全頭血統考察

三強激突!【天皇賞・秋(GⅠ)2021】全頭血統考察

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血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

さぁ秋競馬前半戦の大一番。
天皇賞・秋がやってきました。
日本で最も格が高いG1、今年は三強が激突します。
もう既にワクワクとドキドキが高ぶっております(^_^)v

血統傾向については先日こちらで述べました。

それでは
天皇賞・秋の全頭血統考察スタート!

【天皇賞・秋(GⅠ)】

1枠1番コントレイル
父ディープインパクト 福永

ディープインパクトと母父Unbridled系との組み合わせはニックス。
ダノンバラード(AJCC(G2)中山芝2200)、ダコール(新潟大賞典(G3)芝2000)らがいる。
また、本馬と全く同じとなる父ディープインパクト×母父Uubridled’s Songの組み合わせは、朝日杯フューチャリティーステークス(G1)を制したダノンプラチナがいる。

母母Folkloreはアメリカでブライダーズカップジュベナイルフィリーズとメイトロンステークスという短距離ダートのG1を制している。
母系がマイラーorスプリンターであることはディープインパクト配合において早期始動するためのセオリー。
Storm Catはキズナに代表されるようにもはや説明不要のスーパーニックス。
先述したUnbridledと合わせて「アンディープキャット!」と言います。

↑詳しくはこちらから↑

三冠を制した後、古馬相手に勝てていないので一部では弱いという声もありますが、ジャパンカップはあのアーモンドアイの2着ですし、前走大阪杯では決して合うとは言えない重馬場の中、3着。
冷静に見たら普通に強いよね。それでもそんな声が上がるのはやはり無敗三冠という称号ゆえでしょう。
ここを勝ってネガティブな外野の声を吹き飛ばしてくれ!

1枠2番カデナ
父ディープインパクト 田辺

母フレンチリヴィエラはアメリカ馬で主な勝鞍はサラブレッドクラブオヴアメリカS(G3・ダート6F)
父ディープインパクト×母父フレンチデピュティの組み合わせは、マカヒキ(日本ダービー)、ショウナンパンドラ(ジャパンカップ、秋華賞)を出している成功配合の1つ。
母産駒には全姉クイーンリヴィエラも3勝しており、このことからも配合の相性の良さをうかがい知ることができる。
また産駒の完成を早めるには母がスプリンターであることがポイント。
本馬の母はアメリカのダートスプリント重賞を制しており、合致している。
このような血統背景を武器に本馬も早期始動からクラシック戦線に乗った。

安田記念で6着、宝塚記念では7着とまだそれなりに頑張ってはいますが、ディープインパクト産駒の7歳。ピークが過ぎた印象は否めません。
前走の毎日王冠も10着だったし、一線級相手にはさすがにもう厳しい。

2枠3番モズベッロ
父ディープブリランテ 池添

母ハーランズルビーはアメリカ産馬で、アルシバイアディーズS(アメリカG1・ダート8.5F)勝ち馬。
ディープインパクトのニックスStorm Catをディープブリランテの配合にそのまま当てはめた形。
また「ターントゥ系+ミスタープロスペクターを持つ肌馬」は父と相性が良く、同じディープブリランテ産駒として重賞勝ち(中山金杯(G3)、ラジオNIKKEI賞(G3))を収めているセダブリランテスも同じパターン。

ディープブリランテはディープインパクトにNever Bendという配合なので、重馬場も走れるディープ系。
重馬場で開催された春の大阪杯はこのメンバーを相手に2着。
適性がハッキリとしているタイプなのでここも雨乞いで。

2枠4番ポタジェ
父ディープインパクト 川田

母ジンジャーパンチはアメリカG1を6勝した名牝。
母母ナッペロンも重賞勝ち馬というしっかりとした牝系。
3/4同血の姉(父マンハッタンカフェ)ルージュバックは、本レース勝ち馬だったように東京芝1800mがベストな馬だった。
それだけに、前走毎日王冠時には「本馬はそこから父がディープインパクトに変わっているので血統的には合わないわけがない。4連勝でオープン入りして重賞でも好走している本馬がG1馬相手にどれだけやれるか楽しみに見守りたい。」と述べたのだが、結果はコンマ2秒差の3着ときっちり格好はつけた。
能力的にはG1を取れるレベルにあると見て良いだろう。
ただここは「G1超級」が揃った。どこまで食い下がれるかだ。

