全頭血統考察

【全頭血統考察】NHKマイルカップ2022

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血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。

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今週は世代の(マイルの)頂点を決めるレース!
NHKマイルカップです!

世代のナンバーワンが決まります。

まずは血統傾向について。

それでは最強馬候補達の
全頭血統考察スタートです!

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【NHKマイルカップ(GⅠ)全頭血統考察】

1枠1番マテンロウオリオン

父ダイワメジャー 横山典

父ダイワメジャーについてはこちらで解説しています。

母母レディパステルはオークス馬。
そのレディパステルの父トニービンの血と母父Blushing Groomの血は共にダイワメジャーと相性の良い血。
トニービンとは、高松宮記念(G1・芝1200m)を勝ったコパノリチャードやフィリーズレビュー(G2・芝1400m)を勝ったソルヴェイグ、さらにオープン馬ダイワリベラルなど輩出している。
Blushing Groomとは、阪神ジュベナイルフィリーズとNHKマイルCを勝ったメジャーエンブレム、ダービー卿チャレンジトロフィー(G3・芝1600m)を勝ったロジチャリスなどを輩出している。
このようにダイワメジャーの成功配合パターンで、デビュー戦こそ2着に敗れたものの中1週で挑んだ格上挑戦の1勝クラスを勝ちきった。
シンザン記念時には「再びの距離延長がどうかだが、2~3歳戦に強いダイワメジャー産駒だけに旬は今だ。」と考察し見事1着。
その後前走のニュージーランドTを2着としてここへ。
血統的にも合うこの舞台でもちろん軽視する血統的理由は1つもありません。

1枠2番ソネットフレーズ

父エピファネイア 横山武

スーパー良血で世代ナンバーワンの可愛さを誇る。
デビュー戦も期待通りの走りを見せてくれ、続くスーパーG2・デイリー杯2歳Sでは馬場の悪い内側を通りながらも勝ったセリフォスとタイム差なしのクビ差2着と頑張った。
その後、頓挫があり桜花賞は見送ることになりこちらに回ることになった。
世代上位の力は明らかだが、どこまで本調子に戻っているかが鍵。
持ち前の可愛さと頑張り屋な気性でカバーして欲しい。
とにかく無事に頑張って!

2枠3番ソリタリオ

父モーリス 鮫島駿

母母ライラプスはG3クイーンカップ勝ち馬。
3代母フサイチエアデールはこのシンザン記念(G3)を始め、重賞を3勝というしっかりとした牝系。
父モーリスはサンデーを持ちつつ非主流の血統。
その為、配合は牝系に主流血統を持ってくることがセオリーとなる。
本馬の母はキンカメにサンデーサイレンスという日本の2大主流血統を持つ血統なのでこのセオリ-に合致。

シンザン記念時には「モーリス産駒はなかなか勝ちきれない特徴もあるが、デビューからここまで崩れていないし、ここも堅実に走ってきそう。モーリス産は中京1600mでの複勝率が高いことも心強い。」と考察し2着。
その後前走は皐月賞トライアルのスプリングSに出走するも10着。
これが適性ということでしょう。
これで人気が落ちるようならマイルに戻るここは色気を持って見守りたいです。

2枠4番セリフォス

父ダイワメジャー 福永

↓本馬は血統注目馬としてデビュー前に下記の通り考察しました↓
『母シーフロントはフランス産馬で現役時、23戦5勝(オープン馬)。
現役引退後、日本に輸入されて繁殖牝馬となった。
繁殖として本馬が2頭目。1つ上の半兄(父オルフェーヴル)は勝ち上がっている。
血統背景は父Le Havre(~Blushing Groom~Red God~ナスルーラ系)と母父Freedom Cry(~Nureyev~ノーザンダンサー系)の組み合わせ。

父ダイワメジャーに母系Blushing Groomを持つ馬の組み合わせは、コパノリチャード(高松宮記念)、メジャーエンブレム(阪神JF、NHKマイルC)といったG1馬を始め、活躍馬を多く輩出している相性の良い配合。

