「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週は女王決定戦エリザベス女王杯です。
目次
エリザベス女王杯昨年の結果
まずは昨年の結果から振り返りましょう!
1着ジェラルディーナ 父モーリス 4番人気
2着ウインマリリン 父スクリーンヒーロー 5番人気
2着ライラック 父オルフェーヴル 12番人気
2020年~2022年は京都競馬場の改修工事に伴い阪神競馬場での開催でした。
勝ったジェラルディーナは非サンデーサイレンス系種牡馬のモーリス。
血統的に面白いのは、ジェラルディーナが「Roberto+母父サンデー系」の組み合わせであることです。
同舞台である宝塚記念(阪神芝2200m)や阪神開催でのこのレース(過去2年)のデータからは、「サンデーサイレンス系+Sadler’s WellsやRobertoといったタフな血」がベストです。
そこから考えればこのジェラルディーナの血統というのはそれ(父×母系)をひっくり返したような配合。
当日の雨により馬場がタフになった分、血統もよりストレートにタフさを伝える配合がマッチした結果と言えるのです。
2着ウインマリリンの父スクリーンヒーローはモーリスの父なのでこれも同じRoberto系種牡馬となります。
この馬も馬場がタフになったことがプラスに働きました。
同着2着のライラックはオルフェーヴル産駒。
オルフェーヴルはサンデー系の中でもタフさを持つステイゴールドの直仔なのでこういう馬場になったことが激走に繋がりました。
母父キングカメハメハも合いましたね。
ということで昨年はタフさが求められる馬場になったことで、それに対応できる血統が上位に来たという結果でした。
今年は再び京都での開催となりますので、傾向は大きく変わることが想定されますが、タフさを求められる馬場になる天候になりそうであれば、昨年の結果にもヒントが隠れているかもしれません。
以上、昨年の結果分析でした。
2023.11.7 post
↑こちらでデータが確認できます!
エリザベス女王杯血統傾向
□サンデー2大巨頭が中心
2022年(重)阪神
1着モーリス
2着スクリーンヒーロー
2着オルフェーヴル
2021年(良)阪神
1、 キズナ
2、 キズナ
3、 エピファネイア
2020年(良)阪神
1、 オルフェーヴル
2、 ディープインパクト
3、 ディープインパクト
2019年(良)京都
1、オルフェーヴル
2、ステイゴールド
3、ディープインパクト
2018年(良)京都
1、ハーツクライ
2、ステイゴールド
3、ハービンジャー
2017年(良)京都
1、ハービンジャー
2、ステイゴールド
3、ディープインパクト
2016年(良)京都
1、マンハッタンカフェ
2、マンハッタンカフェ
3、ディープインパクト
2015年(稍)京都
1、 ディープインパクト
2、 ハーツクライ
3、 ディープインパクト
4年ぶりに京都での開催となります。
京都芝2200m全体の成績ではディープインパクトが勝率14%連対率21%複勝率40%と圧巻の馬券内率。
実際京都で開催されていた本レースの直近5年でもマリアライトという勝ち馬を含む5頭を馬券圏内に送り出しています。
今年出走を予定しているディープインパクト産駒はサリエラ1頭のみとなっています。
次点はハーツクライで勝率14%連対率19%複勝率30%の好成績。
このレースでは2018年にリスグラシューが勝っています。
今年の出走馬の中では、ハーパーが該当しています。
エリザベス女王杯全頭血統解説
それではここからは全頭血統解説です!
