血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
ついに2022年のG1開幕!
今週はフェブラリーステークスです。
G1恒例、Mimilyさんの枠順動画(。•̀ᴗ-)✧
血統傾向についてはこちらで解説しています。
それではダート王を探しましょう。
全頭血統考察スタート!
目次
【フェブラリーステークス(GⅠ)全頭血統考察】
1枠1番テオレーマ
父ジャスタウェイ ルメール
1枠2番ダイワキャグニー
父キングカメハメハ 三浦
父キングカメハメハは、非サンデーサイレンス系としてサンデーサイレンス系肌馬との交配でここまでの種牡馬としての地位を築いた。
成功配合パターンのほとんどが母父サンデーサイレンス系との組み合わせである。
本馬の「父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンス」という組み合わせは、
ローズキングダム(ジャパンカップ、朝日杯FS)や、ドゥラメンテ(日本ダービー、皐月賞)、ベルシャザール(ジャパンカップダート)といったG1馬を始め、活躍馬多数を輩出している父の王道配合。前回考察した毎日王冠(芝1800m)時に「2020年のエプソムカップ以来勝ち鞍からは遠ざかっており、今回その時と同じ舞台になることは好材料。」と考察したように好メンバーの中、4着と存在感を見せつけた。始動戦となった京都金杯(芝1600m)でも2着と健在ぶりをアピールしましたが、ダートではさすがに1枚落ちます。
但し、芝スタートのコース形態だけに万能キンカメには合うレースです。
2枠3番インティ
父ケイムホーム 武豊
血統背景はミスプロ直仔でナスルーラが散りばめられたスピード血脈。
Nureyevのようなナスペリオン(ナスルーラ+ハイペリオン)を持っている牝馬との配合が成功配合パターン。7連勝でこのレースを制して一気に頂点を獲った2019年時はこの後どこまで勝ちを伸ばしていくのかと大いに期待したものですが、その後低迷することに。
その2019年で勝ったフェブラリーSを最後に勝ち星からは遠ざかっていますが、年齢を重ねても上位には顔を覗かせており、頑張っています。
明け8歳ですし、全盛期より力が衰えていることは否めませんがここは相性が良いコース。もうひと花咲かせて欲しいと思っています。
2枠4番アルクトス
父アドマイヤオーラ 田辺
シンザン記念では名牝ダイワスカーレットに勝利した。
本馬に代表されるように種牡馬としてはダートのマイル以下の距離で活躍馬を出す。
もちろん自身の芝適性を伝え、オープン入りした馬も出している。芝ダート兼用種牡馬らしく、どちらも渋った馬場でもOK。このような血統なので芝スタートのダートレースであるこの舞台は適性が高そうなのだが、一昨年も昨年も9着と案外。
3度目の正直なるか。
3枠5番レッドルゼル
父ロードカナロア 川田
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
父ロードカナロアがここまで輩出しているG1馬3頭(アーモンドアイ、サートゥルナーリア、ステルヴィオ)は全てサンデーサイレンスを持つことに加え、名牝Specialを持つ種牡馬が母方に入っていることが共通点。
本馬も母方にNureyevを持っているので大物になる血統的資格は持ち合わせています。
また、母父フレンチデピュティ系との組み合わせは本馬の他にも多くの活躍馬を出している好配合。
昨年の本レース前には「父産駒の大物になる資格を有している血を保有しているので、レース後「ロードカナロア産駒初のダートG1制覇!」のニュースが飛び交っている未来が見える。」と考察したのですが、4着。
このわしの未来予測は前走のJBCスプリントで果たされることとなりました。
スプリントがベストなのは明らかですが、1600mも水準以上のパフォーマンスは発揮できる馬です。
3枠6番カフェファラオ
父American Pharoah 福永
母Mary’s Folliesはアメリカ産馬。現役時、12戦4勝(重賞勝ち馬)。
これまで日本に輸入されたAmerican Pharoah産駒のデビュー済は14頭。
