全頭血統考察

競馬予想まとめ【スプリンターズステークス(GⅠ)2022】の順位予想

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血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

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今週は秋G1の開幕戦、
スプリンターズステークス(中山芝1200m)が行われます。

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それでは、スプリンターズS参ります!

まずはみっちゃんよろしく!

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【スプリンターズS過去データ】

みっちゃん
はい!
スプリンターズSは過去10年のうち2014年は新潟での開催でした。
それを含む10年分のデータを紹介しますので、
皆さんの予想の参考になれば嬉しいです。

人気について

まずは人気ごとのデータ傾向から見ていきましょう。
1番人気の成績は勝率50%、複勝率70%と信頼できる成績となっています。
過去10年の勝ち馬は9頭が3番人気以内から出ていますね。
4番人気以下の成績はかなりバラつきがあります。
また、10年中6年で10番人気以下の馬が馬券になっています。
紐荒れも期待できるかもしれませんね。

枠について

次は枠番ごとのデータ傾向です。
枠番については、そこまで偏った傾向は出ていません。
年ごとに見てもあまり偏りは見られません。
これは、平場を含めた中山芝1200m全般にも共通する傾向です。
大まかには枠による評価を上げ下げする必要はなさそうです。
こういったときには、当日の馬場傾向の見極めと展開予想が大切になってきますね。

年齢について

次は年齢ごとのデータ傾向を見ていきましょう。
最も成績が良いのは4歳馬です。
牝馬に絞ると【1-2-3-6】となり、勝率こそ下がりますが複勝率は50%まであがります。
3歳馬はそこまで成績が良くないように見えますが、
過去には人気薄でも馬券になっていますのでそこまで心配は要らないと思っています。
7歳以上の場合、成績が低いので若干の割引は必要だと思います。

脚質について

脚質ごとのデータ傾向もチェックしておきましょう。
まずは逃げ馬の成績から見てみると、
複勝率は40%と悪くはありませんが、勝ち馬が出ていないのが気になります。
中山は最後の坂がきついので、後ろから来る馬につかまってしまうことが良く見られます。
一方で、中団から競馬をする馬が好成績を収めています。
最後の直線は短いですが、
前にいる馬が坂を超えてから差し切る展開になりやすいという傾向がでていますね。

騎手について

次は騎手ごとのデータ傾向を紹介します。
ルメール騎手、デムーロ騎手、川田騎手が好成績のスプリンターズSですが、
今年の出走はありません。
今年、出走予定の中で見ていくと、
岩田康誠騎手が連対率44%と得意としています。
今回タッグを組む安田隆行調教師はスプリンターズSで【2-2-2-6】の好成績を収めています。
しかも、岩田パパと安田調教師のコンビは【2-0-0-0】と勝率100%です。
ダイアトニックは人気薄想定ですし、狙ってみるのも面白いかもしれませんね。

前走について

最後に前走比較のデータを見ていきましょう。
クラスごとに見ると、馬券のシェア率が最も高いのが前走GⅡ組であり、
そのほとんどがセントウルS組の【6-5-2-43】です。
前走セントウルSで馬券になった馬は、
【5-4-0-14】で勝率22%、連対率39%と好調な傾向がでています。
また、好走率が最も高いのが前走GⅠ組になります。
特に安田記念からの出走馬は【2-1-0-6】となっていますが、
あちこちで言われている通り、
過去に馬券になった馬たちは1200mの経験があった馬たちです。
シュネルマイスターが強い馬なのは疑いようがありませんが、
慎重な判断が必要だと思っています。

以上、データでした!
競馬のみっちゃんねるでは毎週平場の推奨馬も出しています。

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【スプリンターズS血統傾向】

□非サンデーサイレンス系の台頭

2021年(良)
1、モーリス
2、ダイワメジャー
3、First Samurai

2020年(良)
1、ディープインパクト
2、ロードカナロア
3、ジャスタウェイ

2019年(良)
1、Raven’s Pass
2、Speightstown
3、ロードカナロア

2018年(稍)
1、アドマイヤムーン
2、ショウナンカンプ
3、スウェプトオーヴァーボード

2017年(良)
1、スウェプトオーヴァーボード
2、キングカメハメハ
3、アドマイヤムーン

2016年(良)
1、スウェプトオーヴァーボード
2、ディープインパクト
3、ダイワメジャー

現在の日本においては珍しく非サンデーサイレンス系種牡馬が好走しやすいレース。
過去6年でサンデーサイレンス系種牡馬が勝ったのは2020年のグランアレグリア(父ディープインパクト)のみ。

