血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
チャンピオンコース、東京競馬場。
今年も最強の座を狙う18頭が芝2400mを走ります。
令和三冠馬が引退の花道を飾るのか
それとも世代交代か
はたまた海外からの刺客か
世界戦・日本ラウンドを制するのは果たしてどの馬でしょうか。
血統傾向については先日こちらで述べました。
目次
それではジャパンカップの全頭血統考察スタート!
【ジャパンカップ(GⅠ)】
1枠1番ムイトオブリガード
父ルーラーシップ 柴田善
母ピサノグラフは現役時29戦4勝(条件馬)。
母母はマイルチャンピオンシップ(G1)を勝ったシンコウラブリイ。
父ルーラーシップについてはこちらの記事をご覧下さい。
ここでも述べたように成功配合例のほとんどが母父サンデーサイレンス系との組み合わせ。
現在産駒唯一のG1馬はキセキ(菊花賞)でその母父ディープインパクトはサンデーサイレンス系後継種牡馬の代表格。
またダンビュライト(京都記念(G2))とメールドグラース(小倉記念(G3))は母父サンデーサイレンスで本馬と同じ。
尚、上記3頭とも母母系にノーザンダンサーが入るという点が共通事項。
「サンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系」を持つ母との配合が成功への近道であり、この点は本馬の血統構成と合致する。
このようにルーラーシップ産駒の成功配合パターンを押さえていることは好感。
前走天皇賞・秋の時には「だからこそ東京ならもっと長い距離が良い。」と言ったように2000mでは10着だった。
そこからの距離延長なので前走よりは本馬なりパフォーマンスを上げることができそう。
その上でこのメンバー構成と力の対比をしていくわけだが・・・
なかなか厳しい戦いになりそうですね。
1枠2番コントレイル
父ディープインパクト 福永
ディープインパクトと母父Unbridled系との組み合わせはニックス。
ダノンバラード(AJCC(G2)中山芝2200)、ダコール(新潟大賞典(G3)芝2000)らがいる。
また、本馬と全く同じとなる父ディープインパクト×母父Uubridled’s Songの組み合わせは、朝日杯フューチャリティーステークス(G1)を制したダノンプラチナがいる。
母母Folkloreはアメリカでブライダーズカップジュベナイルフィリーズとメイトロンステークスという短距離ダートのG1を制している。
母系がマイラーorスプリンターであることはディープインパクト配合において早期始動するためのセオリー。
Storm Catはキズナに代表されるようにもはや説明不要のスーパーニックス。
先述したUnbridledと合わせて「アンディープキャット!」と言います。
↑詳しくはこちらから↑
令和新時代を代表する三冠馬となった本馬もついにこのレースでターフを去ります。
寂しいですね。最後に勝利で花道を飾って欲しいと願っています。
↓コントレイルについてはこちらの記事にも書いたので是非読んで下さい。
2枠3番ブルーム
父Australia ムーア
全弟Point Lonsdaleも既に重賞を勝っている相性の良い配合。
本馬は今年重馬場で行われたサンクルー大賞(G1)を制している。
父Australiaはイギリスダービー馬で血統はGalileo~Sadler’s Wells~ノーザンダンサー系のライン。
Galileoはイギリス・アイルランドのリーディングサイアーで、日本で言うところのディープインパクト的存在。
ヨーロッパで適性を抜群に示しているような血統は日本で走る際には大きな足かせとなる。
これはヨーロッパの馬場と日本の馬場が大きく異なり、求められる適性が異なる為です。
このレースに同じく出走するジャパンも本馬と同じ名伯楽オブライエンの厩舎。
Sadler’s WellsにDanzigという組み合わせは2頭とも同じだが、本馬はこれにNijinskyとBlushing Groomという日本に馴染みがある血統を持っている。
日本での適性を考えれば、2頭出しの中ではこちらに分がありそう。
2枠4番シャフリヤール
父ディープインパクト 川田
母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント(アメリカG1・ダ7F)の勝ち馬。
全兄にアルアイン(皐月賞、大阪杯)とオープン馬ダノンマジェスティがいる。
父ディープインパクトにスプリンターの母の配合は早期始動の為のセオリー。
