全頭血統考察

競馬血統まとめ【天皇賞・春(GⅠ)2023】の順位予想

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YRA
血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

今週は長距離王決定戦!
伝統の天皇賞春が開催されます!
しっかり予想していきましょう。

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天皇賞(春)血統傾向

□ディープインパクト圧倒

2022年(稍)阪神
1、ドゥラメンテ
2、キズナ
3、リオンディーズ

2021年(良)阪神
1、ディープインパクト
2、キズナ
3、ディープインパクト

2020年(良)
1、ディープインパクト
2、ステイゴールド
3、トーセンホマレボシ(ディープインパクト直仔)

2019年(良)
1、ディープインパクト
2、ディープインパクト
3、ステイゴールド

2018年(良)
1、ステイゴールド
2、ハーツクライ
3、ディープスカイ

このレースは京都競馬場改修工事により
ここ2年は阪神で開催されていました。
2021年はディープインパクト産駒のワールドプレミアが優勝し、同じく3着カレンブーケドールもディープインパクトの産駒でした。
この年2着だったディープボンドはディープインパクト直仔のキズナの産駒でした。
そのディープボンドは昨年2022年でも2着ということで、傾向からすればディープインパクト系が強いという構図でした。
尚、ディープボンドは今年も出走を予定しています。

それ以前の京都開催だった3年(2020~2018年)を見てみると、2020年、2019年と連覇したのがディープインパクト産駒であるフィエールマン。
2019年2着のグローリーヴェイズもディープインパクトの産駒で、2020年3着になったミッキースワローのお父さんはトーセンホマレボシ。
このトーセンホマレボシもディープインパクト直仔ということで、天皇賞春は阪神開催京都開催に関わらず、とにかくディープインパクトが強いレースということがわかります。

今年の出走馬でディープインパクト産駒は、
アスクビクターモア
ジャスティンパレス
ディープモンスター
ディアスティマ
トーセンカンビーナ

この5頭となります。
以上血統についてでした。

天皇賞(春)全頭血統解説

それではここからは全頭解説スタートです!

1枠1番ジャスティンパレス

父ディープインパクト ルメール


母パレスルーマーはアメリカ産馬で、繁殖としてアメリカでPalace Malice(ベルモントS、メトロポリタンHとG1を2勝)を輩出した後、日本に輸入された。
日本ではオルフェーヴルとの間にオープン馬アイアンバローズを輩出している。
本馬はそこから父がディープインパクトに変わって、早期始動が可能となった。

2歳のホープフルSを2着と好走した後、クラシック戦線へ。
皐月賞、ダービーではともに9着でした。
母系にRobertoを内包しておりスタミナが補完されていて、菊花賞では3着。
戦前の距離が長いとの評価を蹴散らしました。大外枠をカバーする為の積極策も功を奏しましたね。
その後暮れの有馬記念では7着。まだ完成していない中での結果ですから悲観する必要は無かったと考えています。

前走阪神大賞典では「今年初戦ですが、ここは菊花賞(3着)と同じ舞台。血統的にももちろんプラス評価です。」と考察し、見事優勝。
天皇賞春のディープインパクト産駒ということでここも血統的には最上位の評価をします。

1枠2番ディープモンスター

父ディープインパクト 浜中


母シスタリーラヴはアメリカ産馬。現役時16戦7勝(海外)
主な勝鞍はダブルドッグデアS(G3・ダ1700m)とオリタリオメイトロンS(G3・AW1700m)
繁殖としてデビュー済み産駒は2頭。
いずれもディープインパクトと交配されており、初仔は中央未勝利(地方2勝)。
1つ上の全兄は新馬勝ちした後、毎日杯(G3)で3着に入着している。
母の最期のディープ産駒としてここで大物を輩出したいところ。

父ディープインパクトとDanzig系の組み合わせはサトノアレス(朝日杯FS)、ミッキーアイル(NHKマイルC、マイルチャンピオンS)、ダノンプレミアム(朝日杯FS)という上級マイラーを生み出す配合。

ただし、本馬は中距離として完成しています。
このあたりは母父Bellamy Roadが中距離馬だったのでそちらが強く出ていると見るべきでしょう。
そのため、前走金鯱賞(5着)では評価をさせて貰いましたが、ここは長いと思います。
プラス材料は相性の良いディープインパクト産駒であるという点です。

