全頭血統考察

血統 まとめ【マイルチャンピオンシップ(GⅠ)2021】競馬 予想

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血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

最も競争が熾烈な距離、1600m
群雄割拠な1マイルの王座をかけて今年の秋も優駿が集まりました。
マイル王の復権か、女王の花道か、世代交代か、新星登場か。
今年のマイル王は果たして?!

血統傾向については先日こちらで述べました。

それでは
マイルチャンピオンシップの全頭血統考察スタート!

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【マイルチャンピオンシップ(GⅠ)】

1枠1番ホウオウアマゾン
父キングカメハメハ 坂井

母ヒカルアマランサスは京都牝馬S(G3)勝ち馬。
父キングカメハメハ×母父アグネスタキオンはオープン馬ダノンフェイスやアットザシーサイドを輩出している好配合。
父キンカメでどんな条件でも頑張るが、アーリントンカップを勝った時のように馬場は渋った方が他馬よりもアドバンテージが生まれるだろう。

1枠2番クリノガウディー
父スクリーンヒーロー 岩田望

父スクリーンヒーロー産駒の活躍馬は代表産駒モーリス(GⅠ6勝)やゴールドアクター(有馬記念)を始め、牡馬がズラリ。
これはロベルト系種牡馬の多くに見られる特徴です。
父×母父ディアブロの組み合わせは、シンザン記念(G3)を勝ち馬のグァンチャーレを始め勝ち上がり率の高い好相性な配合。
ちなみにこのディアブロと同じDevil’s Bag系のロージズインメイとの配合でもマイネルグリット(小倉2歳S(G3))など活躍馬を輩出しているのでこの系統との配合は好相性とみて良いでしょう。

過去に本馬を考察した際には、「父産駒のモーリスやゴールドアクターと言ったG1馬は4歳で本格化しているので、本馬にもこれからに期待したくなります。」と述べたのですが、本馬の本格化は5歳になった今年でした。
力がいる今の馬場状態は歓迎だが、近頃は短距離にシフトしているのがどうか。

2枠3番シュネルマイスター
父Kingman 横山武

母セリエンホルデはドイツ産馬でドイツオークス(ドイツG1・芝2200m)勝ち馬。
父Kingmanはイギリス、フランスの最高峰マイルG1を制した「キングオブマイラー」。日本種牡馬の王ディープインパクトが持つSir Ivorを持っており、さらにその相似の血であるDroneも持っていることから日本的な瞬発力が備わっている。
外国の種牡馬ゆえに日本でのサンプル数は少ないが、同世代でチューリップ賞(G2)を制したエリザベスタワーを輩出するなど成功確率は高い。
このエリザベスタワーとは母父にSadler’s Wellsを持つことが共通しており、またKrisの血をクロスしてスピードを増強していることも共通点。
これが現時点での日本におけるKingmanの成功配合と言える。

NHKマイルC時には、日本の最高峰を決するスピードが求められる舞台にどこまで対応できるかがポイントだと述べていましたが、そこをあっさりクリアして世代のマイル王の座に輝きました。
その後、古馬との初対戦となった安田記念では3着。
ひと夏越して前走の毎日王冠では安田記念の時に後塵を拝したダノンキングリーにリベンジを果たしました。
古馬との一線級レベルにあることは既に示しているので、今回の課題は輸送だけということになるでしょうか。

2枠4番サリオス
父ハーツクライ 松山

母サロミナは現役時、ドイツで5戦4勝。
主な勝鞍はドイツオークス(G1)芝2200m
父ハーツクライと母系にNijinskyを持つ馬との組み合わせは、
アドマイヤラクティ(コーフィールドカップ(オーストラリアG1))やメイショウナルト(七夕賞(G3)、小倉記念(G3))がいる。
さらに母系にデインヒルを持つ馬との組み合わせでは、
アドマイヤミヤビ(クイーンカップ(G3))やグレイル(京都2歳S(G3))がいる。
ハーツクライ産駒は晩成傾向にあるが、母にノーザンダンサーのクロスを持つことで完成を早める。
先述した4頭も母がノーザンダンサー系のクロス持ちで、この点は本馬とも合致する。