ダービー前の毎日杯で速い時計への対応力が可能であることを充分に示しました。
ダービー時には、「速い時計を出した次走というのは得てして反動から凡走しがちですが、皐月賞をパスして来たことは好感です。
この中間で成長した姿が見られるようだと皐月賞上位組への逆転もあり得るでしょう。」
と述べていたのですが、見事世代の頂点に立ちました。
秋の始動戦となった前走神戸新聞杯は不良馬場に泣き4着。
ディープ産駒ですし、この結果は致し方ないところです。
パンパンの良馬場での東京芝2400mなら当然巻き返しに期待。
3枠5番キセキ
父ルーラーシップ 和田竜
↓ルーラーシップについてはこちら
父はキンカメ系の非サンデーなのでサンデー系牝馬との配合が中心となる。
その中で本馬はサンデー系の大将格ディープインパクトとの組み合わせ。
なかなか勝ちきれなかった父にディープの決め手をプラスした形だ。
もちろんピークは過ぎていますが、G1でも掲示板にはのってくるし、前走京都大賞典(G2)では3着とまだまだ力はあります。
但し、競走馬として完成された今は、時計勝負はちと辛い血統です。
父ルーラーシップなので東京は合うので時計がかかる馬場になれば追い風。
3枠6番グランドグローリー
父Olympic Glory Cデムーロ
現在日本で活躍している海外種牡馬のFrankelとKingmanはともにDanzigの血を持つという共通点がある。
日本の主流血統サンデーが入らない中で、日本の高速馬場に対応する為にこのDanzigのスピードを活かすようなスピード血統を重ねていることも共通点。
本馬の父Olympic-Gloryはフランスの1400m~1600mG1を4勝したスピード馬で系統はDanzig系。
母父Daylamiは芝の1600m~2400mまでのG1を7勝。系統はMill Reef~Never Bendのヨーロッパスタミナ血統。
そのクロスがあるのでタフさは一級品で本馬はフランスのG1ジャンロマネ賞(芝2000m)を制していて、その他にもタフな馬場で良績を残している。
ヨーロッパのタフ馬場での適性と日本の高速馬場では求められる能力は逆方向。
多少雨が降ったとしてもヨーロッパに置き換えた時には良馬場レベルの時計となるだろうからなかなか日本での好走イメージが湧きにくい。
4枠7番オーソリティ
父オルフェーヴル ルメール
↓父オルフェーヴルについてはこちら
母ロザリンドは現役時未勝利だが、その母は名牝シーザリオでファミリーには一流馬がズラリ。全兄はエピファネイアである。
父オルフェーヴル×母父シンボリクリスエスは、本馬の他にオープン馬エスポワールやプリンシパルS(L)で2着に入ったエングレーバーも同じ父と高確率な組み合わせ。
またSadler’s Wellsの血は先述したエスポワールや父の代表産駒ラッキーライラックという上級馬に共通する好相性な血であるので本馬も大物になる血統的素地はある。
青葉賞やアルゼンチン共和国を勝っているように広い東京が合っている。
昨年はアルゼンチン共和国杯を勝った後、有馬記念(14着)に進んだが今年はここジャパンカップへ。
適性を考えればこの選択は賢明と言えるだろう。
4枠8番ウインドジャマー
父スピルバーグ 北村宏
父スピルバーグはディープインパクト×母アメリカ型の配合馬。
Lyphardのクロスはディープ配合の成功パターンの1つで、そこにMr.Prospecotを持つという血統背景。
本馬の母もアメリカ血統で父アフリートはMr. Prospecot直仔。
よってMr. Prospectorのクロスが成立してダート色が強くなっている。
芝での勝ち鞍が無い中でここに出てきたということで何とも評価のしようがないというのが素直な感想です。
5枠9番アリストテレス
父エピファネイア 横山武
↓エピファネイアについてはこちら
エピファネイアはサンデーを持っていながらサンデー系牝馬との配合が可能。
日本の種牡馬2大巨頭であるディープインパクト系ともキングカメハメハ系とも交配が可能なことがエピファネイアの種牡馬としての最大のセールスポイントである。
本馬は母父ディープインパクトとの配合パターン。
現時点では三冠牝馬デアリングタクトのように母父キングカメハメハとの交配が黄金配合だが、母父ディープインパクトとの配合でも本馬を筆頭に、昨年末のホープフルステークス(G1)で2着となったオーソクレースなど活躍馬も出始めている。
共通点として「Sadler’s Wellsのクロス」が挙げられるので、母父ディープインパクトとの配合時には注目しておきたいポイント。