2枠3番タイトルホルダー

父ドゥラメンテ 横山和


母メーヴェは現役時、22戦5勝。
主な勝鞍は、丹頂ステークス(OP、札幌芝・2600m)。
繁殖としてもオープン馬の半姉メロディーレーン(父オルフェーヴル)を輩出しているので、繁殖力はかなり高い水準にあると言える。

キングカメハメハ系産駒のG1馬になるような成功配合パターンは、「母方にサンデーサイレンス+名牝Specialを持つ種牡馬が入っている」という共通点があり、本馬の場合、母父がSadler’s Wells系なのでこの条件に合致。

現在G1を3勝。
このレースは昨年制しているので連覇がかかっています。
しかし舞台は京都となるのでスピードの傾向が強まる可能性があることはマイナスです。
但し、雨が降りそうなので稍重以上となれば連覇の可能性はいっきに高まりそうです。

2枠4番メロディーレーン

父オルフェーヴル 幸


父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。

母メーヴェはJRA5勝、芝2600の丹頂Sに勝ったオープン馬。
半弟に菊花賞と天皇賞(春)と宝塚記念を勝ったタイトルホルダー(父ドゥラメンテ)。
母系が、スタミナ色が強い重厚な欧州血統で、そこにオルフェーヴル。
こんな小柄で長距離を走れるのはこういう血統背景によるもの。

血統通り、好走距離レンジは長距離でこの舞台はプラス。
但し、7歳の牝馬ですからね、G1で多くを求めるのはさすがに酷です。

3枠5番アイアンバローズ

父オルフェーヴル 坂井


父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。

母パレスルーマーはアメリカ産馬で現役時は16戦5勝(海外)。
繁殖としてアメリカでG1を2勝したPalace Maliceを輩出。
日本でも勝ち上がり率が高く繁殖力は高い。
半弟(父ディープインパクト)ジャスティンパレスはホープフルS(G1)2着。
父オルフェーヴルにRobertoを持ってくる配合パターンはオーソリティ(G2・青葉賞)、ソーヴァリアント(G3・チャレンジC)、アンドラステ(G3・中京記念)と同じ。

父オルフェーヴルの産駒はサンデー系の晩成型種牡馬で、本馬も4歳でオープン入りを果たすと5歳になった昨年、阪神大賞典(G2)で2着→天皇賞春で5着と好走。
6歳となった今年もまだまだ老け込む歳ではないのですが、成績は下降線を辿っています。

但し前走の阪神大賞典(7着)では騎手の小坊主が抑え過ぎてしまったことによるところも大きいです。騎手変わりはプラスとなるでしょう。

3枠6番アスクビクターモア

父ディープインパクト 横山武


母カルティカはフランス重賞(芝2100m)で3着に入着。
日本に輸入される前の産駒にイギリスG1コロネーションS(芝約7F)とフランスG1・ロートシルト賞(芝1600m)を勝ったQemah(ケマー)を出している。

母父にあるBlushing Groomは、ディープインパクト配合において相性が良い血で、オークスと秋華賞を勝ったミッキークイーン、ダービー馬のマカヒキ、フランス1000ギニーを勝ったBeauty Parlour等、国内外に多数いる活躍馬と同じ。

昨春のクラシックでは皐月賞5着、ダービーで3着。
そして皐月賞馬もダービー馬も不在となった菊花賞ではきっちりと勝ちきり最後の一冠を手にしました。

今年の始動戦となった日経賞では、ゲートに突進してしまい出遅れたことと、不良馬場に泣き9着。
これは馬場適性なので度外視で良いです。
血統的にディープインパクトなので、従来通りの京都のままであればここは合います。
馬場は稍重までで走らせてあげたいところです。

4枠7番ディープボンド

父キズナ 和田竜


母ゼフィランサスは現役時3勝(条件馬)。
父キズナの父であるディープインパクトと相性が良いLyphardをクロスさせており、前受けで粘り強く走るのはその影響によるもの。
母方にNijinskyは、G3フェアリーS(中山芝1600m)を制して桜花賞3着、秋華賞2着に入着したファインルージュと同じで、キズナ産駒の走る配合パターン。

昨年は阪神大賞典を勝って、天皇賞(春)で2着、宝塚記念で4着と安定感が光った。
秋の凱旋門賞では日本馬には厳しい馬場に泣き18着。
その後有馬記念に挑みましたが、輸送トラブルもあり万全の状態ではありませんでした(8着)

前走阪神大賞典では「態勢さえ整っていれば、ここは当然巻き返し必死です。」と考察し5着。
状態は上がっていましたね。ペースが遅かったことで持ち味を出せなかった部分があるので、ペースが早くなる本番のここは前走よりも走りやすくなりそうです。