半兄は中距離で走っているが、本馬は父がダイワメジャーに変わったことで距離適性は短めに出ていそう。
2~3歳戦に強い父の産駒だけに本馬も初戦から期待したい。』
↑期待通りデビュー戦を勝つと初重賞挑戦となった新潟2歳S、デイリー杯2歳Sを連勝。
前走朝日杯FSでもドウデュースに最後かわされたといは言え、2着と力を示しました。
次走は安田記念を予定しており、そこへは世代の頂点として堂々と挑みたいところです。

3枠5番キングエルメス

父ロードカナロア 坂井

父ロードカナロアについての詳細はこちらをご覧下さい。

母ステラリードは函館2歳S(G3・芝1200m)勝ち馬。
父ロードカナロアの大物輩出配合は名繁殖Specialの血を増強すること。
母方にSadler’s Wellsを持つのは皐月賞馬のサートゥルナーリアと同じ。
またこのサートゥルナーリアとは母父がスペシャルウィークという点でも一致している。
このような大物輩出配合で本馬も重賞を制覇。
その重賞が芝1400mだったように、単純に「マイルまでの父×スプリント重賞を勝った母」の配合なのでベストは1400mまでという結論で良いのではないでしょうか。

3枠6番トウシンマカオ

父ビッグアーサー 戸崎圭

母ユキノマーメイドは現役時31戦4勝(条件馬)
中距離戦線で活躍し、重賞にも出走した経歴を持つ。
半兄(父タイキシャトル)ベステンダンクはオープン勝ち馬。
父ビッグアーサーはサクラバクシンオー産駒の高松宮記念勝ち馬で、今年の新種牡馬。
朝日杯FS時には「このような血統構成なので距離はマイルまでは持ちそうで、仕上がりも早いが上級クラスとなると前走のような距離短縮の方が良さそう。」と考察し6着。
その後クロッカスS(L・芝1400m)を勝ち、前走ファルコンS(G3・芝1400m)で5着ですからやはり適距離の評価は間違ってなさそうです。

4枠7番タイセイディバイン

父ルーラーシップ 松若

父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。

母ダイワスピリットは現役時2勝。
母母ロンドンブリッジはファンタジーS(G3・芝1400m)勝ち馬で桜花賞2着。
父ルーラーシップは非サンデー系種牡馬なのでサンデー系牝馬との交配が中心。
本馬の母父ダンスインザダークはサンデー直仔でキンカメ系種牡馬との交配は相性が良い。
キンカメ×ダンスインザダークの組み合わせではラブリーデイ(天皇賞秋、宝塚記念)やユーキャンスマイル(阪神大賞典)などが出る。
ダンスインザダークは菊花賞馬なので距離が延びる方に出る。
父ルーラーシップもキンカメの長距離担当種牡馬。

ということでここまでは母母ロンドンブリッジの特徴が色濃く出ていると思われます。
成長と共に距離も延びていきそうで完成はまだ先にありそうです。

4枠8番アルーリングウェイ

父ジャスタウェイ 藤岡祐

父ジュスタウェイについてはこちらで解説しています。

母アルーリングライフは現役時25戦4勝(条件馬)。
母母アルーリングアクトは小倉2歳S(G3、当時3歳S)勝ち馬。
ジャスタウェイの牝駒は1600m以下で活躍する傾向にあり、本馬も1200mでデビュー勝ち。
その後、距離を1Fずつ延ばしながらエルフィンS(L)を勝ち、桜の切符を手にした。
その桜花賞時には「1600mで勝ったとは言え、本質的にはもう少し短い距離が良さそうに見えるので頂点の舞台ではちょっと見劣るというのが正直な印象です。」と考察して8着。
今回も引き続き最高峰のG1ということでその見立てを変えるつもりはありません。