3歳より4歳、4歳より5歳という産駒が多いのがハーツクライなのでこの馬も成長力という観点から魅力は充分。昨年5着からの上昇に期待します。

3枠5番サウンドキアラ
父ディープインパクト 武豊

母サウンドバリアーはフィリーズレビュー(G2)勝ち馬。
父ディープインパクト×母父アグネスデジタルの配合はこの母の産駒のみで、全姉は未勝利。
母の母父方にあるSeattle Slewは母系にBold RulerとPrincequilloを持つ所謂ボルキロ血脈。
さらに母母母系にはSecretariatがおり、こちらもボルキロ血脈。
よって母系でボルキロのクロスが成立している。
(ボルキロ血脈はしなやかな切れ味を伝えやすい。また東京など大きなコースが得意な特徴がある)
これに父ディープインパクトと合わせてよりしなやかさを増強しており、ともすれば柔らかすぎるのだが、母父にあるアグネスデジタルで一本硬い血で引き締めている配合。
6歳牝馬ということでさすがにピークは過ぎている印象で、ヴィクトリアマイルは11着。
前走スワンS2着ということでまだまだ頑張ってはいるが、距離が短めにシフトしている印象。
本レースは短距離よりのマイラーよりも中距離よりのマイラーの方が気やすいレースなので不安点。

3枠6番ケイデンスコール
父ロードカナロア 岩田康

父ロードカナロアと×母父ハーツクライの組み合わせは、本馬の他にもトロワゼトワル(京成杯AH(G3))、ヴァルディゼール(シンザン記念(G3))といった重賞馬を輩出している。
また、海外でもブルーダイヤモンドステークス(オーストラリアG1)を勝ったTagaloaを輩出している注目の配合パターンである。

キンカメ系×ハーツクライなので成長力はバッチリで、今年に入って京都金杯1着→中山記念2着→マイラーズカップ1着と充実期を迎え、挑んだ安田記念は10着。
血統面から距離延長となった前走毎日王冠は度外視で良いので適距離で再び上位陣にどこまで迫れるか期待したい存在です。

4枠7番インディチャンプ
父ステイゴールド 福永

母ウィルパワーは現役時、17戦4勝の戦績(条件馬)。
産駒からはシルクロードS(G3)勝ち馬の半弟アウィルアウェイ(父ジャスタウェイ)を輩出している。
母の繫殖力はかなり高いと言える。
母母トキオリアリティーはリアルインパクト(安田記念(G1)、ジョージライダーS(海外G1))、ネオリアリズム(クイーンエリザベスⅡ世カップ(海外G1))を輩出した名繁殖。
父ステイゴールドと母父キングカメハメハの組み合わせはG1勝ち馬である本馬が代表格。
他にステイフーリッシュ(京都記念(G2))もおり、勝ち上がり率も高い配合。
この2頭の組み合わせは父と母父を入れ替えても相性が良く、父キングカメハメハ×母父ステイゴールドも高確率の勝ち上がり率を残している。

一昨年の春秋マイル王ですが、昨年・今年は戴冠はなし。
今年になり全盛期からの衰えは否めないものの、高松宮記念で3着、安田記念では4着とまだまだ軽視はできない存在です。

4枠8番ダーリントンホール
父New Approach 和田竜

父が重厚な欧州ノーザンダンサー型のSadler’s Wells系。
そこへスピードに富んだ米国ノーザンダンサー型のNureyev系の母父を組み合わせている。
さらに母母父も素軽いスタミナ系のGrey Sovereign(ナスルーラ系)なのでバランスが良い配合。
サンデーが入らないので瞬発力勝負は苦手。
時計のかかる馬場が最も合う。
Specialのクロス(Nureyev≒Sadler’s Wellsの3/4同血クロス3×4)があり道悪適性は〇
間違いなく馬場は渋った方が良い。

古馬になり前走で「適距離はここ」ということを掴んだ感はあるので今後は狙いを決めて使っていって欲しい。
非サンデー系の血統なので主流が走らないようなレースで。

5枠9番グレナディアガーズ
父Frankel 池添

母ウェイヴェルアベニューはカナダ産馬で現役時、20戦7勝(海外)。
主な勝鞍はBCフィリー&メアスプリント(アメリカG1・ダート7F)
父Frankelはイギリス産馬で現役時代、14戦14勝(海外)。
イギリス1000ギニー、サセックスS、インターナショナルSを始めG1を計10勝。
世界的な歴史に残る名馬である。
血統系統は父Galileo(Sadler’s Wells~ノーザンダンサー系)という重厚な欧州血統だが、その中でも種牡馬としては軽めの芝向きで、それが日本で活躍馬を送り出している背景になっている。
(日本ではソウルスターリング(阪神JF、オークス)、モズアスコット(安田記念)、そして本馬(朝日杯FS)といった3頭のG1馬を輩出。)
母方にあるUnbridledとDeputy Ministerといった血は日本で走る多くの活躍馬の母系に入っているおなじみの血。
父方にこのレースのポイントの血であるDanzigも持っていることは好感。
気がかりはサンデーを持っていないことと、Blushing Groomのクロス。
Blushing Groomはスピードの持続力に長けた血。
短距離的なスピードというのは、気性によるところが大きく作用している場合もあり、このBlushing Groomはまさにこのパターン。
その理由は同馬が持つ「Wild Risk」によるもので、この血は狂気と呼ばれる程の激しい血。
競走馬として魅力的な爆発力を持つ一方で、狂気的な面が出てしまった時には脆い一面も。
Blushing Groomのクロスを持つ以上、このリスクは常につきまとうので馬券検討の際には常に頭の片隅に置いておく方が良い。