そのうち12頭が勝ち上がり、さらに本馬とダノンファラオという2頭のG1馬を輩出。
かなりの高確率で日本競馬に適合していることがわかる。
これは父系にある「エンパイアメーカー(Unbridled)」や「Storm Cat」と言った日本の活躍馬におなじみの血を内包していることに起因する。
この2つの血は以前執筆した「アンディープキャット」配合のアンキャットである。
前走チャンピオンズカップ時には「このスピード血統により、芝スタートとなるフェブラリーSでは上手く先行できて初戴冠へと繋がった。そこから考えると少し割引いて考えたい。」と考察した通り11着に敗れました。
ここはベスト条件に戻るので是非とも見直したい存在です。
4枠7番タイムフライヤー
父ハーツクライ 横山武
父ハーツクライについてはこちらで解説しています。
本馬は2017年ホープフルS(G1)勝ち馬。
クラシックを戦い抜いた後、4歳時より主戦をダートに転向した。
ハーツクライの記事でも述べたように基本的に産駒は芝適性が高い。
本馬の母はブライアンズタイム産駒のダート馬だったことで、一定の能力は見せているが、これはハーツクライの種牡馬として絶対能力の高さでこなしている程度と見るのが正。
実際ハーツクライからはJRAのG1馬は出ていない。
ということでダートも器用にこなしますが、G1級だと少し落ちるとみて良さそうで血統的にはなかなか中心視はしにくいです。
4枠8番サンライズノヴァ
父ゴールドアリュール 松若
父ゴールドアリュールは「サンデー+ヌレイエフ」で、ミスプロやロベルトを持つ肌馬との組み合わせで本馬のような活躍馬が出る。
血統傾向で紹介したこのレースと好相性の父ゴールドアリュールで2020年には3着の実績あり。
明け8歳でピークは過ぎましたが、まだまだ頑張っている姿を見せてくれています。
条件が整えばもう1度上位進出もあるかもしれません。
5枠9番サンライズホープ
父マジェスティックウォリアー 大野
父マジェスティックウォリアーはアメリカ産馬でホープルフルS(アメリカG1・ダート7F)勝ち馬。
現役引退後アメリカで種牡馬入りした後に日本に輸入された。
代表産駒はベストウォリアー(マイルCS南部杯(G1))
がっつりアメリカ血統なので、サンデーサイレンス系との組み合わせは相性が良く、本馬の他にもスマッシャー(G3・ユニコーンS)やオープン馬ライトウォリアーなどが出ている。
産駒全体としてダート中距離で活躍する傾向がある。
1600mは全く合わないということはないですが、ベストとは言えないでしょう。
5枠10番スワーヴアラミス
父ハーツクライ 松田
父ハーツクライについてはこちらから
母父のSligo Bayはアメリカの芝G1(12F)勝ち馬。
ということで中距離適性は理解でき、また馬場適性は芝馬に出そうなものだが、デビューから芝では結果を出すことはできなかった。
母母にダート適性が強い血統があるのでそこの影響が色濃く出ているのだろう。
晩成傾向は父の傾向そのもので6歳となった昨年、明け7歳となった今年も重賞勝ちを収めている。
上述したような血統背景なので距離短縮が向くかと言われると疑問が残ります。
6枠11番ソダシ
父クロフネ 吉田隼人
父クロフネについてはこちらで解説しています。
母ブチコは現役時、16戦4勝(条件馬)。白毛のブチ模様で人気を博した。
母母シラユキヒメも白毛馬だった。
父クロフネは、母に「Mr. Prospector+サンデーサイレンス」を持つ馬との配合が〇で、朝日杯フューチュリティステークス(G1)を制したフサイチリシャール、NHKマイルカップ(G1)のクラリティスカイ、さらにJBCレディスクラシック(G1)を連覇したホワイトフーガもこのパターンである。
また父は産駒の活躍が牝馬に偏りがちな所謂「フィリーサイアー」でもある。
前走のチャンピオンズカップ時には「クロフネ産駒としては柔らかさが勝っているのは間違いない。ダートの上級戦で活躍するには硬さが足りない。古馬混合のダートG1ということでパワー自慢が集まるメンバー構成を考えれば、推せる材料を見つけるのは難しいというのが正直なところ。」と考察した通り、12着大敗。
