ディルガは現役時、24戦2勝。
主な勝ち鞍は、忘れな草賞(OP・芝2000m)
母母Baghdariaはアメリカ産馬でアメリカ重賞3勝(いずれもダート8.5F)

父キズナは「ディープインパクト×Storm Cat」の黄金配合でダービーを制した。
血統的に母系に重厚さを抱えるので、スピードの血を取り入れることが有効。
母系にあるUnbridledはディープインパクト系との配合において相性の良い血で、その代表例は無敗三冠馬コントレイル。
キズナとの交配でもビアンフェ(G3・函館SS)などを出している。
いわゆる『アンディープキャット配合』

本馬は母系から距離適性から中距離に出ていて、京都新聞杯でも3着の実績があります。
キズナ産駒ですから京都の舞台はプラスと判断します。
ただ、ここまで述べたような血統配合ですから距離延長がプラスかと言われるとマイナスと言わざるを得ません。
逃げ馬なので最後までほっとかれるような展開の恵みが欲しいところです。

コース5
距離 3
完成度3
血統評価C

4枠7番タスティエーラ

父サトノクラウン モレイラ


母パルティトゥーラは現役時12戦3勝(条件馬)。
勝ち鞍は芝1600m
繁殖として本馬が初仔。
サトノクラウンは今年の新種牡馬で非サンデー&非キンカメ。
ということで交配に注文がつかず、今年の初年度種牡馬の中で唯一の200頭超え。
母父マンハッタンカフェは天皇賞・春、有馬記念、菊花賞を勝ったサンデー系の長距離砲。
サトノクラウンの重厚なスタミナを引き出していそうだが、母母のフレンチデピュティのスピードが出ている可能性もある。

ディープインパクト記念時には「前走共同通信杯では良いスタートから控えて中団を追走。直線は外から追い込んできたが、4着まで。体質が弱い中でよく頑張っています。
東京を続けて使ってきていますが、父を思えば中山も悪くはないはずです。」と考察し、見事優勝。
父に初の重賞をもたらしました。

皐月賞では「個人的にこの世代の新種牡馬としてイチオシだったサトノクラウンです。
残念ながらアベレージは残すことができませんでしたが、この馬が出たことで大物誕生にはまだ期待を持っています。前走と同舞台なのでマイナス評価する理由は特にありません。」と考察し2着と頑張りました。
そしてダービー時には「その皐月賞は重馬場で中山だったわけですから素軽い東京へのコース変わりは大手を振ってプラスとは言えないでしょう。」とマイナス評価を下したのですが、見事ダービー馬の栄冠に輝きました。

もともとの体質の弱さに加え、ダービーを勝ったダメージがあり、ステップを挟むことができずここへはぶっつけとなりました。
喉なりのこともありますし、距離延長にも一抹の不安があります。

コース3
距離 3
完成度
血統評価C

4枠8番サヴォーナ

父キズナ 池添


母テイケイラピッドは現役時、10戦1勝。
勝ち鞍は芝1400m

父キズナは「ディープインパクト×Storm Cat」の黄金配合でダービーを制した。
血統的に母系に重厚さを抱えるので、スピードの血を取り入れることが有効。
母父スニッツェルはオーストラリアのスプリンターで系統はDanzig系。
この系統はキズナの父ディープインパクトとの配合でミッキーアイルなど名マイラーを輩出した。
事あるごとに父と相性が良かった血はその仔とも相性が良い場合が多いと言ってきているが、これもまさにそのパターンとなる。

前走神戸新聞杯ではスタートこそ速くなかったものの、二の脚で好位を取るセンスの良さを見せて2着と頑張りました。
2勝クラスでは2600mの勝ち実績もありますが、これはこの配合にしては珍しいパターンです。
なのでコース適性は評価しますが、距離適性はマイナス評価ということになってしまいます。
(実績あるので評価したいんですけどね)

コース4
距離 3
完成度4
血統評価C

5枠9番ノッキングポイント

父モーリス 北村宏


母チェッキーノはフローラS勝ち馬でオークス2着
本馬が初仔
母母ハッピーパスは京都牝馬S(G3)勝ち馬。
父モーリス×母父キングカメハメハの組み合わせはオープン馬アルビーシャやシンザン記念2着のソリタリオと同じ。