3枠5番エフフォーリア
父エピファネイア 横山武

母ケイティーズハートは現役時、15戦3勝。(条件馬)
先日エピファネイアの記事で述べたように

↑詳細はこちら↑
父エピファネイア×母父ハーツクライはまだサンプル数そのものが少ない中で、本馬と同世代のミヤビハイディも既に2勝を挙げている。
父はここまでキングカメハメハともディープインパクトともそしてこのハーツクライともきちんと結果を出しているが、この3頭を並べた上でハーツクライの配合を想像すると「やはり距離は長め」ということになる。

前走のダービーは、デビューから無敗の4連勝で挑み距離延長もプラスと見ていましたが、本当にわずかな差でダービー馬の座を逃しました。
その時述べたように東京の舞台は合いますし、ここも古馬の一戦級相手にどこまでやれるか大変楽しみですが、エピファネイアの記事でも書いたように父産駒は距離短縮が苦手な傾向があるだけに、そこは不安な点。

3枠6番トーセンスーリヤ
父ローエングリン 横山和

父ローエングリンは現役時、日本・フランス・香港で48戦10勝。
主な勝鞍は、中山記念(G2・2回)、マイラーズC(G2・2回)
宝塚記念や安田記念では3着とG1にはあと一歩届かなかった が、海外でもムーランドロンシャン賞(フランスG1)2着、香港カップ(香港G1)3着と一線級を相手に力を示した。
重厚な欧州ノーザンダンサー型のSadler’s Wells系なので、配合はまずサンデーの瞬発力を取り入れることから考えるべき。
その点でいけばサンデー系で短距離において抜群の切れ味を発揮した母父デュランダルはうってつけ。
産駒唯一のG1馬であるロゴタイプとは母父サンデー系というだけでなく、母方にNureyevを持つ点でも合致している。
Nureyevはスピードに富んだアメリカ型ノーザンダンサー系。
とにかくスピードの血を重ねることが、この父の配合における成功の近道。
函館記念を勝ったようにベストは小回りコースで、4大主場なら中山が最も合うだろう。

4枠7番ワールドプレミア
父ディープインパクト 岩田康

母マンデラは現役時ドイツオークス(G1)3着、ポモーヌ賞(フランスG2)3着、サンタバルバラH(アメリカG2)3着と重賞戦線で活躍した。
配合は父ディープインパクト×母父Acatenangoの組み合わせ。
Acatenangoはハンプトン系で主流7大血脈の中でも傍流血脈。
その原因は現在のスピード競馬に対して、この血脈は長距離血脈なので重視され辛い状況にある為である。
そのような血脈なので数が少なく、父ディープインパクトとの配合においてもサンプル数自体が少ない。
本馬と全兄ワールドエースが代表格となる。
本馬は菊花賞が勝ったことで王道ディープの異系な血脈として、種牡馬としての一定の役割があります。
レースの使われ方も明らかに長距離に照準を絞り、数も使わずにきていますよね。
春の天皇賞で待望の二冠目を手にして、ここは春秋天皇賞制覇がかかります。
父の血は良いですがどうしても母方にあるスタミナ型の血が頭をちらついてしまいます。

4枠8番サンレイポケット
父ジャングルポケット 鮫島駿

3代母にオープン馬アドマイヤラピスがいる牝系。
父ジャングルポケットは日本ダービーとジャパンカップを勝った東京巧者。
これはその父トニービンの影響がそのまま出ている形。
本馬もその父の影響を受け継ぎ、東京は得意で昨年の毎日王冠で3着。
今年も6着とまずまずだった。
ということで舞台は向くが「まずまず」の走り程度では上位進出すら難しいメンバー構成なだけに・・・。

5枠9番グランアレグリア
父ディープインパクト ルメール

母タピッツフライはアメリカ産馬。現役時24戦7勝。
主な勝ち鞍はジャストアゲームS(アメリカG1・芝1600m)とファーストレディーS(アメリカG1・芝1600m)
ダートが主戦場の父産駒にしては珍しく芝での活躍馬だった。
これは母父Marlinが芝・ダート兼用のG1ホースだった為、このあたりの適性を引き継いだと思われる。
父ディープインパクト×母父Tapitの組み合わせは、デビュー済み11頭と少ないながらも、そのうち8頭が勝ち上がり。
その中から6頭が複数勝ちなのでかなり好相性の配合と言える。
これはTapitが持つUnbridledの血の影響が大きい。
ディープインパクトとUnbridledの血はニックスで、朝日杯フューチャリティーステークス(G1)を制したダノンプラチナや、昨年無敗でクラシック3冠を達成したコントレイルら活躍馬多数。

昨年までは短距離からマイルの距離を中心に使われてきましたが、今年は距離延長を宣言しマイルから2000mに挑戦中です。
大阪杯では4着と評価が分かれる結果になりましたが、タフな馬場で最後に坂がある阪神であのメンバーを相手に4着は評価できるとわしは思います。
東京2000mの舞台ならこの相手でも充分やれるでしょう。