アートハウス
父スクリーンヒーロー 坂井
母パールコードは秋華賞2着。
母母マジックコードはアメリカ重賞勝ち馬(ダート9F)。
父スクリーンヒーローはジャパンカップ勝ち馬。
血統背景は父グラスワンダー(Silver Hawk~Roberto~ターントゥ系)×母父サンデーサイレンスの組み合わせ。
Roberto系種牡馬らしく産駒の活躍馬は牡馬に偏っている。
牝馬で重賞を勝っているのはウインマリリン(日経賞、オールカマー、フローラS)とクールキャット(フローラS)のみ。
本馬もローズSを勝ち仲間入りを果たした。
秋華賞でも5着と世代上位の力を示すと、古馬混合緒戦となった愛知杯では好位から抜け出して優勝。
さらなる飛躍が期待されたがそのご骨折・・・。
ここは骨折明けの一戦となるのでまずは無事に回ってきてもらいたいですね。
イズジョーノキセキ
父エピファネイア 岩田康
母キングダンサーは現役時、15戦1勝。
父エピファネイア×母父キングカメハメハの配合は三冠牝馬デアリングタクトを始め、活躍馬多数の黄金配合。
この馬はエピファネイア産駒の多くに見られる、サンデーサイレンスのクロスが無い分、成長はじっくりで5歳の昨年ピークを迎えた。
春のヴィクトリアマイル時には「有馬記念で4着と頑張ったので少し迷うとこですが、やはりベストは中距離と思っています。マイルは少し短いです。」と考察し15着。
前走府中牝馬は道中力んでしまい、9着。
どんどんと乗り難しくなってきていますね。
寄る年波には勝てないということでしょうか。
ククナ
父キングカメハメハ 浜中
母クルミナルは現役時桜花賞2着、オークス3着に入着。
アールドヴィーヴルの考察でも述べているように、父キングカメハメハ×母父ディープインパクトの組み合わせはブラヴァス(新潟記念(G3))で中距離適性が高い。
このような血統なので3歳時、牝馬クラシックに駒を進め、桜花賞でも6着、オークス7着と頑張った。
古馬になり足踏みが続いていたが、5歳になった今年ようやく再オープン入りを果たした。
母父ディープインパクトということで血統的には合いますが、地力が足りているかというとちょっと厳しそうです。
もちろん贔屓しているので勝って欲しいんですけどね。
ゴールドエクリプス
父ドゥラメンテ 岩田望
母ゴールドグローリーは現役時、14戦1勝。
勝ち鞍はダート1700m
繁殖として、へニーヒューズとの間にオープン馬ゴールドハイアーを輩出している。
母母はオープン馬ハチマンダイボサツ。
父ドゥラメンテはキンカメ×アドマイヤグルーヴという良血種牡馬で、初年度産駒から菊花賞馬タイトルホルダーを、2世代目に牝馬2冠のスターズオンアースを、そして3世代目にも牝馬3冠を達成したリバティアイランドを輩出している。
このように同産駒は基本的には仕上がりが早いタイプが多いが、本馬はこの4歳の秋にオープン入りを果たした。
この成長力は母父ハービンジャーの影響による可能性が高いと言えます。
であれば、時計勝負になるようなら分は悪そうです。
サリエラ
父ディープインパクト マーカンド
母サロミナはドイツオークス勝ち馬。
母母Saldentigerinもドイツ重賞勝ち馬。
全姉にはG2・府中牝馬勝ち馬のサラキアがおり、半兄(父ハーツクライ)は朝日杯FS勝ち馬のサリオス。
競争成績も繁殖力も高スペックな母系を背景に、本馬もオープンまで出世し、重賞でも好走している。
前走新潟記念では一番人気に支持されていながた初の掲示板外に負けてしまいました。
返し馬の時から普段と違ったとのことですから、本調子ではなかったのでしょう。
であれば度外視で良いと思うので、瞬発力が求められるこの舞台で本調子で走ることが出来れば巻き返しは十分可能とみます。
ジェラルディーナ
父モーリス ムーア
母ジェンティルドンナは7冠を獲った名牝。
父モーリスはサンデーサイレンスを持ちながらも非主流の血統。
サンデーサイレンスのクロスを作れるのでサンデー系やもう1つの主流血統キングカメハメハとの交配が素直に走る。
母父ディープインパクトとの交配からは本馬の他にも重賞馬・ルークズネスト(ファルコンS(G3))を出している。
モーリスの距離適性は基本2000mまでだが、この馬は先述したように母が名牝ジェンティルドンナで、距離延長も問題なく、昨秋エリザベス女王杯を制した。