非サンデーサイレンス系種牡馬の成績は、5勝・2着4回・3着4回の計13頭が馬券圏内に入着しており、サンデー系を圧倒している。
また、そのうち父方にも母方にも全くサンデーの血を持たなかった馬は2勝・2着3回・3着3回の計8頭。
今年の出走想定馬の中からは、ヴェントヴォーチェ、シュネルマイスター、テイエムスパーダ、ファストフォース、マリアズハートが該当する。

【スプリンターズS全頭血統考察】

ヴェントヴォーチェ

父タートルボウル 西村淳

母ランウェイスナップは20戦2勝(地方)。
3代母にはアメリカ重賞(芝8.5F)勝ち馬のMasakeがいる牝系。
父タートルボウルはフランスG1・シャンプラ賞(芝1400m)勝ち馬。
自身はシャンプラ賞を勝っているものの産駒は中距離で活躍する馬が多い。(小倉大賞典のトリオンフなど)

前走キーンランドカップ時には「安定した成績でオープン勝ちまで進んできたが、重賞挑戦では7着、9着と壁に当たっている。ここいらで一度距離を1400m以上に伸ばしてみるのも良のではないだろうか。」と考察したのだが、優勝した。
結果的に2着3着も1400mや1600mといった長い距離での実績があった馬だったので、1200mよりも少し長めの距離までが守備範囲の馬に合うレースだったと推察する。

であれば、ここも字面の1200mよりも少し距離が延びても走れるような馬が好走しやすいレースなので期待は持てます。
鞍上がルメールからの乗り替りとなるのは不安ではあります。
が、西村騎手もこの馬で中山1200mのリステッド競争を勝っている実績はあります。

ウインマーベル

父アイルハヴアナザー 松山

母コスモマーベラスは現役時33戦7勝。
主な勝ち鞍はターコイズS(OP・芝1600m・2回)。
3代母にはアメリカG1・ガゼルH(ダート9F)勝ち馬のSingle Bladeがいる牝系。
父アイルハヴアナザーはアメリカの二冠馬。
三冠を期待されていたが、ベルモントS前に脚部不安を発症し叶わなかった。
血統はフォーティナイナー~Mr. Prospector(ネイティヴダンサー系)のライン。
種牡馬としてもダート適性を産駒によく伝え、勝ち鞍の比率はダート8:2芝
芝ではキレ味勝負になるような主要場所では分が悪く、小回り等ローカル場の方が良い。
母父フジキセキとの組み合わせはアナザートゥルース(G2・ダイオライト記念、G3・アンタレスS)やマイネルユキツバキ(L・仁川S)など確率が高い。

前走キーンランドカップ時では「北海道を走るのはデビュー当初以来となる。当時は結果を残すことはできなかったが、パワータイプなので血統的には苦手ではないはず。」と考察し、2着と好走した。
早めの競馬で勝ちにいく走りをしての結果で、初古馬戦を思えば強い競馬をしたと言えるでしょう。
次は初古馬G1ということでどこまでやれるかですが、ここでも好走するようならこの先が非常に楽しみな馬になってきます。

エイティーンガール

父ヨハネスブルグ 秋山真

父ヨハネスブルグは現役時、BCジュヴェナイル(アメリカG1・ダ8.5F)、ミドルパークS(イギリスG1・芝6F)、モルニ賞(フランスG1・芝1200m)、フィーニクスS(アイルランドG1・芝6F)と芝・ダートのG1を4勝。
現役引退後種牡馬入りすると、その後2010年に日本に輸入され2019年に引退。