4枠8番トーセンカンビーナ

父ディープインパクト 岩田望


母カンビーナはアメリカンオークス(アメリカG1)勝ち馬。
ディープインパクトにアメリカ型の血を持ってくるというのは典型的な成功配合パターン。

昨年のこのレースでは「このレースに相性の良いディープインパクト産駒で唯一の出走ということで期待をかけたくなるところが、充実期だった4歳時に阪神大賞典で2着。そこから2年経ち今は6歳。正直さらなる上積みは求め辛い血統です。」と考察した通り10着。
今年はそこからさらに1つ歳を取り、7歳。
そして鞍上は小坊主くん。厳しいでしょう。

5枠9番ヒュミドール

父オルフェーヴル 武豊


父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。

母母に桜花賞馬キストゥヘヴンがいる牝系。
ノーザンテーストのクロスを持つ父オルフェーヴルにさらに母系にノーザンテーストを重ねており、さらにサンデーサイレンスの3×3クロスというなかなか挑戦的な配合。
クロス過多により気性難があり、3歳時に虚勢された。
能力は水準以上でその後はオープンまで出世。
重賞でも割と堅実に走っており、福島記念(G3)と小倉記念(G3)で2着とするなど、重賞制覇まであと一歩のところまで迫っている。

距離延長となった前走ダイヤモンドS(G3・芝3400m)では2着と好走。
G1では力が足りないように思いますが、距離不問で頑張る優等生で鞍上は平成の盾男武豊。
人気が無いので一発狙うのはアリだと思います。

5枠10番サンレイポケット

父ジャングルポケット Mデムーロ


3代母にオープン馬アドマイヤラピスがいる牝系。
父ジャングルポケットは日本ダービーとジャパンカップを勝った東京巧者。
これはその父トニービンの影響がそのまま出ている形。
本馬もその父の影響を受け継ぎ、東京は得意で天皇賞・秋、ジャパンカップを共に4着と好走。

前走阪神大賞典では「8歳ですし、さすがに力が衰えていると言わざるを得ません。今回初の長距離戦ですが、とくにプラス材料はありません。」と考察し6着。
これは頑張ったと言えます。
歳を取ってもどんな条件でも頑張る馬ですね。
ただやはり評価としてはやはりここはベスト条件とは思えません。

6枠11番ディアスティマ

父ディープインパクト 北村友


母スウィートリーズンはエイコーンS(米G1・ダ8F)など北米G1を3勝。
ディープインパクト×ダートマイラーとの配合は〇
ディープにBlushing Groomはマカヒキ(日本ダービー)やミッキークイーン(オークス、秋華賞)と同じ。
前からいくタイプで、前走も3着と好走。
ただしその日経賞ではタイトルホルダーに超えられない壁を見せつけられた格好。
ディープインパクト産駒ですし、この馬なりには頑張ってくれると思いますが、逆転があるかと言われると厳しいでしょう。

6枠12番ブレークアップ

父ノヴェリスト 松山


父ノヴェリストは重厚なヨーロッパ血統なので、サンデーサイレンスのスピードを取り入れることが配合の基本となるが、この馬にはない。
その分、アメリカ型のスピード血統でスピード力を補っているという構図。

昨秋のアルゼンチン共和国杯で優勝、今年の阪神大賞典で3着と着実に成長していますね。
脚が溜まる状態になればこの距離も問題ないということがわかったことは収穫です。
あとはメンバーレベルが上がるここでどこまで通用するか昨年末の有馬記念より楽しみは大きいです。

7枠13番ボルドグフーシュ

父スクリーンヒーロー 川田


母ボルドグザグはフランス産馬で芝1600mのフランス重賞を勝ち馬。
父スクリーンヒーローはジャパンカップ勝ち馬。
Roberto系の種牡馬らしく、産駒の活躍馬は牡馬に偏っている。

タフさがある血統で菊花賞の長距離にも対応して2着と頑張ると、暮れの有馬記念でも2着。
前走阪神大賞典でも「まだスタートに課題がある中でこの結果は立派の一言で、明け4歳。さらなる成長と共に、今年は主役を張って欲しい一頭です。」と考察し2着。
良い前哨戦になったと言えるでしょう。
血統的にここで特に強調する材料も無いですし、鞍上にも不安が大きいですが、わしの推し馬なのでここで悲願の頂点獲りを果たして欲しいです。