暮れの有馬記念の時には「今が充実期ですが、この秋のピークはさすがに前走に持ってきていたように思います。」と考察しましたが3着に頑張りました。
春の大阪杯の時には「完成期を迎えていますね。不安は鞍上だけです。」と考察し6着。
春のグランプリ宝塚記念では「今回は鞍上強化。エリザベス女王杯と同舞台ですし、巻き返しは必至とみます。」と考察し、4着と頑張りました。
今年は京都競馬場に変わるのでそれ自体を手放しでプラスと評価することはできませんが、ここまでの戦歴を見てわかるように非根幹距離が得意ですから、牝馬同士の戦いではやはり上位評価となります。
シンリョクカ
父サトノダイヤモンド 木幡初
母レイカーラは現役時、17戦5勝(オープン馬)
主な勝ち鞍はターコイズS(OP・芝1600m)
繁殖としてディープインパクトとの間にオープン馬のインターミッションを輩出している。
父サトノダイヤモンドは有馬記念と菊花賞勝ち馬。
ディープインパクト産駒として距離適性が長く出たタイプだった。
春のクラシックでは桜花賞(6着)よりもオークス(5着)の方が血統的にはより楽しみに思っています。と考察したようにと述べたように、ある程度距離がある方が良いと思っています。
血統的にも京都は良いでしょうし、そういう意味ではここで血統的にマイナスする材料はないのですが、現時点での地力が古馬に通用するのかどうかが疑問です。
ディヴィーナ
父モーリス Mデムーロ
母ヴィルシーナはヴィクトリアマイルを連覇。
父モーリスはサンデーサイレンスを持ちつつ、非主流な血統で構成されており、本馬の母父はサンデー系の大将ディープインパクト。
この組み合わせはファルコンS(G3・芝1400m)を買ったルークズネストと同じ。
またこのルークズネストとは母系にNureyevを持つことでも合致している。
モーリスは母系にNureyevと3/4同血のSadler’s Wellsを持つ。
同じ系統の種牡馬であるエピファネイアもこの(ニアリー)クロスを持つことで成功馬を輩出中。
父モーリスの産駒らしく、一戦ごとに力をつけてきて4歳の昨年オープン入り。
春のG1ヴィクトリアマイルで4着とすると、前走府中牝馬Sではついに重賞勝ちを果たしました。
「モーリス産駒は基本2000mまで」と昨年ジェラルディーナを軽視し痛い目を見たので、わしがこの馬を軽視することはありません!
ハーパー
父ハーツクライ 川田
母セレスタはアイルランド産馬で現役時、7戦6勝(海外)
アルゼンチンG1・ジュヴェナイルフィリーズを勝っている。
繁殖としてドゥラメンテとの間に、JBCレディスクラシック(G1)を制したヴァレーデラルナを輩出している。
父ハーツクライ×母系にStorm Birdを持ってくる組み合わせは、青葉賞(G2)を勝ったウインバリアシオン、ゴーフォザサミットと同じ。
桜花賞時には「前走クイーンCは素質の高さで勝ち上がりました。まだまだ精神的にも肉体的にも伸びしろを感じさせる中での結果は立派ですが、やはり血統的にもまだまだ成長途上にあるでしょう。血統的にはここでこのメンバー相手に能力の高さを示した上で、距離適性がより合いそうなオークスへというのが理想です。」と考察し、4着。
この時考察したようにオークスでは2着と上昇しました。
前走秋華賞では「リバティとの勝負付けは済んでいますが、この夏での成長に期待して応援したいと思っています。」と考察し、3着でした。
常に一生懸命走ってくれる姿には敬意を表したいですし、ここはリバティアイランドはいません。
血統的にも傾向で述べたようにプラス評価できます。
ビッグリボン
父ルーラーシップ 西村淳
母ブリッツフィナーレは不出走。
母母ロンドンブリッジはファンタジーS(G3・芝1400m)勝ち馬。
全兄に菊花賞馬キセキがいる。
父ルーラーシップは基本晩成血統。
代表産駒は先述した本馬の全兄キセキとなる。
同血である本馬もマーメイドSを勝って重賞馬となった。
前走京都大賞典は好位から進めるも8着。
これは京都が合わなかったというよりも馬場が合わなかったことによるもの。
父ルーラーシップを思えば重馬場は得意そうなものだが、本馬の場合は母父ディープインパクトの方が強く出ている。
ということで良馬場の京都ならもっとやれて良いという評価をしています。
ブレイディヴェーグ
父ロードカナロア ルメール
母インナーアージは現役時、21戦4勝。
勝ち鞍は芝1600~2500m
繁殖としてドレフォンとの間にオープン馬エルハリオを輩出している。