父ヨハネスブルグ×母父アグネスタキオンの組み合わせは本馬の他にも福島2歳オープン(OP)を勝ったジャカランダシティやジュニアC(OP)を勝ったテンクウを始め、多数の複数勝ち馬を出しており勝ち上がり率も高い好相性の配合。
また、Woodmanの血はホウライアキコ(デイリー杯2歳S(G2)、小倉2歳S(G3))やタガノブルグ(橘S(OP))も持っておりニックス。
このように本馬は父配合における効果的な血を持っている。
ヨハネスブルグ産駒らしく洋芝が得意なので、通常の芝の場合は渋った方が良い。

高松宮記念時には「11月の京阪杯でも勝ったようにまだまだ活躍しているのですが、G1となるといつも足りない」と考察した通り8着。
そして前走キーンランドカップ時には「G3のここは足りますし、先述したように洋芝も歓迎。3年連続馬券内となるか注目です。」と考察したが、6着まで。
但しこれは終始外を回してのものでした。
さらに昨年の本レースは不利もあったので度外視で良いでしょう。
ということで人気の無いここは色気を持って見守りたいと思います。

ジャンダルム

父Kitten’s Joy 荻野極

母ビリーヴはスプリンターズSと高松宮記念勝ち馬。
父Kitten’s JoyはセクレタリアトS(芝10F)とターフクラシック招待S(芝12F)を勝ったアメリカの芝チャンピオン。
種牡馬としてもリーディングになったことがあるアメリカを代表する芝馬。
そんな父なので自身の特徴としては比較的距離の守備範囲は広め。

本馬は完成度の早さからデビュー時クラシックに歩を進めることこそできたものの、日本の主流血統が集う本番では見せ場が無かった。
その後、成長と共にスプリンターの母の色が濃くなってきて、スプリンターとして完成。
母はこの舞台(スプリンターズS・中山芝1200m)を勝っており、本馬も3走前のオーシャンS(G3・中山芝1200m)を制覇。
春の高松宮記念では11着大敗。
そこよりはここの方が先述したような実績もありますし、期待したいですが、前走北九州記念でも17着大敗。
状態がどこまで戻っているかしっかりと確認して馬券の取捨は決めたいです。

シュネルマイスター

父Kingman 横山武

母セリエンホルデはドイツ産馬でドイツオークス(ドイツG1・芝2200m)勝ち馬。
父Kingmanはイギリス、フランスの最高峰マイルG1を制した「キングオブマイラー」。日本種牡馬の王ディープインパクトが持つSir Ivorを持っており、さらにその相似の血であるDroneも持っていることから日本的な瞬発力が備わっている。
外国の種牡馬ゆえに日本でのサンプル数は少ないが、同世代でチューリップ賞(G2)を制したエリザベスタワーを輩出するなど成功確率は高い。
このエリザベスタワーとは母父にSadler’s Wellsを持つことが共通しており、またKrisの血をクロスしてスピードを増強していることも共通点。
これが現時点で日本におけるKingmanの成功配合と言える。

昨年NHKマイルC時で世代のマイル王の座に輝くと、古馬との初対戦となった昨年の安田記念でも3着。
その後、秋のマイルチャンピオンシップでも2着と世代を超えてマイル路線でトップの力があることを示しました。

前走安田記念では「明け4歳、初戦となったドバイでは8着でしたが、距離がマイルに戻ることと先述したように昨年3歳で3着に入着したことを思えば、ここも当然中心視です。」と考察し2着。
実力は申し分ないですが、血統的にはKingman産駒の適距離はやはりマイル~中距離ということになります。

ダイアトニック

父ロードカナロア 岩田康

父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。

父が非サンデー系で母にサンデー系を持ってくるという基本に忠実な配合。
そこへStorm Birdのクロスというスピードを増強させた形で父に似た短距離馬として完成している。

高松宮記念時には「この馬自身短距離重賞を3勝してG1・高松宮記念で3着と実績はこの中でも上位。昨年骨折明け11ヶ月ぶりに復帰すると、その後着実に力を取り戻してきました。体制が整って2年ぶりのこのレースということで楽しみは大きいです。」と考察したのですが、出遅れもあり14着。
前走安田記念時には「前走はまぁ度外視で良いとは思いますが、今回は距離延長の1600m戦。ベストは1200~1400mだと思うのでこの2F延長は歓迎ではないでしょう。」と考察した通り、14着。