5枠9番ダンテスヴュー

父キングカメハメハ 吉田隼

父キングカメハメハは2004年のダービー馬。
種牡馬として2011・12年にはランク1位に輝き、多くの後継種牡馬を輩出。
サンデーサイレンスに並ぶ日本の主流血統である。
母クロウキャニオンは繁殖として多くの活躍馬を輩出している。
配合は初仔以外ずっとディープインパクトをつけており、本馬はその初仔以来のキングカメハメハとの交配。
その初仔キラウエアはダートでオープンまで出世。
その他は半兄(父ディープインパクト)ヨーホーレイクなど芝での活躍が目立つ。
父がキンカメに戻ったことで本馬もダートかなとデビュー前に思っていたのですが、未勝利を芝で勝ち上がると前走きさらぎ賞(G3)でも2着。

父がディープインパクトから変わってもこうしてクラシックの舞台にやってくる産駒を送り出すわけですから、クロウキャニオンの繁殖力は本当に目を見張るものがありますね。

前走の皐月賞で10着だったことからこれ以上の距離延長&相手関係は厳しいと判断したのでしょう。
ただいきなり初めてのマイルがG1の舞台というのは疑問が残ります。

5枠10番カワキタレブリー

父ドレフォン 菅原明

父ドレフォンは種牡馬として本馬の世代が初年度となる。
初年度産駒から皐月賞馬ジオクリフを輩出し、最高のスタートを切った。
母父ディープインパクトとの交配でも既に勝ち上がりが出ている。
ドレフォンはStorm Catの系統となる。ディープインパクト×Storm Catはキズナを始め多くのG1馬を輩出した黄金配合。
ということで、この組み合わせはその黄金配合の父と母父を逆にした形となるので相性は良いのではないかと推察される。

シンザン記念では8着、そしてアーリントンでは11着と世代上位とはまだ少し力差があるというのが正直な感想です。

6枠11番インダストリア

父リオンディーズ レーン

半兄(父ロードカナロア)にマイラーズC(G2)を勝ったケイデンスコール。
父リオンディーズは名牝シーザリオの息子で、エピファネイアの半弟。
サンデーサイレンスのクロスが成功パターンで、本馬も母父がサンデー直仔のハーツクライ。
未勝利(東京)→オープン(中山)と連勝で皐月賞トライアルの弥生賞へ駒を進めた。

その弥生賞時には「ここまで見た感じ1800mがベストのように見えるので1F長くなるのがどうか。」と考察し5着。
その結果を受け、マイル路線のこちらへと照準を変えました。
適性的にはその判断は正しいと言えそうです。

6枠12番セイクリッド

父アメリカンペイトリット 菊沢

5代母にイギリス重賞(G3・芝10.5F)勝ち馬でイギリスオークス3着のLast Featherがいる牝系。
父アメリカンペイトリットはアメリカ産馬。現役時の主な勝ち鞍はメーカーズ46マイルステークス(アメリカGI・芝8F)
父系の血統背景はWar Front~Danzig~ノーザンダンサー系のライン。
日本でもおなじみのDanzig系の血統となるのでマイルが基軸となる。
現時点での中央で勝ち上がっている全8頭のうち6頭がサンデーサイレンスを持つ牝馬との交配。
やはりアメリカンペイトリオット自身がサンデーサイレンスを持たないので、ここは素直にサンデーサイレンスを取り入れることがセオリーとなる。
本馬の母父はサンデー直仔の宝塚記念勝ち馬マーベラスサンデー。

ということで芝のマイル~2000mくらいで走れそうな配合なのですが、デビューから連続してダートを使われて勝ち上がりました。
本レースとも相性の良いDanzigを内包していますし適性はありそうなのですが、初芝がいきなりG1というのがどうしても敬遠してしまいますよね。

7枠13番ジャングロ

父More Than Ready 武豊

全兄のTom's Readyはアメリカ重賞(ダート7F)勝ち馬。
父More Than Readyはアメリカ産馬で、キングズビショップS(アメリカG1・ダート7F)勝ち馬。
アメリカの短距離馬らしく、種牡馬としても仕上がりの早さを伝える。
本馬で芝適性を出しているように種牡馬としては芝ダート兼用。

母系にあるDeputy Ministerの血はクロフネの父系で東京マイルの適性が高いです。
ただし、本馬の場合はこの最上級の舞台では1F長い印象があることは否めません。