以前サウジアラビアRCで乗ったあとルメールは距離を延ばした方が良いと言っていたように1F距離を延長した毎日杯では2着。勝ちきれませんでしたが、しぶとい走りを見せてくれました。

ダービー時には「ズブさがあるので広い東京はこの馬にとって良さそうです。ただ、2400mの距離はさすがに長いと思います。」と考察しながら5着。
これはよく頑張ったと思います。
前走新潟記念でもきっちり勝ったように力があるのはわかっていますが、血統からは距離不安があるので推し辛いです。

コース4
距離 3
完成度
血統評価

5枠10番マイネルラウレア

父ゴールドシップ 岩田望


母マイネボヌールは現役時、30戦4勝(条件馬)
勝鞍は芝1400と1600m
繁殖として重賞戦線で活躍しているマイネルウィルトス(アルゼンチン共和国杯2着など)を出しており、繁殖力は水準以上。
母母コスモフォーチュンは北九州記念(G3・芝1200m)勝ち馬。

父ゴールドシップ×母父ロージズインメイの組み合わせはオークス馬ユーバーレーベンと同じ。

皐月賞時には「デビューから2連勝中ということでもちろんその能力は認めるところですが、今はまだ成長途上でしょう。」と考察した通り14着でした。

秋の始動戦となった前走神戸新聞杯では8着。
距離延長もコースも問題はないですが、完成度がまだ足りていません。

コース4
距離 4
完成度3
血統評価C

6枠11番サトノグランツ

父サトノダイヤモンド 川田


母チェリーコレクトはイタリアオークスとイタリア1000ギニー勝ち馬。
繁殖としてG3クイーン賞(ダート1800m)を勝ったダイアナブライド(父ディープインパクト)やホープフルSで2着のワーケア(父ハーツクライ)を出している。
父サトノダイヤモンドは有馬記念と菊花賞勝ち馬。
ディープインパクト産駒として距離適性が長く出たタイプだったので、配合としてはスピードを取り入れることが○。
母父Oratorioはアイルランド産馬でG1(1400~2000m)を3賞した。
血統はデインヒル~Danzigのラインでスピードを補完している。
Danzigの血はディープインパクトと相性が良いので、その仔サトノダイヤモンドとも相性が良い可能性は高い。

ダービー時には「前走京都新聞杯では、馬群の中から上がっていくと直線抜け出して優勝。
3連勝を決めてダービー切符を掴みました。先述したようにサトノダイヤモンドはディープインパクトの長距離砲。そこにNijinskyのクロスなのでスタミナは充分で、距離延長は大歓迎です。」と考察しながら11着に終わりました。

大外枠が響いたということもありますが、単純にまだ力が足りていなかったこともあるでしょう。
そこからひと夏越えて前走神戸新聞杯では見事1着。
前哨戦を制して堂々ここに挑むわけですが、血統的後押しは出走メンバーの中で一番あると思っています。

コース
距離 
完成度4
血統評価S

6枠12番ハーツコンチェルト

父ハーツクライ 松山


母ナスノシベリウスは現役時20戦3勝(条件馬)。
勝鞍は芝1400~1800mによる。
繁殖としてこれまでデビュー済み4頭を輩出し、全て勝ち上がっている。
父ハーツクライは、基本晩成型の種牡馬。
そんな中で早期始動に持ってくる為にはDanzigの血が有効で、サリオス(朝日杯FS)が代表例。
本馬は母母父にDanzig系の血が入っているのでこの傾向に合致。
また、母父Unbridled’s Songの組み合わせは、ジャパンカップと大阪杯を勝ったスワーヴリチャードと同じ。

青葉賞では、スキルヴィングには負けたものの上がりタイムは同じだったし、馬群を割って伸びきた走りは見所充分でした。
そいうわけでダービー時には「ここにきて成長曲線に入っている気がしますし、前走で使った上がりの脚はここでも活きると思いますので軽視はしない方が良いでしょう。」と考察し3着と頑張りました。