父エピファネイアも母父ディープインパクトもジャパンカップ勝ち馬。
さらに母母にあるトニービンは東京コースと相性◎の血。
ここで好走する血統的要素は盛りだくさんだ。
5枠10番ロードマイウェイ
父ジャスタウェイ 三浦
3代母シンコウラブリイはマイルチャンピオンシップ(G1)を含む重賞を6勝した名牝。
父ジャスタウェイはハーツクライの直仔で母父ジャングルポケットと同じくトニービンの血を内包する。
血統傾向の記事でこのレースはトニービンの血が良いと書いたが、本馬はそのクロスを持つということになる。
3歳時に5連勝で重賞を制した時の連勝街道は東京からだった。
父系からは奥がありそうな血統なので、ここら辺でもうひと成長あっても良さそうなのだが・・・
6枠11番シャドウディーヴァ
父ハーツクライ 横山典
↓父ハーツクライについてはこちら
母ダイヤモンドディーバはアメリカ重賞(芝8F)勝ち馬。
父ハーツクライ×母系にDanzigの組み合わせは父の近年のトレンドで、早期始動ができる配合。
本馬も3歳時にフローラS2着からオークス(6着)に駒を進めていたが、父産駒らしくやはり年齢の成長と共に力をつけてきた。
東京が得意なところもやはりトニービンによるもの。あとは一線級の牡馬たち相手にどこまで立ち回れるか。
6枠12番サンレイポケット
父ジャングルポケット 鮫島駿
3代母にオープン馬アドマイヤラピスがいる牝系。
父ジャングルポケットは日本ダービーとジャパンカップを勝った東京巧者。
これはその父トニービンの影響がそのまま出ている形。
本馬もその父の影響を受け継ぎ、東京は得意で昨年の毎日王冠で3着。
今年も6着とまずまずの成績から前走天皇賞・秋では3強に次ぐ4着と好走。
ここも前走同様相手が強いが、相性が良い血統背景を武器に上位陣に食い込みたい。
7枠13番モズベッロ
父ディープブリランテ 池添
母ハーランズルビーはアメリカ産馬で、アルシバイアディーズS(アメリカG1・ダート8.5F)勝ち馬。
ディープインパクトのニックスStorm Catをディープブリランテの配合にそのまま当てはめた形。
また「ターントゥ系+ミスタープロスペクターを持つ肌馬」は父と相性が良く、同じディープブリランテ産駒として重賞勝ち(中山金杯(G3)、ラジオNIKKEI賞(G3))を収めているセダブリランテスも同じパターン。
ディープブリランテはディープインパクトにNever Bendという配合なので、重馬場も走れるディープ系。
重馬場で開催された春の大阪杯は豪華メンバーを相手に2着。
その後は良馬場で行われたレースへの出走が続いている為、出番はなし。
適性がハッキリとしているタイプなので陣営は「今度こそ雨よ降れ。」と祈っていることでしょう。
7枠14番ユーバーレーベン
Mデムーロ 父ゴールドシップ
母母にフラワーC(G3・芝1800m)を勝ったマイネヌーヴェルがいる牝系。
父ゴールドシップはステイゴールドの直仔でサンデーサイレンス系の長距離砲。
オークス時に「血統背景から距離延長は望むところ」と考察し、秋華賞時には「距離短縮は気がかり」と述べたようにやはりこの血統は長い距離でこそ。
ここは再度距離延長となる点はプラスに働きそう。
但し、メンバー的にも馬場的にも速い時計での決着が求められでそこに一抹の不安がある。
時計がかかる状況を願いたいところだ。
7枠15番マカヒキ
父ディープインパクト 藤岡康
父ディープインパクト×母父フレンチデピュティは本馬の他にショウナンパンドラ(ジャパンカップ、秋華賞)も同じで他にも活躍馬多数の成功配合。
5年前のダービー馬も種牡馬の需要がなくてもう8歳。G1戦線の生き字引的存在。
何度も言っているように、この配合は年をとって硬くなるけん渋った馬場の方がよくなる。
前走京都大賞典は渋った馬場では無かったが、道中の時計の推移が速く最後はバテ比べレースとなった。
そこが本馬に向いたことは否めないだろう。
今回のレースは時計の出るスピード競馬となることが予想される。
5年前のダービー馬にはさすがに厳しい戦いとなりそう。
8枠16番ユーキャンスマイル
父キングカメハメハ 藤岡佑
母ムードインディゴは府中牝馬ステークス(G3)勝ち馬。
G1でも2着に入った実績を持つ(秋華賞)。
「父キングカメハメハ×母父ダンスインザダーク」という組み合わせは、
天皇賞(秋)と宝塚記念を制したラブリーデイが同じ。
また、朝日チャレンジカップ(G3)等、重賞3勝を上げたショウリュウムーンも同じ組み合わせである。
