血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週はG1大阪杯の前哨戦
金鯱賞(G2)が開催されます。
血統傾向についてはこちらで解説しています。
それでは今週も
全頭血統考察スタート!
目次
【金鯱賞(GⅡ)全頭血統考察】
1枠1番ショウナンバルディ
父キングズベスト 岩田康
父キングズベストはアメリカ産馬でイギリス2000ギニー(イギリスG1・芝8F)勝ち馬。
種牡馬としてはダービー馬エイシンフラッシュを輩出。
キングズベスト産駒はスピードの持続力を引き継ぎ、「逃げ・先行スタイル」が合う馬が多く、本馬は現役の中では重賞馬トーラスジェミニ(七夕賞(G3))と共にその代表格ともいえる存在。
前々走の中日新聞杯ではまさにその逃げの型がハマり、逃げ切って重賞初制覇。
前走は大敗していますが、こういう馬はいつ一発あけるかわからないので馬券的には厄介な存在です。
2枠2番ギベオン
父ディープインパクト 西村淳
母コンテスティッドはアメリカ産馬。主な勝ち鞍はエイコーンS(アメリカG1・ダ8F)とテストS(アメリカG1・ダ7F)
父ディープインパクト×母父Deputy Minister系の組み合わせは、日本ダービー馬マカヒキ(現役)、ショウナンパンドラ(ジャパンカップ、秋華賞)を始め活躍馬を多く輩出している父の成功配合パターンの1つ。
また、Blushing Groomも上記のマカヒキやミッキークイーン(オークス、秋華賞)が持つ父と相性の良い血。
昨年のこのレースではあっと驚く激走を見せてくれました。
そのレース以来、好走はないのですがここでまた昨年の再現はあるのでしょうか。
3枠3番ジャックドール
父モーリス 藤岡佑
3代母にアメリカのG1を5勝(ダート9F~10F)した名牝It's in the Airがいる牝系。
父モーリスはサンデーサイレンスを持ちつつ、非主流な血統で構成されているが、本馬は牝系にサンデーはなし。
その分、牝系にはアメリカ血統が凝縮されており日本に適したスピードを引き出している。
そのスピード力を武器に現在4連勝中。
明け4歳ということを考えればさらなる成長力も期待できますし、今年楽しみが大きい馬の一頭と言えます。
4枠4番ソフトフルート
父ディープインパクト 岩田望
母母ストームソングはBCジュヴェナイルフィリーズ(アメリカG1・ダ8.5F)の勝ち馬。
半姉(父タニノギムレット)にフローラS(G2)勝ち馬のミッドサマーフェイスがいる。
母父Kingmamboはキングカメハメハの父。
ということで秋華賞馬アカイトリノムスメと似たような配合と言える。
エリザベス女王杯時には「オープン入りし、オープン戦でも2着に好走と一歩ずつ力をつけている印象だが、ここはG1。さすがに相手レベルが一気に上がりすぎか。」と考察したのですが、4着と頑張りました。
その後、前走の愛知杯(G3)でも4着。
重賞でも上位に来る力は既についているので、ディープインパクト産駒に相性の良いここも期待したくなる存在です。
4枠5番ポタジェ
父ディープインパクト 吉田隼
母ジンジャーパンチはアメリカG1を6勝した名牝。
母母ナッペロンも重賞勝ち馬というしっかりとした牝系。
3/4同血の姉(父マンハッタンカフェ)ルージュバックは、毎日王冠勝ち馬だったように東京芝1800mがベストな馬だった。
前走AJCC時は「毎日王冠時には血統的に合わないわけがないと考察した通り3着。それだけに同じ非根幹距離と言えどもここは1F長い気がするし、中山もベストとは思えない。」と考察した通り、5着と落とした。
そこから今回は昨年3着に入った舞台に変わってくるので、前走以上の結果を期待したくなります。
5枠6番アカイイト
父キズナ 幸
父キズナについてはこちらで解説しています。
父キズナ×母父シンボリクリスエスの組み合わせは富士S(G2)勝ち馬のソングラインと同じ。
ソングラインは母母系に日本の主流血統であるサンデーサイレンスを、本馬は大系統ノーザンダンサー系のNijinskyを持っている。
Nijinskyはスタミナ血統なので本馬はソングラインに比べて適性距離が長めに出ている。
前走有馬記念は後方からジリジリとのびて7着とまずまず頑張りました。
そこからの距離短縮は良い方に働きそうですし、舞台変わりはRobertoを内包する観点から血統的にはプラス評価できます。
5枠7番シャドウディーヴァ
父ハーツクライ 福永
父ハーツクライについてはこちらで解説しています。
母ダイヤモンドディーバはアメリカ重賞(芝8F)勝ち馬。
父ハーツクライ×母系にDanzigの組み合わせは父の近年のトレンドで、早期始動ができる配合。
本馬も3歳時にフローラS2着からオークス(6着)に駒を進めていたが、父産駒らしくやはり年齢の成長と共に力をつけてきた。
明け6歳となりますが、血統的にはまだやれて良いですし、前走有馬記念からは当然レベルが落ちるメンバー構成。
今年を占う一戦になりそうです。
6枠8番アラタ
父キングカメハメハ 大野
母サンシャインはエルフィンS(OP)勝ち馬。
母母バルドウィナはフランス重賞(芝2100m)勝ち馬という下地がしっかりとした牝系。
父キングカメハメハに母父ハーツクライの組み合わせなので距離は中距離~。