ベスト距離に戻るここは巻き返し必至ですが、7歳でのG1ということでピークを過ぎているであろう中でどこまでやれるかというところがポイントです。

タイセイビジョン

父タートルボウル 福永

父タートルボウルはジャンプラ賞(仏G1・芝1400m)勝ち馬。
現役時代は強豪相手でも大きく崩れない堅実さがセールスポイントの馬だった。
引退後に種牡馬となり、2013年より日本に輸入された。
海外種牡馬時代にLucayan(フランス1000ギニー)とFrench Fifteen(クリテリヨム・アンテルナショナル)の2頭のG1馬を輩出している。
父タートルボウル×「サンデー+ノーザンテースト」を持つ母との組み合わせはアンデスクイーン(エンプレス杯(G2・ダート2100m))と同じで、Kingmamboを持つ点でも共通している。
また「サンデー+Nijinsky」を持つ母との組み合わせはトリオンフ(中山金杯、小倉記念、小倉大賞典)と同じ。
タートルボウルは非主流のヨーロッパ血統で構成されているので、このように主流血統を取り入れた配合が成功への近道となる。

昨年の本レースでは不利もあり、12着。
その後、戦歴を重ねて今年は春先からここまで3走連続2着(リステッド、G3、G3)。
もともと2歳時に朝日杯FS(G1)で2着と能力を示していた馬です。
5歳のここでもうひと成長したことが見て取れるので、トップジョッキーに乗ってもらえる今年、どこまで上位陣に食い込めるか注目したいです。

テイエムスパーダ

父レッドスパーダ 国分恭

母トシザコジーンは現役時、28戦3勝(条件馬)。
父レッドスパーダは京王杯スプリングC(G2・芝1400m)勝ち馬で、G1・NHKマイルC2着。
その父タイキシャトルの血統を受け継ぎ、産駒はマイル適性が高い馬が多い。
(適距離は2000mあたりまで)
本馬は母が芝1200~1400mとダート1400mの勝ち鞍なので、父との交配でスピードよりに適性が出ている。
前々走のCBC賞は48kgという軽ハンデを味方に逃げてレコードで初重賞制覇。
前走北九州記念はそこからハンデが51kgだったことと、荒れた馬場になっていたこともあり直線早々に交わされ、馬群に沈む結果に。

いずれにせよ小倉のような平坦コースでベストパフォーンスを出すが、こういう馬はほっとかれると穴を開けるので一定の注意は必要です。

トゥラヴェスーラ

父ドリームジャーニー 鮫島駿

3代母フィールディはアメリカの芝重賞(8F~9F)を4勝し、4代母Gramyはフランスの芝重賞(2150m、2500m)2勝という牝系。
父ドリームジャーニーは「ステイゴールド×メジロマックイーン」の黄金配合で、グランプリホース(有馬記念、宝塚記念)。
母父アドマイヤコジーンは安田記念勝ち馬で、高松宮記念とスプリンターズSで2着という1200~1600mで活躍した馬だった。
そんな父×母父の組み合わせで、本馬も1200~1600mで活躍しているので母父の影響が色濃く出ているとみるべきだろう。
ドリームジャーニーは成長力のあるステイゴールド系でアドマイヤコジーンが安田記念を制したのは6歳の時。
そんな配合通り本馬も明け7歳の今年、阪急杯で2着と好走。

前走高松宮記念時には「昨年の本レースでも4着に好走していますし、ここも楽しめそうです。馬場は重たい方がベターでしょう。」と考察し、枠のツキが無い中で再び4着と頑張りました。
血統的にここはステイゴールド系ですし、中山に変わるここもやれそうです。
やはり馬場は渋った方が良いですし、あとは高松宮記念からの叩きなしでのこのレースということで状態がどうかを判断していく必要があります。

ナムラクレア

父ミッキーアイル 浜中

3代母Coup de Genieはアメリカ産馬でフランスG1のモルニー賞(芝1200m)とサラマンドル賞(芝1400m)勝ち馬。
父ミッキーアイルはディープインパクト直仔でマイルCSとNHKマイルCの勝ち馬。
この世代が2年目産駒。初年度からメイケイエール(チューリップ賞)を出している。
このメイケイエールに代表されるようにサンデーサイレンスのクロスは成功パターンになりつつあるが、そのクロスを持つことで気性がかなり荒くなる可能性は高まる。
本馬はそのサンデーの父Haloのクロスなので気性はそこまでキツくない。

ディープ系種牡馬なので、ディープインパクトと相性が良い血との組み合わせで活躍馬を輩出する可能性が高い。
ただし、Storm Catは今のところ低調。今後巻き返してくると思っているが果たして?