秋の始動戦となった前走神戸新聞杯では道中脚を溜めながらも5着まで。
キレ負けした印象なのでここはもう少しスタミナが活きる展開になって欲しいところです。

コース4
距離 4
完成度4
血統評価

7枠13番ナイトインロンドン

父グレーターロンドン 和田竜


母ムーンハウリングは現役時、105戦3勝(地方)
勝ち鞍はダート1600mと1700m
繁殖としてモンテロッソとの間に中山牝場S(G3)で2着になったリュヌルージュを出している。
4代母には天皇賞秋(当時3200m)勝ち馬のクリヒデがいる牝系。

父グレーターロンドンは中京記念(G3)勝ち馬。
ディープインパクト直仔で種牡馬としてこの世代が初年度産駒。
初年度からロンドンプラン(G3・小倉2歳S)やユリーシャ(L・エルフィンS)、そして本馬を出した。
ということで距離適性は幅広いので、母系を引き出すタイプとみて良さそうだ。

本馬は母父メジロマックイーンということでスタミナ型に出ています。
そういう意味では距離不安はないのですが、前走神戸新聞杯で11着だったように完成はまだ先の馬だと思います。

コース4
距離 4
完成度3
血統評価C

7枠14番ソールオリエンス

父キタサンブラック 横山武


母スキアはフランス産馬でフランス重賞(芝2100m)勝ち馬。
繁殖として富士S(G2)を勝ったヴァンドギャルド(父ディープインパクト)を出し、他産駒も勝ち上がっており、繁殖力はかなり高い。

父キタサンブラックは現役時G1を7勝し、国民の愛馬と謳われたサブちゃんの馬。
ブラックタイドの代表産駒にして後継種牡馬。ブラックタイドは名馬ディープインパクトの全兄。
キタサンブラックは重厚さがある血統なので、配合ではスピードの血を取り入れることが良さそう。
母系にあるデインヒル~Danzigのラインがあるのでスピード値の増強が施されている。
母父Motivatorはモンジュー~Sadler’s Wellsの重厚さがあるので底力もありそう。

京成杯では「前走新馬戦はドスロー(1000m65秒)の瞬発力勝負となりました。同じようなポジションから共に33.2、33.3の末脚で追い比べになり、僅かに本馬が制する形に。
競り負かしたレーベンスティールは次走であっさり勝ち上がっているのでレベルが高い戦いだったと推察できます。もちろん未知数ではありますが、一発を秘める父の産駒だけにイクイノックスの可能性もありますよね。」と考察しここもクリアしました。

皐月賞時には「まだ緩さがある中でのこのパフォーマンスは先々が楽しみになりましたし、2年続けてキタサンブラックからの大物輩出となるのか期待は膨らみます。」と考察し見事1着。

そしてダービーの時には「良馬場でも重馬場でも高いパフォーマンスを見せてくれたので化け物の可能性は高いです。母父の血統からスタミナが備わっていそうなので距離延長も苦にならないのではないでしょうか。」と考察しましたが、惜しくも2着。
世代の頂点に立つことはできませんでした。

とはいえ、世代最上位の力を持っていることは間違いないですし、前走セントライト記念は2着となりましたが道中のロスもありましたし、トライアル仕上げだったことを考えれば悲観する必要はありません。
血統的に母父Motivatorは菊花賞馬タイトルホルダーと同じで、ここもプラス材料です。

コース4
距離 
完成度
血統評価

8枠15番ファントムシーフ

父ハービンジャー 武豊


母ルパンⅡはアメリカ産馬で未勝利。
繁殖としてダイワメジャーとの間にオープン馬ルピナスリードを輩出している。
母母はイギリス産馬でアイルランドプリティポリーS (アイルランドG1・芝10F)勝ち馬のPromising Lead。
5代母にはアメリカ産馬でイギリスG1・チヴァリーパークS(芝6F)を勝ったSookeraがいる牝系。

父ハービンジャーはキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスS(イギリスG1・芝12F)を11馬身差で圧勝した。
ヨーロッパ型の血統なので配合は日本の主流血統との交配がセオリーだが、本馬にはサンデー系もキンカメ系も入っていない。
Danzigのクロスはエリザベス女王杯を勝ったモズカッチャンと同じ。

昨年暮れの大一番となったホープフルSでは「ここまでデビュー~野路菊Sを連勝。前走は距離延長を問題にしなかった。ここも好位から抜け出してきて欲しい。」と考察し4着。
成長の過渡期でまだ鈍さがある中でのこの結果は能力を示したと言えるでしょう。