5枠10番カイザーミノル
父ロードカナロア 横山典

父ロードカナロア×Fairy Kingの組み合わせはマイルCS(G1)勝ち馬のステルヴィオと同じ。このFairy Kingが持つSpecialの血はロードカナロアにも入っている血で、これを増強させることが大物輩出パターン。
ステルヴィオも古馬になり適距離が短縮しているように、本馬も現在のベストは1400m~1600mあたりの可能性が。
サンデーサイレンスを持たないロードカナロアは得てして父の適距離に似てくる傾向がある。
前走毎日王冠(芝1800m)の時に「このレースはマイラーが好走するレースでもあるので・・・悩むところだ。」と述べたのだが、その傾向に沿うように5着と頑張った。
同じようにこのレースもマイラーが好走する傾向にあるのでここでも頑張れるが、この一線級を相手にした時に上位進出が叶うかというと疑問と言わざるを得ないところ。

6枠11番ムイトオブリガード
父ルーラーシップ 柴田善

母ピサノグラフは現役時29戦4勝(条件馬)。
母母はマイルチャンピオンシップ(G1)を勝ったシンコウラブリイ。
父ルーラーシップについては先日記事を書きましたのでご覧下さい。

ここでも述べたように成功配合例のほとんどが母父サンデーサイレンス系との組み合わせ。
現在産駒唯一のG1馬はキセキ(菊花賞)でその母父ディープインパクトはサンデーサイレンス系後継種牡馬の代表格。
またダンビュライト(京都記念(G2))とメールドグラース(小倉記念(G3))は母父サンデーサイレンスで本馬と同じ。
尚、上記3頭とも母母系にノーザンダンサーが入るという点が共通事項。
「サンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系」を持つ母との配合が成功への近道であり、この点は本馬の血統構成と合致する。
このようにルーラーシップ産駒の成功配合パターンを押さえていることは好感だが、だからこそ東京ならもっと長い距離が良い。

6枠12番ラストドラフト
父ノヴェリスト 三浦

母マルセリーナは桜花賞馬。
父ノヴェリストの産駒らしく重厚なヨーロッパ血統なので本馬のようにサンデーサイレンスのスピードを取り入れることが配合の基本となる。
それでもなかなか勝ちきれないところがこの血の重厚さを物語っている。
本馬もデビューから連勝で京成杯(G3・中山芝2000m)を勝ったあとは勝ち星を挙げることができていない。
前走毎日王冠時には「一貫して2000m以上を使われてきており、東京芝1800mはデビュー戦以来。ノヴェリスト産駒は、東京1800mは得意な舞台なのでそこに活路を見出せるか。」と考察したのですが、結果13着と新味を見出すことはできず。
距離延長となることはプラスですが、それでもこの舞台ではスピードも決め手も足りないでしょう。
馬場が荒れたらワンチャン。

7枠13番ペルシアンナイト
父ハービンジャー 大野

3代母リラクタントゲストはビヴァリーヒルズH(アメリカG1・芝9F)勝ち馬。
母系にNureyevとNijinskyが入るのはディアドラ(イギリスG1・ナッソーS)やブラストワンピース(有馬記念)やモズカッチャン(エリザベス女王杯)と同じ相性◎の配合。
マイルCSを制しているように1600mで最も能力を発揮していたが、血統的には中距離で、2000mまで走れる。
もう7歳ですし、条件が合う時だけ来るという感じになっています。
その「条件」とは京都1600mと札幌2000mです。
相手を見てもここはさずがに厳しそうです。

7枠14番カレンブーケドール
父ディープインパクト 戸崎圭

母ソラリアはチリ国産馬で現役時、11戦7勝。
チリ国内で1600~2400mのG1を3勝した名牝。
ソラリアの父はStorm Cat系なのでディープインパクトとはスーパーニックス配合。
どんな相手でも場所でも条件不問で、一生懸命に上位争いを繰り広げる高い能力の持ち主。
ディープインパクト産駒にしては決め手がないのが未だにタイトルをつかめない理由。
いつどこで戴冠してもおかしくないんですけどね・・・。

前走宝塚記念でも本質的には合わない舞台ながら、4着と好走。(ほんとどこでも走りますね。)
血統的には東京変わりはプラス。ただもちろん相手は強い。頑張れ!

