血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
さぁクラシック開幕戦、サクラサク桜花賞です。
桜の女王に輝くのは果たして?!
血統傾向についてはこちらで解説しています。
それでは開花間近の乙女達、
全頭血統考察スタートです!
目次
【桜花賞(GⅠ)全頭血統考察】
1枠1番ナムラクレア
父ミッキーアイル 浜中
3代母Coup de Genieはアメリカ産馬でフランスG1のモルニー賞(芝1200m)とサラマンドル賞(芝1400m)勝ち馬。
父ミッキーアイルはディープインパクト直仔でマイルCSとNHKマイルCの勝ち馬。
この世代が2年目産駒。初年度からメイケイエール(チューリップ賞)を出している。
このメイケイエールに代表されるようにサンデーサイレンスのクロスは成功パターンになりつつあるが、そのクロスを持つことで気性がかなり荒くなる可能性は高まる。
本馬はそのサンデーの父Haloのクロスなので気性はそこまでキツくない。
ディープ系種牡馬なので、ディープインパクトと相性が良い血との組み合わせで活躍馬を輩出する可能性が高い。
ただし、Storm Catは今のところ低調。今後巻き返してくると思っているが果たして?
阪神JF時には「マイル種牡馬にStorm Catなので本質的なベストは1400mまでになる可能性が高いが、この時期なら1600mもこなせるだろう。」と考察し5着。
前走フィリーズレビューで2着ですからやはり考察通りベストは1400mまでなのでしょう。
1枠2番カフジテトラゴン
父キズナ 古川吉
父キズナについてはこちらで解説しています。
母カフジジュエルは現役時、未勝利。
3代母にイギリス重賞(芝5F)を勝ったDietrich、5代母にフィーニクスS(アイルランドG1)を勝ったAvianceがいる牝系。
母父Dalakhaniは凱旋門賞を始めG1を4勝したアイルランド産馬。
血統はMill Reef~Never Bend~ナスルーラの系統で母方にはMiswakiを内包している。
キズナ×Miswakiの組み合わせは代表産駒アカイイト(エリザベス女王杯)やバスラットレオン(ドバイG2・ゴドルフィンM)などが出ており相性が良い。
バスラットレオンがドバイでダート競争を勝ったように本馬もダート適性が高く、未勝利勝ちはダートで。
今回抽選を通って桜の舞台にやってきたが、芝はデビュー戦の11着以来。
ディープ系種牡馬という血統的後押しこそあるものの、ここで激走を期待しろというのはさすがに・・・。
2枠3番アルーリングウェイ
父ジャスタウェイ 藤岡祐
父ジュスタウェイについてはこちらで解説しています。
母アルーリングライフは現役時25戦4勝(条件馬)。
母母アルーリングアクトは小倉2歳S(G3、当時3歳S)勝ち馬。
ジャスタウェイの牝駒は1600m以下で活躍する傾向にあり、本馬も1200mでデビュー勝ち。
その後、距離を1Fずつ延ばしながら前走はエルフィンS(L)を勝ち、桜の切符を手にした。
1600mで勝ったとは言え、本質的にはもう少し短い距離が良さそうに見えるので頂点の舞台ではちょっと見劣るというのが正直な印象です。
2枠4番パーソナルハイ
父ディープインパクト 吉田豊
母パーソナルダイアリーはデルマーオークス(アメリカG1)勝ち馬。
母父City Zipは米ダート7FのG1勝ち馬。
父はアメリカ型のスピード血統との配合が成功パターン。
本馬についてはデビュー前に血統注目馬としてTwitterで取り上げました。
勝ち上がりまでに3戦を要したが、前走赤松賞では逃げて2着。
勝ち上がったレースも逃げだったので現状この戦法が合うのだろう。
前走阪神JF時には「鞍上が2戦目に手綱をとった藤岡康に戻るのでまた、中団後方からというレースをしなければ良いのだが。」と考察したのですが、本当に中団からいってしまい16着。
前走フラワーCでは「その時の反省を踏まえて、さすがにここは前からいくでしょう(と思いたいです)。」と出遅れもありまたもや後ろからとなり、6着。
今回は吉田豊に鞍上強化されるので、前からのレースに期待。