母母ミュージカルウェイはフランス重賞勝ち馬で、繁殖としてオークス馬ミッキークイーンを輩出した。
父ロードカナロアはスプリンターでありながら、2013年の年度代表馬に選出された稀代の名馬。
種牡馬としてもポストディープインパクトとして今年はここまで種牡馬ランク1位の座に位置している。
種牡馬としてはアーモンドアイやサートゥルナーリアといったクラシックディスタンスで活躍している産駒も輩出している。
前走ローズSは恒例の出遅れから、恒例の上がり最速をマークして2着。
ということで今回も出遅れるでしょう(苦笑)
ただ、このキレ味はとても魅力です。
秋華賞へは疲れがあり回避となっただけに、ここは万全な状態なのではないかと思いますが、パドックはしっかり見ておきましょう。
マリアエレーナ
父クロフネ 三浦
母はアネモネS(OP)勝ち馬のテンダリーヴォイス。
母母ミスアンコールからはダービー馬のワグネリアンが出ている牝系。
父クロフネ×母父ディープインパクトの組み合わせとなるが、「ディープインパクト×クロフネ」というのは1つの成功パターンなので、この馬はそれをひっくり返した配合ということになる。
この馬の他にも何頭か複数勝ち馬を出しているのでこの「ひっくり返し配合」もまずまず好配合と言える。
配合的にはマイルあたりに適性が出そうに見受けられるが、中距離で出世してきたあたり、ディープインパクトが割と出ているかなといったところ。
そのため3月の金鯱賞は評価をしていたのですが、結果は8着。
ですがこれは、前目のポジションが取れなかったことが原因でした。
そこから春の大阪杯では「すんなりポジションを確保できるようであれば巻き返しがあっても良いと思っています。」と考察し、5着。
思ったよりも後ろからの競馬となってからのこの結果ですからやはり地力はありますよね。
前走オールカマーでは三浦君が乗って4着。
ここは継続騎乗となりますし、先述したように母父ディープインパクトが出ているタイプに見えるのではここは合うのではないでしょうか。
ガンバレ三浦君!
ライラック
父オルフェーヴル 戸崎圭
母母ブルーリッジリバーは桜花賞で2着に入着。
父オルフェーヴル×母父キングカメハメハの組み合わせは、ショウリュウイクゾ(日経新春杯(G2))やタガノディアマンテ(万葉S(OP))と同じ。
ということで父譲りの中山適性でマイルのフェアリーS(G3)を勝ったが、本質的には長い距離が良さそう。
昨春クラシック2戦は完敗でしたが、秋の紫苑Sでは3着。この中山適性の高さはオルフェーヴル産駒ということを思えば納得できる。
そして昨年エリザベス女王杯の時には「今回のように古馬も相手になってくる際はやはり得意の中山で戦いたいところです。」と考察したのですが2着と好走されました。
重馬場適性が思ったよりもあったという印象です。
良馬場になり、キレ味勝負になるようだとマイナスかなと思っていますが、京都競馬場という舞台については父オルフェーヴルを思えば悪くはないです。
ルージュエヴァイユ
父ジャスタウェイ 松山
母母デインドリームはドイツ産馬で凱旋門賞を始めG1を5勝した名牝。
ジャスタウェイの父ハーツクライは晩成型の種牡馬であるが、Danzigの血を取り入れることで、サリオス(朝日杯FS)、ワンアンドオンリー(日本ダービー)、ヌーヴォレコルト(オークス)といったクラシックで活躍できる産駒を輩出した。
父と相性が良かった血は息子とも相性が良く、ジャスタウェイ配合においてもDanzigの血は相性が良い。
昨年クラシックを戦った後(オークス6着)、条件戦を連勝しオープン入りを果たしました。
4歳となった今年、重賞で連続2着と本格化を迎えた感があります。
前走府中牝馬Sではスタートから後手にまわる形になりながらも2着と見所あるレースをしてくれました。
前走は中間の調教からまだ良化の余地を残した状態でしたから、そこが今回さらに良くなっているようだとG1のここも期待したくなります。
血統的にも傾向取り上げたハーツクライの直仔ジャスタウェイですから悪くはないです。
ローゼライト
父キズナ 和田竜
母エンブレイスは現役時、3戦1勝
勝ち鞍はダート1200m
繁殖としてダイワメジャーとの間にオープン馬カバーストーリーを輩出している。
父キズナはディープインパクト×Storm Catの黄金配合で日本ダービーを制した。