7枠14番マテンロウレオ

父ハーツクライ 横山典


母サラトガヴィーナスは現役時、13戦3勝(条件馬)
ダート1000m~1200mの短距離で活躍した。
3代母にはアメリカでG1を11個も勝った名牝Lady's Secretがいる。
父ハーツクライについてはこちらで解説しています。

こちらでも述べたように父ハーツクライ×母父ブライアンズタイムの組み合わせは本レース勝ち馬のタイムフライヤーと同じ。
また、母系にDanzigの血を持ってくる配合は、サリオス(朝日杯FS(G1))、カテドラル(京成杯オータムH(G3))、グラティアス(京成杯(G3))といった早期から始動できるパターンに分類。

昨年春のクラシックは負けてしまった(皐月賞12着、ダービー13着)ものの、出走できたことは立派です。
その後、リステッド競争で1着、中日新聞杯(G3)2着と力を示しました。

明け4歳となった今年の始動戦、中山金杯では5着、京都記念では2着と着実に成長しています。
そして前走の大阪杯では4着と、ついにG1で勝負ができるところまでになりました。
ここは距離適性がどうかですが、血統的にはハーツクライなので馬券内があっても驚きはないです。

8枠15番エンドロール

父ガルボ 永野


母トゥファーアウェイは不出走。
4代母にはアメリカ重賞(芝9F)勝ち馬のブロッソミングビューティがいる牝系。
父ガルボは現役時、42戦5勝。芝1200mと1600mの重賞を4勝した。
マンハッタンカフェの産駒にしては距離が短めに出た。
マンハッタンカフェは有馬記念、天皇賞春、菊花賞を勝ったサンデーサイレンスの長距離砲。
種牡馬としても天皇賞春を勝ったヒルノダムールなどを出している。
そのような父系なのでガルボから本馬のような長距離適性を持った馬が出たことは不思議ない。

前走は中山2500m戦で、追い比べを制した根性は見所がありました。
ただそれは2勝クラスでのもの
まだ4歳ということで、人馬共にここでの経験を糧にしてさらなる成長に繋げて欲しいですね。

8枠16番シルヴァーソニック

父オルフェーヴル レーン


父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。

母エアトゥーレは阪神牝馬S(G2)勝ち馬。
母母スキーパラダイスはアメリカ産馬でムーンランドロンシャン(フランスG1・芝1600m)勝ち馬。
3代母Ski GoggleはエイコーンS(アメリカG1・ダート8F)勝ち馬。
半兄(父アグネスタキオン)キャプテントゥーレは皐月賞馬。
このように超がつくほどの良血。
父オルフェーヴルはサンデー系種牡馬の中でも成長力を伝える血統。
5歳の引退レース有馬記念で圧巻のパフォーマンスを見せたように、本馬も5歳でオープン入りを果たした。
6歳になり初めて挑んだ昨年の天皇賞春では、スタート直後に落馬し終了。
しかしシルヴァーソニックはそのまま頑張りなんと2着でゴール馬を駆け抜けた。

7歳初戦となった前走のレッドシーターフH(サウジアラビアG3)では見事、海外重賞初制覇を果たしました。
血統的に馬場が重たくなっても問題はなさそうです。

8枠17番アフリカンゴールド

父ステイゴールド 国分恭


母母Danishはアイルランド馬でクイーンエリザベス二世チャレンジ(G1・芝9F)の勝ち馬。
半兄にドバイワールドCを勝ったアフリカンストーリーがいる。
父ステイゴールド×母方にデインヒルの組み合わせは、宝塚記念を勝ち、凱旋門賞で2着となったナカヤマフェスタが同じ。

このような配合なのでもともとは阪神芝2200mの舞台がベストでした。
しかし歳とともにゆったりとしたペースで走れる長い距離が合うようになってきました。
逃げて妙味がある馬ですが、今回は同型の強い馬がいる上に8歳。
普通に考えれば軽視ですが、であるがゆえに無視されてひょっこりがないかなと期待したくなります。

以上、全17頭の血統解説でした。

血統表:(C)netkeiba.com

天皇賞(春)穴馬血統

 

2023.4.28 post

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YRA@血統調査員

少しでも役立つ競馬情報を。2011年~2016年までの5年間、北海道を拠点に毎日馬のお勉強に明け暮れていました。 2023年から再び拠点を北海道に移し、血統調査員として執筆活動に邁進中! 夢は雑誌で連載すること!

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