血統的魅力はあるので是非とも抽選に通って欲しいです。
3枠5番ピンハイ
父ミッキーアイル 高倉
3代母にクイーンC(G3・芝1600m)3着のタックスヘイブン。
父ミッキーアイルはディープインパクトのマイラー仕様産駒で、現役時にはNHKマイルCとマイルチャンピオンシップを制覇。
本馬はそこに母母父フジキセキ。フジキセキはサンデー直仔なので、サンデーサイレンスのクロスが成立する。
これは昨年本レースを制したメイケイエールと同じ。
ミッキーアイルはもともと自身の癇性の強さを伝えやすく、そこにサンデーのクロスは火に油。
本馬もそれに倣うかのように出遅れ・・・。
前走チューリップ賞では「それでも勝ちきるところに爆発力を感じますが、なんとも馬券的には買い辛いタイプです。」と考察したのですが、またもや出遅れながらも2着に追い込んできました。
やはり能力は高いので、女王を決める舞台で自慢の末脚がどこまで通用するのか楽しみです。
3枠6番ウォーターナビレラ
父シルバーステート 武豊
父シルバーステートは今年の新種牡馬でディープインパクト直仔。
現役時は5戦4勝。現役時はケガとの戦いで、4連勝した1600万下のあと再び屈腱炎を発症し、引退。
重賞勝ちは無かったものの主戦を務めた福永騎手がデビュー前から「ダービーを狙える」と絶賛していた程の能力の持ち主だった。
重厚なRobertoの血を内包するので、アメリカ型のスピードの血を配合することが良さそう。
本馬は母父にキングヘイロー(高松宮記念)との組み合わせでスピードを補完している。
このキングヘイローの父父Lyphardはディープインパクト配合で相性の良い血。
また本馬が持つBlusing Groomも同じくディープインパクトと相性の良い血。
こうして見ていくと種牡馬シルバーステートは他のディープ系種牡馬同様、父ディープと相性が良かった血をそのまま持ってくることで成功しやすいタイプと言えそうだ。
阪神JF時には「デビューから3連勝とまだ底を見せていないし、鞍上は天才武豊。ここを制して来年のクラシックの主役に躍り出れば盛り上がること必至。」と考察し、結果は3着と格好はつけた。
前走チューリップ賞時には「クラシックに向けて始動戦でどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみです。」と考察したのですが結果は5着。
ただし、直線しぶとく伸びている姿は見受けられたので、トライアルだったことを考えれば及第点は与えられるのではないでしょうか。
上積みを考えれば充分圏内にはいる存在です。
4枠7番サブライムアンセム
父ロードカナロア 岩田望
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
母パストフォリアはオープン馬。
母母ハッピーパスは京都牝馬S(G3)勝ち馬で3歳時には桜花賞にも出走した(4着)。
このような牝系にロードカナロアを配しているので当然距離は短めということになる。
デビューから1400~1600mを使われてきて、前走はフィリーズレビュー(G2・芝1400m)を差し切ってこの舞台に。
メンバーレベルが上がる中での1600mはちょっと厳しい印象です。
4枠8番スターズオンアース
父ドゥラメンテ 川田
母母スタセリタはフランス産馬でG1を6勝した名牝。
父ドゥラメンテはキンカメ×アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯)という超良血。
種牡馬として初年度からタイトルホルダー(菊花賞)を出したようにそのポテンシャルは高く、距離適性は同じキンカメ系のロードカナロアよりも長め。
牝馬はマイル前後が合う馬が多く、本馬もフェアリーS(G3)、クイーンC(G3)を連続2着。
3走前の赤松賞(1勝クラス)ではナミュールの3着になっており、この世代のモノサシ的存在と言えそうです。
5枠9番クロスマジェスティ
父ディーマジェスティ 武藤
母テンザンコノハナは現役時33戦4勝。
母母テンザンユタカは愛知杯(G3)勝ち馬で3歳時には桜花賞にも出走した(7着)。