阪神JF時には「マイル種牡馬にStorm Catなので本質的なベストは1400mまでになる可能性が高いが、この時期なら1600mもこなせるだろう。」と考察し5着。
桜花賞時には「前走フィリーズレビューで2着ですからやはり考察通りベストは1400mまでなのでしょう」と考察しましたが、3着と頑張りました。
そこから古馬との戦いで、函館SS(G3・芝1200m)で1着、北九州記念(G3・芝1200m)で3着。
古馬相手でもスプリントなら十分通用することが証明されたと言えます。
ここはG1で相手がさらに強化されますが、斤量は53kgと魅力があります。

ナランフレグ

父ゴールドアリュール 丸田

母母ビューティークロスは現役時芝短距離で4勝(条件馬)。
父ゴールドアリュール×母父ブライアンズタイムの組み合わせは、ダートG1を勝ちまくったエスポワールシチーと同じ。
このエスポワールシチーに代表されるように父ゴールドアリュールの産駒は9割以上がダートでの勝ち鞍による。
そんな中で本馬は珍しい芝馬で、これは先述した母系の適性が色濃く出ている為と思われる。

高松宮記念時には「6歳となった今年、重賞を3着2着と安定感が増してきました。その持ち味がこの最高峰の舞台でも発揮できるか注目です。」と考察し見事1着。
正直勝つまでの想像はできていなかったのですが、力が要る馬場になったこともこの馬にとって追い風となりました。

前走安田記念時には「血統からは1600mこなしても不思議はないのですが、1200mに特化して作られてきているのでそこがどうかですね。馬場が渋りそうなのは前走に引き続きプラスです。」と考察しましたが、9着。
結果的に馬場は回復したことと距離延長が向かなかったと捉えています。

今回再び距離短縮となりますから、春のスプリント王なだけに当然見直せます。
パンパンの良馬場でどれだけのパフォーマンスができるかでしょう。

ファストフォース

父ロードカナロア 団野

父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。

母ラッシュライフは函館2歳S(G3・芝1200m)とファンタジーS(G3・芝1400m)で2着。
半兄(父ディープインパクト)に新潟記念(G3・芝2000m)を勝ったアデイインザライフがいる。
本馬は父がロードカナロアに変わったということでロードカナロア×母父サクラバクシンオーという新旧スプリント王配合。
このような配合で本馬は素直にスプリンターに出た。

前走セントウルSでは2番手から進めて道中タメが作れたこともあり、2着に粘った。
血統的にはこの中山は合いそうに見えるのですが、昨年のこのレースとオーシャンSを見る限り、中山適性は決して高くありません。
そんな中で前走のような粘りができるかと言われれば疑問です。

マリアズハート

父シャンハイボビー 菊沢

母Maria's Danceはアメリカ産馬で、現役時15戦3勝(海外)。
現役引退後、アメリカで繁殖入り。
本馬は7番仔で日本に輸入された。
3代母にアメリカG1・レイディーズH(ダート10F)勝ち馬のDance Teacherがいる牝系。
父シャンハイボビーはアメリカ最優秀2歳牡馬(BCジュヴェナイル、シャンペンS)。
種牡馬としてアメリカで既に実績を挙げており、日本に輸入された。
日本に輸入されてからの初年度産駒は今年デビューの世代だが、本馬は先述したようにアメリカ産の輸入馬。
母がアメリカの血統ということで、本馬はデビュー戦をダートで勝ち上がった。
その後、芝の短距離で3歳のうちにオープン入りすると、5歳時、6歳時でそれぞれオープン特別を勝った(共に新潟芝1000m)。