例年なら阪神芝1600mは日本の主流血統が強いレース。
そういう観点ではマイナスだが、今年の阪神はよりパワーが求められる傾向になっている。
その点を味方につけることができるか。

5枠10番ロータスランド
父Point of Entry 田辺

父Point of Entryはアメリカの芝中・長距離レースでG1を5勝したRoberto系。
パワーとスタミナを兼ね備えた血統で、今年菊花賞に出走したエアサージュを出している。
本馬の場合は母父系のヨハネスブルグが出てマイラーよりに。
条件戦からオープンまでを3連勝で制したように阪神は得意。
ちなみにこの3レースはいずれも渋った馬場でのもの。
このあたりはRobertoのクロスが効いていると見て良さそう。
一線級が集まっているレースだけに今回もそういう恩恵が欲しいところだ。

6枠11番カテドラル
父ハーツクライ 戸崎

母母Animatriceはフランス芝2400m重賞の勝ち馬。
父ハーツクライ×母父ロックオブジブラルタルは京都2歳S(G3・芝2000m)を勝ったグレイルと同じ。
父ハーツクライが強く出ればグレイルのように中距離馬に、母父にあるDanzig系が強く出れば本馬のようにマイラーとなる。

年明け5歳になりマイル重賞を2着→2着。
安田記念こそ12着大敗となったが、その後は再び重賞で2着→1着。
成長力があるハーツクライ産駒らしく今がまさに充実期です。

6枠12番グランアレグリア
父ディープインパクト ルメール

母タピッツフライはアメリカ産馬。現役時24戦7勝。
主な勝ち鞍はジャストアゲームS(アメリカG1・芝1600m)とファーストレディーS(アメリカG1・芝1600m)
ダートが主戦場の父産駒にしては珍しく芝での活躍馬だった。
これは母父Marlinが芝・ダート兼用のG1ホースだった為、このあたりの適性を引き継いだと思われる。
父ディープインパクト×母父Tapitの組み合わせは、デビュー済み11頭と少ないながらも、そのうち8頭が勝ち上がり。
その中から6頭が複数勝ちなのでかなり好相性の配合と言える。
これはTapitが持つUnbridledの血の影響が大きい。
ディープインパクトとUnbridledの血はニックスで、朝日杯フューチャリティーステークス(G1)を制したダノンプラチナや、昨年無敗でクラシック3冠を達成したコントレイルら活躍馬多数。

今年ヴィクトリアマイルでG1を5勝目。
前走天皇賞・秋では中距離路線の牡馬たちを相手に一歩も引かず3着と頑張りました。
そんな現役最強女王もついにラストラン。
最後は主戦場で圧巻のパフォーマンスを見せてくれることでしょう。

7枠13番ダノザキッド
父ジャスタウェイ 川田

母エピックラヴはフランス中距離重賞の勝ち馬。
母母母アルカンドはビヴァリーヒルズH(アメリカG1・芝9F)の勝ち馬。
ここまでのジャスタウェイ産駒の活躍馬は母系にNijinskyを持つという共通点がある。
また本馬の母父デインヒル系というのはこのレースに出走しているグラティアスも持っており、ハーツクライの完成を早めるのに一役買う。
ジャスタウェイはハーツクライ直仔なのでこの相性の良さは父から仔の代になっても引き継いでいると見るべきで、本馬も早期始動で2歳G1(ホープフルS)を制覇した。

皐月賞では道中入れ込んでしまい、14着。
休み明けとなった前走は体重も戻して、立て直しに成功。
古馬と初対戦ながら4着は評価して良いだろう。

7枠14番リプレーザ
父リオンディーズ 幸

父リオンディーズは名牝シーザリオの産駒。
半兄エピファネイアが、サンデーのクロスが効果的だったようにリオンディーズもサンデーのクロスで成功確率が高まる。(本馬も3×4のクロス)
キンカメ系なので組み合わせ次第で芝でもダートでも走る馬を出すのだが、本馬がまさに芝の1勝クラスを勝ちながらダート重賞(兵庫CS(G2))を勝つという芝・ダート兼用ぶりを発揮している。
父リオンディーズ×母父マンハッタンカフェの組み合わせはサンプル数が少ないながらも複数勝ち馬が本馬の他に3頭も出ている相性の良い配合。
ということで血統的に魅力たっぷりな馬だが、ここは流石に相手が強い。
まだまだ若いし、ここで経験を積むことで来年以降にきっと活きてくる。