父ディーマジェスティはディープインパクト産駒で種牡馬としてこの世代が初年度産駒。
ディープにRobertoの血なので配合はスピード型を取り入れることが良さそう。
本馬の母父カリズマティックStorm Bird系でディープインパクト配合に相性の良い血。
ディーマジェスティは先述した血統背景により中山の皐月賞を制覇。
前走アネモネS(L)を勝ったようにその適性は本馬にも受け継がれている。
そういう意味では舞台変わりはプラスとはならないか。
5枠10番ライラック
父オルフェーヴル 福永
父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。
母母ブルーリッジリバーは桜花賞2着。
父オルフェーヴル×母父キングカメハメハの組み合わせは、ショウリュウイクゾ(日経新春杯(G2))やタガノディアマンテ(万葉S(OP))と同じ。
ということで父譲りの中山適性で前走マイルのフェアリーS(G3)を勝ったが、本質的には長い距離が良さそう。
現段階ではマイルもこなしますが、舞台が阪神に変わる点はプラス評価とはなりません。
6枠11番ラブリイユアアイズ
父ロゴタイプ 坂井
母母アーヴェイはフラワーボウルS(アメリカG1・芝10F)勝ち馬。
父ロゴタイプは種牡馬としてこの世代が初年度産駒。
父系はヨーロッパ血統でありながら、サンデーサイレンスを持ってきたことでHaloのクロスができて日本向きのスピードを補完した。
母父ヴィクトワールピサもHaloのクロスを持つ。
ということで本馬はスピード力に富んでいるので、デビューは1200mからおろすことに。
距離延長のオープン競争も勝ち、重賞初挑戦となった京王杯2歳S(G2)では出遅れながら3着。
前走阪神JFでも2着に好走していますし、このタイプはなぜかいつも人気にならないので馬券的にはお買い得と言えます。
6枠12番ベルクレスタ
父ドゥラメンテ 吉田隼
母ベルアリュールIIはフランス重賞(芝1850m)勝ち馬。
半姉(父ステイゴールド)にヴィクトリアマイルを勝ったアドマイヤリードがいる。
父ドゥラメンテは日本を代表する主流血統で、父系は万能Kingmambo系。
アドマイヤリードがステイゴールドだったことを考えればこちらの方が仕上がりは早く、重賞でも2着3着と好走している。
G1阪神JFでも6着と頑張っていたし、何か1つのきっかけでG1でも馬券圏内に入着する力はあるでしょう。
7枠13番ラズベリームース
父ルーラーシップ 池添
父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。
母ワイルドラズベリーは秋華賞4着馬。
3代母マリスターⅡはアメリカG1・デルマーオークスで2着に入着。
牝系にサンデーサイレンスというのは非サンデー系の父とセオリー通りの配合。
また、ルーラーシップはキンカメ系種牡馬ということで名牝Specialの血を増強することで成功が高まる。
メールドグラース(オーストラリアG1・コーフィールドC)が代表的で、本馬と全く同じFairy Kingはテトラドラクマ(クイーンC(G3))やディアンドル(福島牝馬S(G3))を出している。
前走中山1600mのアネモネSで2着に入着し本番への切符を掴んだが、このような血統構成なので距離は延びてこそ。
オークスで見たい1頭です。
7枠14番プレサージュリフト
父ハービンジャー 戸崎
父ハービンジャーについてはこちらで解説しています。
母シュプリームギフトはオープン馬として短距離戦線で活躍した。
母母スーヴェニアギフトはアメリカ重賞(ダート6F)勝ち馬。
「父ハービンジャー×母サンデー+Nureyev」の組み合わせは、ペルシアンナイト(マイルCS)、やディアドラ(ナッソーS、秋華賞)といったG1馬を始め活躍馬多数の配合。
短距離の牝系に中距離のハービンジャーを配した形で今のところはマイルで走っている。
ハービンジャー産駒はまだクラシック馬を輩出していないが、本馬は母父ディープインパクト。
縁薄いハービンジャーの中では血統的希望はあります。
7枠15番アネゴハダ