万能キンカメに長距離ダンスインザダークが色濃く出たことで長距離砲になっている。
前走天皇賞・秋の時には「実績からもここは距離が短いです」と述べた通り、9着に終わった。
そこから距離延長というのはプラスに働くが、舞台的に東京は他にスピード決着に自信があるメンバーが多いこの中では、なかなか積極的に推せる材料はない。
8枠17番ワグネリアン
父ディープインパクト 戸崎
母母ブロードアピールは芝ではシルクロードS(G3・芝1200m)を制して、ダートでは根岸S(G3・ダ1200m)などを制した。
ディープにスピードの牝系を持ってくるという成功配合パターン。
父ディープインパクト×母父キングカメハメハの組み合わせはジャパンカップ2着のデニムアンドルビー(フローラS(G2))が同じ。
3歳時にダービーを勝ち4歳時に本レースで3着と東京2400mの実績は申し分ない。
但し、6歳ということでピークは過ぎており、今更成長力を求めるのも酷な話。
本当は早めに種牡馬入りして第2の馬生を歩んで欲しいのだが、ディープもキンカメも持つ血統背景ということでなかなか種牡馬としての需要が難しい立ち位置にいる。
8枠18番ジャパン
父Galileo 武豊
パリ大賞とインターナショナルSという2つのG1を制している。
尚、全弟のMogulもパリ大賞を制している。
父GalileoはSadler’s Wells~ノーザンダンサー系のライン。
イギリス・アイルランドのリーディンサイアーで、日本でいうディープインパクト的種牡馬。
日本におけるSadler’s Wellsの血はサンデー系との組み合わせで大物を輩出するポイントの血であるが、父に直接的に入ってくると重くなりがちで成功確率が高いとは言えない。
ヨーロッパと日本では馬場の違いから求められる適性が大きく異なる為、ヨーロッパで大きく成功したような血は日本では逆に足かせとなってしまうのです。
(もちろん逆もその然りです。)
今週の東京は雨の心配も無さそうで、時計が早くなりそうなパンパンの良馬場開催が濃厚。
名前から何とかここで推せるような理由を見つけたかったのですが、血統的にはなかなか推し材料を見つけることができなかったのが本音です。
以上、出走馬全18頭の血統考察でした。
2021.11.26 post
【本命確定!】
YRA 今週はジャパンカップ!
秋の大一番やね、みっちゃん。
みっちゃん うん(・∀・)
ドキドキワクワク!
YRA 豪華メンバーで、馬券選ぶのも大変やけどね(笑)
みっちゃん まずはサンレイポケット。
前走天皇賞・秋で4着だし、意外と距離延びた方が良い気がするんだよね。
YRA 東京得意なジャングルポケット。血統的魅力は高いよね。
みっちゃん 次はキセキ。
このレースで2着の実績あるし、折り合いついて気持ちよく逃げたらワンチャンありそう。
YRA ルーラーシップ産駒は、距離が長い東京は確かに合うけど・・・。
その実績は3年前よ(苦笑)
馬が完成した今、ちょっと高速決着への対応は厳しい気がする。
みっちゃん 厳しいとは思うけど、明確な逃げ馬がわかんないからマークしときたいんだよ(・∀・)
そして本命なんだけど。
YRA コントレイルでしょ?
みっちゃん と思うじゃん?
違います!オーソリティです!
「左回り得意」「東京得意」「調教も良い」
これはもう来るよ!
YRA なんといっても騎手ルメールじゃしね!
みっちゃん そういうこと(・∀・)
Yちゃんは??
YRA わしはもちろんコントレイルが本命!
先週のグランアレグリア同様、勝って引退の花道を飾るよ(^_^)v
みっちゃん それが一番カッコ良い終わり方だよね。
YRA あとは同じディープインパクト産駒で今年のダービー馬、シャフリヤールももちろん期待。
前走の負けは、馬場がディープインパクトには合わんかったけん度外視で良い。
東京2400mの良馬場なら力出せるよ。
みっちゃん エフフォーリアに勝った馬だもんね。
YRA あとはシャドウディーヴァに注目。
成長力があるハーツクライ産駒で、前走府中牝馬ステークスを勝ったように東京合う。
距離延長も良いと思うしね!
みっちゃん 人気も無いし楽しみだ(・∀・)
YRA うん!
でもまぁコントレイルが無事に勝って、引退式を見ることが一番の願いです(^_^)v
ジャパンカップ
わし◎コントレイル
みっちゃん◎オーソリティ
2021.11.28 post
https://twitcasting.tv/c:yra_uma?r3352
↑是非ツイキャスもあわせて聞いて下さい↑