8枠15番ヒシイグアス
父ハーツクライ 松山

母ラリズはアルゼンチン産馬。現役時、13戦9勝の戦績。
主な勝鞍はコンデッサ賞、オクレンシア賞(G3・芝1000m)
父ハーツクライと母父Storm Bird系との組み合わせはウインバリアシオン(日経賞(G2)、青葉賞(G2))、ゴーフォザサミット(青葉賞(G2))、コレクターアイテム(アルテミスS(重賞))を始め、活躍馬多数の良好配合。

父ハーツクライについては以前記事を書いていますのでそちらをご覧下さい。

ここでも述べたように産駒は基本晩成傾向で、5歳となった今年になり初めて重賞を制覇すると、続く前走中山記念も制して重賞を連勝。
5歳になって本格化するあたりは「まさにハーツクライ産駒らしい血統」と言える。
体質が弱く前走から8ヶ月間隔が空いたが、血統的には合う東京でのG1初挑戦。
新星登場に期待したい。

8枠16番ユーキャンスマイル
父キングカメハメハ 藤岡佑

母ムードインディゴは府中牝馬ステークス(G3)勝ち馬。
G1でも2着に入った実績を持つ(秋華賞)。
「父キングカメハメハ×母父ダンスインザダーク」という組み合わせは、
天皇賞(秋)と宝塚記念を制したラブリーデイが同じ。
また、朝日チャレンジカップ(G3)等、重賞3勝を上げたショウリュウムーンも同じ組み合わせである。
万能キンカメに長距離ダンスインザダークが色濃く出たことで長距離砲になっている。
実績からもここは距離が短いですし、喉鳴りも気になる。

以上、出走馬全16頭の血統考察でした。

2021.10.29 post

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YRA さぁ、みっちゃん秋競馬前半戦の大一番天皇賞・秋です。

みっちゃん 3強激突楽しみ。

YRA 良い馬ばっかりで目移りするけどまずは?

みっちゃん ヒシイグアス
今年になって中山金杯、中山記念と連勝。
完全に充実期だし、東京は連対外したことないから期待しかないよね。

YRA うん。年を追うごとに良くなるハーツクライ産駒そのものよね。

みっちゃん 次はカレンブーケドール(・∀・)
堅実な走りで常に5着以内だからね。この馬は外せないよ。

YRA ディープにStorm CatのニックスじゃけんいつG1獲っても不思議はない。
ここも相手が強すぎるのがどうかじゃね~。

みっちゃん 3着だと思ってる(笑)

YRA 3着かいっ(笑)
じゃあ本命は?

みっちゃん グランアレグリアでいきます!
ルメールが2000mも大丈夫って言ってた。
大阪杯はタフな競馬になったしね。あそこで4着なら東京の良馬場で逆転できるよ。

YRA まぁお母さんが芝1600mのG1馬じゃけん、もともと生粋のスプリンターって感じじゃないけんね。

みっちゃん じゃあ次はYちゃんね。

YRA まずはポタジェ
この馬もディープインパクトで姉にルージュバック。
ルージュバックは東京1800mがベストな馬だった。
そういう血統背景から父ディープインパクトに変わって東京はよりベスト適性に。
強い馬はいっぱいおるけど頑張ってくれると思う。

みっちゃん 休み明けの毎日王冠で3着。上積みもありそう。

YRA 次はエフフォーリア
ダービー負けたけどあれはもう仕方ないじゃろ。
その後の中間も順調って(キャロット)クラブの情報が出とったし、斤量も軽い。
力を出せる状態にあると思います。

みっちゃん 斤量はかなり魅力だよね。
武史もノッてるしね~。
それじゃあ最後Yちゃんの本命は?

YRA コントレイルです!
やっぱりデビュー前から「アンディープキャット配合」ということで注目馬として取り上げてたし、無敗の三冠馬は負けられないよ!

みっちゃん アーモンドアイに負けたし、大阪杯でも負けたじゃん。

YRA アーモンドアイはしょうがない。
大阪杯は馬場が悪い中3着を確保したことを評価すべき。
良馬場の東京なら負ける理由がない。
それに・・・。

みっちゃん それに?

YRA 週の始めに言われていた台風情報も無くなったじゃろ?

みっちゃん うん。

YRA あれは、JRAがこの馬を勝たせる為に進路を変えたんよ。
じゃけんもう鉄板です。

みっちゃん (苦笑)

YRA ここ勝って「最弱三冠馬」とか言う雑音を封じてもらいましょう!

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天皇賞・秋
わし◎コントレイル
みっちゃん◎グランアレグリア

2021.10.31 post

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YRA@血統調査員

少しでも役立つ競馬情報を。2011年~2016年までの5年間、北海道を拠点に毎日馬のお勉強に明け暮れていました。 2023年から再び拠点を北海道に移し、血統調査員として執筆活動に邁進中! 夢は雑誌で連載すること!

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