芝スタートのコース形態はプラスですし、さらに雨が降って足抜きの良い馬場になれば、条件は整うと言えるでしょう。
それでどこまでダートの上位陣に近づけるか。
ここでも力の差を見せつけられるようなら芝に戻ってくれるでしょうか。
6枠12番ミューチャリー
父パイロ 御神本
種牡馬としても素直にダート適性を伝えやすく、距離は牝系との組み合わせにより短距離から中距離まで出す。
母母ゴッドインチーフはエルフィンS(OP)勝ち馬。
母父ブライアンズタイムはフロリダダービー馬(アメリカG1・ダート9F)でスタミナ色の強いRoberto系。
本馬は母母方にもこのRobertoを持っており、クロスが成立するのでそこが本馬の長めな距離適性に繋がっている。
これが本馬の適性距離=中距離の血統的根拠。ということでここは少し忙しいですね。
狙いは次走以降の距離延長でどうでしょう。
7枠13番ソリストサンダー
父トビーズコーナー 戸崎圭
現役引退後に日本で種牡馬となった。
父系がDanzig系ということで産駒は芝でも走っているが、基本的にはダート優勢。
距離適性は短距離から1800m程度までが多い傾向。
母ラヴソースウィートは中央で勝ち上がれなかったが、地方の1400~1600mで活躍した。このような父と母の組み合わせなので距離適性は1600mあたりがベスト。
前走は大敗していますが、ここへ向けての叩きだったとすればもちろん度外視で見直せます。
7枠14番ケイティブレイブ
父アドマイヤマックス 菅原明
サンデーサイレンスに母系のスピードを組み合わせた配合だ。
母父サクラローレルは天皇賞(春)と有馬記念を勝った長距離砲。
そんな父と母父の組み合わせなので距離適性は中距離で、ダート適性は母からによるもの。
晩成血統により構成された血統表なので、本馬も7歳の一昨年G1の舞台で連続2着。
8歳になった昨年は精彩を欠くレースが続き、ついに一度も馬券にはならなかった。
明け9歳。上がり目を見つけるのは難しいと言わざるを得ません。
8枠15番テイエムサウスダン
父サウスヴィグラス 岩田康
6歳時に根岸ステークス(G3・ダート1400m)に勝ち、フェブラリーSでは6着に敗れた。
その後、短距離で勝ち星を積み上げ、最後は先述したJBCスプリントを制するに至った。
そんな父を持つ本馬は1400mで勝ち星を積み上げて、前走は根岸ステークスを勝った。ということで血統的にはここは距離が長いように思え、ダートの短距離馬として今後も活躍していきそうだなぁと感じています。
8枠16番エアスピネル
父キングカメハメハ Mデムーロ
全弟エアウィンザーはチャレンジC(G3・阪神芝2000m)勝ち馬。
本馬も初期は芝で走っていた。父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンスは王道配合で、なかでも母母父ノーザンテーストはソリタリーキング(G2・東海S)と同じでダート中距離に適性が高い配合。
本馬も万能キングカメハメハの産駒らしく、芝からダートに転向しても上位の力を示し続けている。前走チャンピオンズカップ(ダート1800m)時には「ただし、現状の距離は1600mまでが合っていそうで、1800mは1F長い印象。」と考察した通り、9着に敗れました。
ということで、距離短縮で実績のある東京なら見直せます。馬場状態も不問。
以上、出走馬全16頭の血統考察でした。
https://twitcasting.tv/c:yra_uma/movie/721339952
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いつも応援ありがとうです。
2022.2.18 post
【本命確定!】
⑯エアスピネル
④アルクトス
2022.2.20 post
そしてそのダートに適性を出した本馬とマスターフェンサーはともに「Danzig」の血を持つということは覚えておきたいポイント。
晩成型の父産駒らしく、5歳の昨年は重馬場開催となったスパーキングレディー以外はパーフェクト連対だった。対牡馬という点は割引きですが、それを考慮しても今の充実ぶりは目を見張るものがありますよね。