共同通信杯ではよく伸びて優勝。
調教師の読み通り、中山より東京が合うという結果でした。
一冠目の皐月賞時には「共同通信杯時にダービーが合うというコメントを残しているのでここよりもダービーにメイチに持ってくると予想されます。そんな中でどれくらいやれるか。次走に向けても注目しておきたいところです。」と考察し3着でした。
落鉄トラブルもありましたし、これは仕方ないでしょう。

このような過程を辿ってきていたのでダービー時には「ダービーに向けて一番良い過程を歩んできたのはこの馬だと思っています。」と考察したのですが、結果は8着でした。
鞍上が回顧していたようにもう少し前のポジションで進めるべきだったのでしょう。

それを踏まえ前走神戸新聞杯では逃げの手に出て3着。
硬い馬場が合っていなかったことを思えばこれは上々の結果だったと言えます。
ここも逃げてくるでしょうから、あとは速すぎない馬場になって欲しいところです。

コース4
距離 4
完成度4
血統評価

8枠16番ショウナンバシット

父シルバーステート Mデムーロ


母ギエムは不出走。
繁殖としてここまでデビュー済み2頭を輩出。
本馬の半兄(父ドゥラメンテ)も2勝を挙げている。
仔出しが良いタイプだ。
母母オーサムフェザーは、アメリカG1・BCジュヴェナイルフィリーズとガゼルSの勝ち馬。
4代母にはイギリス重賞(芝10.5F)勝ち馬で、イギリスオークスで3着となったLast Featherがいる牝系。

父シルバーステートはディープインパクト直仔で種牡馬としてこの世代が2世代目。
種牡馬として初年度から阪神JF3着、桜花賞2着のウォーターナビレラを出した。
現役時は5戦4勝。現役時はケガとの戦いで、4連勝した1600万下のあと再び屈腱炎を発症し、引退。
重賞勝ちは無かったものの主戦を務めた福永騎手がデビュー前から「ダービーを狙える」と絶賛していた程の能力の持ち主だった。
重厚なRobertoの血を内包するので、アメリカ型のスピードの血を配合することが良さそう。
先述したように母はアメリカのG1ホースなのでこの傾向に合致。

若葉Sでは、先行して最後は逃げ馬をとらえて皐月賞への切符を掴んだ。
鞍上によるとまだ少し動ききれないとことがあるとのことなので、良化する余地は残っていそう。
皐月賞時には「ここは相手が一気に強くなるだけにどこまでやれるか楽しみです。血統的に馬場が渋った場合、プラス評価できます。」と考察し5着。
これは大健闘でした。

そしてダービー時には「スタミナがあるので距離延長は問題無さそうですが、東京変わりはプラスとは言えません。」と考察した通り16着でした。

前走神戸新聞杯では瞬発力勝負になってしまい7着。
それだけにここはスタミナ勝負になって欲しいところです。

コース4
距離 
完成度4
血統評価

8枠17番ドゥレッツァ

父ドゥラメンテ ルメール


母モアザンセイクリッドはオーストラリア産馬で、ニュージーランドオークス(G1・芝2400m)勝ち馬。
父ドゥラメンテはキンカメ×アドマイヤグルーヴという良血種牡馬で、初年度産駒から菊花賞馬タイトルホルダーを輩出し、2年目にも桜花賞とオークスを勝ったスターズオンアースを、そしてこの世代では牝馬3冠を達成したリバティアイランドを出した。
タイトルホルダーを出したように牡馬は中長距離向きなタイプが多く、本馬は先述したように母がニュージーランドオークス勝ち馬。
ここまで中距離で4連勝中で勢いもあるし、血統的には距離延長も問題なさそう。

G1はおろか重賞自体が初挑戦ですが、色気を持って見守りたいです。

コース
距離 
完成度4
血統評価

以上、全17頭についての血統解説でした。

血統表:(C)netkeiba.com

2023.10.20 post

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YRA@血統調査員

少しでも役立つ競馬情報を。2011年~2016年までの5年間、北海道を拠点に毎日馬のお勉強に明け暮れていました。 2023年から再び拠点を北海道に移し、血統調査員として執筆活動に邁進中! 夢は雑誌で連載すること!

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