父キズナ 幸
父キズナについての詳細はこちらをご覧下さい。
父キズナ×母父ウォーエンブレムの組み合わせはこれまで中央で7頭デビューし、4頭が勝ち上がりさらには3頭が複数勝ちを収めている相性が良い組み合わせ。
母母ウォートルベリーはフランス重賞(芝2000m)勝ち馬で、Blushing Groomの血を内包。
Blushing Groomの血はキズナの父ディープインパクトと相性が良い血でミッキークイーン等を輩出。
キズナは父ディープと相性が良い血との組み合わせで素直に成功する種牡馬なのでこの血を持つことはプラスに働いていると考えて良い。
ディープにパワーを足したキズナ産駒らしく、デビュー戦をダートで勝ち上がっていながら芝重賞でも好走しています。
阪神JFでは9着でしたが、その後自己条件を勝ち上がると前走フィリーズレビュー(G2)でも3着と頑張りました。
一線級が相手だと現状では1400mまでがベストでしょう。
8枠16番サークルオブライフ
父エピファネイア Mデムーロ
父エピファネイアについてはこちらをご覧下さい。
母シーブリーズライフはクロッカスS(OP・芝1400m)勝ち馬。
母父アドマイヤジャパンは現役時、皐月賞でディープインパクトの3着、菊花賞で同2着だった。
その父がサンデーサイレンスなので、エピファネイア産駒の活躍条件の1つであるサンデーのクロス3×4が成立している。
母母父がタイキシャトルでスピードはここから。
阪神JFの時に「前走のアルテミスS(G3)でマイル適性は実証済みだが、このような血統構成なので本質的にはもう1F伸びても大丈夫そうだ。」と考察し、見事2歳女王の座につきました。
前走チューリップ賞では「同条件のここももちろん中心視です。」と考察し、3着。
最低限のレースはできたと言えるでしょう。
2歳女王がトライアルでバチバチに仕上げていたとは到底考えられないので、本番のここは前走からの上昇必至です。
8枠17番フォラブリューテ
父エピファネイア ルメール
父エピファネイアについてはこちらで解説しています。
母ブルーメンブラットはマイルCS(G1)勝ち馬。
ということで父×母のキャロットクラブG1配合ということになる。
母父アドマイヤベガはサンデー直仔なので、エピファネイア配合の定番であるサンデーの3×4のクロスがある。
2走前のアルテミスS(G3)では不利がありながらの5着。
前走紅梅S(L)ではきっちりと差し切った。
1600mのアルテミスSは上述したように不利によるものだと判断しているので、距離が合わなかったということはないと思っています。
配合的にここで激走があってもおかしくはない存在です。
8枠18番ナミュール
父ハービンジャー 横山武
父ハービンジャーについてはこちらで解説しています。
母サンブルエミューズはフェアリーS(G3)3着で、3代母キョウエイマーチは桜花賞馬という牝系。
半兄(父ノヴェリスト)にオープン馬ヴェスターヴァルトがいる。
父ハービンジャー×母系フレンチデピュティ系の組み合わせは、ノームコア(香港C、ヴィクトリアマイル)やサトノアリシア(コスモス賞(OP・芝1800m))などが出ている。
そこに本馬の場合は母父ダイワメジャーなので、この時期のマイル適性はかなり高い。
前走チューリップ賞では「無敗で挑んだ前走の阪神JFでは1番人気に支持されながらも大きく出遅れたことが最後まで響いて4着。それでも上がり最速はやはり能力の高さの証明。
ゲート改善されているなら実力はやはり上位でしょう。」と考察し、見事1着。
ここは堂々と人気の中心で挑むことになりそうです。
ハービンジャー産駒として初のクラシック馬となるか注目です。
以上、全18頭血統考察でした。
血統表:(c)netkeiba.com
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2022.4.8 post
【血統評価】
S評価
④パーソナルハイ
⑥ウォーターナビレラ
⑯サークルオブライフ
A評価
①ナムラクレア
⑪ラブリイユアアイズ
⑭プレサージュリフト
⑰フォラブリューテ
2022.4.10 post