ということで、ベスト条件は直千だが、その最高峰であるG3・アイビスSDで7着というのが現状の力。
ここで好走するのはなかなか厳しそう。

メイケイエール

父ミッキーアイル 池添

牝系は母シロインジャー、母母ユキチャン(関東オークス(G2))、母母母シラユキヒメという白毛一族。
ちなみにこのシラユキヒメの仔ブチコはソダシの母。
ディープインパクトのマイラー仕様であるミッキーアイルにさらにDanzig(デインヒル)をクロスさせて、よりスピードとパワーを補完した形。
これは本馬と同期のミニーアイルも同じ。
父配合の成功パターンの1つと言って良いだろう。
ちなみにこのミニーアイルも癇性が強い。
これはクロス過多により気性がドギツくなっている為であるが、それが爆発力に繋がっているという側面もある。

桜花賞の時に、「デビューして間もなくスプリント戦を使っていたように、気性のことを考えれば適性はそこにあるでしょう。」と考察した通り、スプリンターズSでは4着と前進しました。
高松宮記念時には「そこから同距離のシルクロードステークスで見事重賞4勝目となったのですが、やはり気性を思えば現状この距離が良いのでしょう。重賞をこれだけ積み上げた馬ですから、あと欲しいのはG1のタイトルだけです。」と考察しましたが、出遅れて5着まで。

そこから京王杯スプリングC(G2・芝1400m)、前走セントウルS(G2・1200m)を危なげなく勝利。
特に前走はレコードのおまけつきで、暴走娘もついに大人の女性へと成長した。
血統的にプラスとなる後押しはありませんが、心身が充実した今、G1を獲るチャンスがこれまでで最も近い位置にあると思っています。

メイショウミモザ

父ハーツクライ 丹内

父ハーツクライについてはこちらで解説しています。

母メイショウベルーガはG2京都大賞典とG2日経新春杯を買った女傑。
半兄メイショウテンゲンは弥生賞(G2)勝ち馬。
父ハーツクライに母方にSpecial牝系の血を持つ組み合わせは、ヌーヴォレコルト(オークス)、リスグラシュー(有馬記念、宝塚記念)、シュヴァルグラン(ジャパンC)、アドマイヤラクティ(オーストラリアG1・コーフィールドC)など大物輩出配合。
晩成型のハーツクライ産駒らしく、5歳になった3今年オープン入りすると3走前の阪神牝馬S(G2)で重賞初制覇。

ヴィクトリアマイル時には「充実期に入った今、一気の頂点獲りに期待したいが、高速馬場の東京マイルでは分が悪いので馬場が渋ってこそ。」と考察した通り18着大敗。
そして前走キーンランドカップでは「そういう意味では前走洋芝のクイーンSは良かったのですが、1F延長の距離がマイナスとなった今回は距離短縮ですから狙いは立ちますし、意外とこの舞台のハーツクライ産駒の成績が良いこともプラスに評価できます。」と考察しましたが、12着大敗。
今度は短かったということでしょう。
そこからのこの最高峰の舞台で前進が見込めるかと言うと、余程の一変が無いと厳しいと思います。

ラヴィングアンサー

父ダイワメジャー 菱田

母ラブレターは現役時17戦1勝(条件馬)。
3代母にはアメリカ産馬でイタリア重賞(芝1200m)勝ち馬のProskonaがいる牝系。
父ダイワメジャー×母父デインヒル系の組み合わせは阪神JFを勝ったレシステンシアと同じ。さらにNijinskyを持つところまで似通う。
母父ロックオブジブラルタルとの配合はダービー卿チャレンジ(G3・中山芝1600m)を勝ったロジチャリスと同じ。
このような配合なので中山は合うのだが、現状では重賞の壁に何度も跳ね返されています。
ダイワメジャーの8歳なので旬が過ぎた印象も否めません。

血統表:(c)netkeiba.com

以上となります。

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それでは今週もエンジョイ競馬よろしくです(^^ゞ

2021.9.30 post

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YRA@血統調査員

少しでも役立つ競馬情報を。2011年~2016年までの5年間、北海道を拠点に毎日馬のお勉強に明け暮れていました。 2023年から再び拠点を北海道に移し、血統調査員として執筆活動に邁進中! 夢は雑誌で連載すること!

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