じっくり成長していくあたり母父の血が色濃く受け継がれているように見える。
4歳時の昨年1勝クラスからオープンまで一気の4連勝で重賞戦線へ。
その初戦となった前走の福島記念(G3・芝2000m)では3着とここでもやれそうな雰囲気は感じ取ることができました。
ここでさらなる強い相手を戦うことになりますので、その経験がきっと今年重賞戦線を戦う上での大きな経験になることでしょう。
6枠9番シフルマン
父ハービンジャー 荻野極
父ハービンジャーについてはこちらで解説しています。
この中でも書いたようにハービンジャーは非サンデーサイレンス系となるので配合相手はサンデーサイレンス牝馬が中心で、この馬もその類い。
母ラブリネスオブパリは現役時ダートで3勝(条件馬)。
母母に秋華賞馬ファビラスラフインがいる牝系。
そんな父と母系の配合通り、適距離は2000m前後に出ている。
ハマれば強いタイプで、今回は自分よりも前に行く馬がはっきりとわかっている状況。
前残りな展開になれば波乱を演出する可能性もありそうです。
7枠10番レイパパレ
父ディープインパクト 川田
母シェルズレイは現役時、21戦3勝(オープン馬)
繁殖としてもかなり優秀で、ここまで7頭が中央で勝ち上がっており、うち本馬の全兄シャイニングレイはホープフルステークス(当時G2)とCBC賞(G3)を制しており、その全妹である本馬で待望のG1馬を輩出した。
血統背景は父クロフネ(フレンチデピュティ~Deputy Minister~Vice Regent~ノーザンダンサー系)×母父ウイニングチケット(トニービン~Grey Sovereign~ナスルーラ系)の組み合わせ。
父ディープインパクト×母父フレンチデピュティ系の組み合わせは、日本ダービー馬マカヒキ(現役)、ショウナンパンドラ(ジャパンカップ、秋華賞)といったG1馬を始めとする活躍馬を多く輩出している父の成功配合パターンの1つ。
このように血統構成は日本の「ザ・主流」。
エリザベス女王杯時には「この時期は宝塚記念の時よりも主流側に寄るとわしは考えているので、この馬にはプラスになると見ています。」と考察しましたが、早め進出から一杯となってしまい、6着。
そこから前走香港C(6着)以来3ヶ月ぶりのレースとなりますが、コンディションは良さそう。
ディープインパクト産駒ですし、血統的にマイナス評価する理由はないです。
7枠11番ステラリア
父キズナ 松山
父キズナについてはこちらで解説しています。
母ポリネイターはイギリス芝マイル重賞の勝ち馬。
父キズナは重厚な血を母方に内包しているので配合の際はスピードを取り入れることが肝要なのでこの組み合わせはまぁまぁ理に適っていると言って良いだろう。
母父MotivatorはSadler’s Wells~ノーザンダンサー系のライン。
前走エリザベス女王杯時には「Sadler’s Wellsの血を持っていることから200mの距離延長は問題なさそうですが、世代の6着というのが現在のハッキリとした本馬の力ではないでしょうか。」と考察したのですが、2着と頑張りました。
秋華賞からコンディションを上げてきての結果ということで、もうひと成長があったのかもしれません。
だとするとここも楽しみです。
8枠12番ランブリングアレー
父ディープインパクト 藤岡康
母ブルーミングアレーはフローラS(G2)3着。
父ディープインパクト×母父シンボリクリスエスは愛知杯(G3)勝ち馬のマジックキャッスルと同じ。
本馬の場合はそこにSadler’s Wellsで重も得意なディープ産駒。
ヴィクトリアマイル時には「そのような配合なだけに適距離は中距離。高速馬場のマイル少し厳しいそうに見える。」と考察したのですが、結果は2着。
エリザベス女王杯時には「とは言え適距離の見解を変えるつもりはまだなく、やはり中距離が良いともう1度言っておきます。ということでここは頑張れるはず。」と考察したが、9着。
やはり中距離ではなくマイルなのか・・・と思ったら前走の小倉大賞典(芝1800m)では2着。
ということでこの馬には完全に翻弄されっぱなしのわしです(苦笑)
今回は乱暴に「えぇい!マイル~2000mまでのキズナじゃあ!」としてもう1度期待させて下さい。
8枠13番サンレイポケット
父ジャングルポケット 鮫島駿
3代母にオープン馬アドマイヤラピスがいる牝系。
父ジャングルポケットは日本ダービーとジャパンカップを勝った東京巧者。
これはその父トニービンの影響がそのまま出ている形。
本馬もその父の影響を受け継ぎ、東京は得意で昨年の天皇賞・秋、ジャパンカップを共に4着と好走。
前走京都記念では「G1戦線でハイレベルな戦いを繰り広げてきただけにここはメンバーレベルが1枚も2枚も落ちるが、舞台変わりはプラスではない。」と考察して結果は3着。
やはり舞台変わりが少しマイナスだったかなと思ったのですが、何回か見返していると「単に勝ちきれないタイプなだけかも」と思うようになりました(苦笑)
ということでここも相手なりには走りそうですが・・・。
以上、全13頭血統考察でした。
【YRAとみっちゃんの予想対談】
↑探さないで下さい。
2022.3.11 post
【本命確定!】
⑫ランブリングアレー
⑬サンレイポケット
2022.3.13 post