8枠15番サウンドカナロア
父ロードカナロア 藤岡康

母母オレンジジャスミンはアイルランド馬で現役時イタリア1000ギニーを2着。
母父ダンスインザダークは主流血統サンデーサイレンス系の長距離砲だが、本馬は父が素直に出て短距離に出ている。
条件馬だが、渋った馬場で成績を残しているのもいかにも父の血。
ということで距離延長するここでは推し材料が乏しい。

8枠16番レインボーフラッグ
父ジャングルポケット 小崎

3代母Smagetaはアイルランド馬でイタリア重賞(芝1600m)勝ち馬。
父ジャングルポケットはトニービン~Grey Sovereignと続くナスルーラ系。
トニービン系らしく東京に強く、非サンデーなのでサンデー系牝馬との交配が○
本馬もオープン入りして唯一連対したのが東京コースでのもの。
その他のレースでは全て着外に敗れているのではっきりとオープンの壁に跳ね返されている。
ここで買い材料を見つけるのはちょっと難しい。

以上、出走馬全16頭の血統考察でした。

2021.11.19 post

https://twitcasting.tv/c:yra_uma/movie/710138245

↑ツイキャスも併せて聞いて下さいね↑

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【本命確定!】

今週の対談はフォロワーのマ。さんよりスターバックスのチケットを頂きましたのでスターバックスよりお届けします。
マ。さんありがとう!

YRA 今週はマイル王決定戦!
とその前にみっちゃんTwitterフォロワー数1000人おめでとう!

みっちゃん ありがとう(・∀・)
みんな良くしてくれて本当にありがたいよ。

YRA みっちゃんの人柄じゃね(^_^)v

みっちゃん 皆さんが優しくしてくれるから本当に楽しい。
これからもよろしくお願いします。

YRA じゃあそんな節目の1000人記念の週ということで予想も頑張りましょう!

みっちゃん はーい(・∀・)
まずはサウンドキアラから。
阪神得意だし、調教も良さそう。勝ち負けは厳しいと想うけど3着くらいならひょっこりあっても。

YRA ディープインパクトやし、無視はせん方が良いかもね。

みっちゃん 次はグレナディアガーズ
テン乗りの池添は買いでしょう!調教も良い。
馬も川田鞍上じゃないからきっとビビらずにのびのび走れるよ(笑)

YRA 今年の3歳は強いもんね!

みっちゃん うん。本命もその3歳から。
シュネルマイスターにするよ!
前走の毎日王冠見たら成長がわかる。
ルメールもグランアレグリア2世だって言ってたから。
今回で世代交代だ!

YRA なるほどね。3歳を中心に見たんやね!

みっちゃん そういうこと(・∀・)
Yちゃんは??

YRA わしはそのグランアレグリアが本命!
昨年も買っているし現役最強女王。
このレースで引退じゃけど負けて世代交代じゃなくて、勝って引退で世代交代になる。

みっちゃん まぁ実際めっちゃ強いよね~

YRA まだまだ3歳のお子様達には高い壁になるよ。
あとはサリオスカテドラルのハーツクライ2騎にも期待。
この阪神芝1600mはディープの次に良いのがハーツ。
しかも今は時計がかかるようになっとるし、スタミナが要求されるようになればハーツの出番。

ハーツクライについての詳細はこちら

ハーツは成長力もあるしね!「ディープを倒すのはハーツ」と昔から決まっているのです。

みっちゃん なるほどね~。
俺とは真逆でYちゃんは古馬を中心に見てるんだね。

YRA うん、マイル路線は層が厚いけん。
今年の3歳が強いのは認めとるんじゃけど、戴冠って意味では古馬が立ち塞がるんじゃないかなって予想してみました。

みっちゃん その中でもグランがイチオシってことね。

YRA 他ノ馬ハ全然怖クナイデス!

みっちゃん ルメールwww

マイルチャンピオンシップ
わし◎グランアレグリア
みっちゃん◎シュネルマイスター

2021.11.21 post

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YRA@血統調査員

少しでも役立つ競馬情報を。2011年~2016年までの5年間、北海道を拠点に毎日馬のお勉強に明け暮れていました。 2023年から再び拠点を北海道に移し、血統調査員として執筆活動に邁進中! 夢は雑誌で連載すること!

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