種牡馬としてはスピードの血をさらに足されるような配合をされることが多いので2000mまでの距離に強い産駒が多い。
本馬は母系に重厚なSadler’s Wellsなので距離の壁はない。
3勝クラスを勝っているようにキズナは京都を得意としているので血統的には相性は良さそうです。
ただこのメンバー相手だとさすがに地力が足りないように思います。
以上、全15頭の血統解説でした。
良かったら参考にしてみて下さい。
血統表:(c)netkeiba.com
エリザベス女王杯穴馬血統
京都で開催された過去5年で6番人気以降の穴馬が馬券になったのは、
2019年7番人気で2着のクロコスミア
2018年9番人気で2着のクロコスミア
2017年9番人気で2着のクロコスミア
2016年12番人気で2着のシングウィズジョイ
2015年6番人気で1着のマリアライト
クロコスミアの3年連続の激走が目立ちますが、毎年人気薄が馬券になり、計3頭が穴をあけています。
この3頭はいずれも母系にSeattle Slewの血をもつという共通点がありました。
Seattle Slewは大系統ナスルーラの系統でスピードの持続力を伝えます。
この舞台は今週の競馬の専門学校でも言われていたようにスピードの持続力が求められるレースになりやすいので、この血をもつ馬が激走しやすいということになるのです。
今年の出走馬の中で該当する人気馬の馬は、
イズジョーノキセキ(15番人気想定)となります。
良かったら参考にしてみて下さい。
2023.11.10 post
エリザベス女王杯2023結果
1着ブレイディヴェーグ 父ロードカナロア
2着ルージュエヴァイユ 父ジャスタウェイ
3着ハーパー 父ハーツクライ
勝ったブレイディヴェーグは全頭解説で記載したように出遅れ癖がある馬ですが、今回は(
綺麗なスタートとは言えないものの)出遅れはありませんでした。
結果的にはこれが勝因と言っても良いのではと思っています(笑)
それくらい出遅れが当たり前みたいな馬ですからね。
ローズSで強い競馬をしながらも、疲労のことを考え無理をせず秋華賞を回避したことがプラスに働いたと言えるでしょう。
血統的にはNureyevのクロスというキンカメ系種牡馬の王道の大物輩出配合をおさえており、G1馬になったことは配合的にも納得がいきます。
過去クロコスミアが3年連続で馬券になったようにこの舞台はリピーターが来やすいので、来年以降も注目しておきたい存在です。(しかもまだ3歳!)
2着ルージュエヴァイユはジャスタウェイの産駒。
4歳となった今年に本格化してきたことは本来のハーツクライ系の血統といった感じがしますね。
これで3戦連続重賞2着。(しかも今回はG1)
タイトルまで、あともう1歩です。
血統的にも母系にあるDanzigの血はハーツクライと相性が良い血ですからどこかでタイトルは獲って不思議ない血統です。
3着ハーパーについては、「サンデー系種牡馬にSeattle Slewの形が一番この舞台では合う形」とMildomで話をさせて頂きました。
3着に入ってくれてホッとしていますw
もちろん馬自身は良く頑張ってくれていますが、大きいところを獲るにはもうワンパンチ足りないですよね。
ハーツクライの産駒なので、この先もうひと成長あることに期待しています。
そのSeattle Slewのクロスを持つということで穴馬傾向に合致したのはイズジョーノキセキ(13番人気)。
6歳で8着なので良く頑張ってはいますが、やはり寄る年波には勝てず、これ以上求めるのは酷ですかね。
最後に勝ったブレイディヴェーグの母父ディープインパクトについて。
ここはもともとディープインパクトの相性が抜群に良いレースで、次世代血統の覇権は「ディープ後継」か、「母父ディープ」か気になっていますとMildomで話をしました。
結果として母父ディープが勝ったわけですが、その他の母父ディープは5着、7着、10着、11着、15着。
対してディープ後継種牡馬は9着、12着。
(ちなみにディープインパクト産駒のサリエラは6着)
ということで全体傾向としては何とも言えませんね。
なので、こちらについては来年の結果も注視していきたいと思っています。
以上、血統回顧についてでした。
また来年!
2023.11.13 post
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よろしくお願いします(^_^)v