7枠14番フォラブリューテ

父エピファネイア 大野

父エピファネイアについてはこちらで解説しています。

母ブルーメンブラットはマイルCS(G1)勝ち馬。
ということで父×母のキャロットクラブG1配合ということになる。
母父アドマイヤベガはサンデー直仔なので、エピファネイア配合の定番であるサンデーの3×4のクロスがある。
3走前のアルテミスS(G3)では不利がありながらの5着。
そして2走前の紅梅S(L)ではきっちりと差し切った。

そして本番の桜花賞時には「1600mのアルテミスSは上述したように不利によるものだと判断しているので、距離が合わなかったということはないと思っています。配合的にここで激走があってもおかしくはない存在です。」と考察しましたが、直線で伸びず14着大敗。
レース自体が後ろからいった馬には厳しいものだったこともあるのでもう一度見直す余地はあります。

7枠15番オタルエバー

父リオンディーズ 横山和

父リオンディーズは種牡馬としてこの世代が2世代目。
キンカメ×シーザリオということで距離の融通が利く産駒が多い。
本馬は母父のRedoute's Choiceはデインヒル~Danzigのライン(大系統ノーザンダンサー系)。
オーストラリアのスピード馬で1200~1600mのG1を3勝。
このような血統背景で本馬は仕上がりも早くデビュー戦を解消。
2戦目で挑んだ初重賞新潟2歳Sでは3着に敗れたが、これは結果的に勝ったセリフォスが強すぎた。
その後、自己条件をちゃんと勝って暮れの大一番へ。
その朝日杯FSでは「あの時より強くなった姿をセリフォスに見せたいところだ。」と考察し、12着。
結果的に世代上位の力を再度見せつけられる形となりましたが、3歳始動戦となったファルコンS(G3)では3着。
一歩ずつ前進する姿には好感が持てますね。再び世代上位との戦い、今回はどうでしょうか。

8枠16番プルパレイ

父イスラボニータ Mデムーロ

母マイジェンはアメリカ重賞勝ち馬。
現役引退後、日本に輸入され繁殖牝馬となっている。
父イスラボニータはフジキセキ-サンデーのラインで皐月賞(芝2000m)を制していながら、成長と共に適性距離は短縮していった。
産駒にも豊富なスピードを伝えそうで、ここまで見る限りはその予測の通りになっている。
デビュー以来、マイルを使われてきており、未勝利と1勝クラスを逃げて連勝で突破。
暮れの大一番朝日杯FSを8着とした後は、クロッカスS(L・芝1400m)2着、ファルコンS(G3・芝1400m)1着。
現状1400mがベストということでしょう。

8枠17番ステルナティーア

父ロードカナロア 池添

父ロードカナロアについての詳細はこちらをご覧下さい。

G1馬ステルヴィオ(マイルCS)の全妹。
ステルヴィオはロードカナロアの大物輩出パターンであるSpecial牝系のクロス(Nureyev≒Fairy King)持ち。
その兄ちゃん同様に本馬も前走サウジアラビアRCに出走し2着。
ステルヴィオが負けた相手は朝日杯FS(G1)でも後塵を拝することになるダノンプレミアムだった。
本馬は牝馬で、アルテミスSで負けた相手は牡馬。
ということで前走の阪神JF時には評価していたのですが結果は案外の7着。
前走チューリップ賞では減った馬体がどこまで戻っているか注目していたのですが、11着でした。
そういう状況なのでここで一変があるかと言われるとなかなか難しそうに思います。

8枠18番ダノンスコーピオン

父ロードカナロア 川田

母レキシールーはカナダの生産馬で、アメリカ重賞(芝8F~9F)勝ち馬で、3代母Favored Oneはアメリカのダート重賞(8.5F)勝ち馬という牝系。
父ロードカナロアについてはこちら

ここでも述べたようにロードカナロアの大物輩出配合は名牝Specialの血を増強すること。
本馬は母方にSadler’s Wellsを持つので皐月賞馬のサートゥルナーリアと同じ。
2歳マイル王決定戦の朝日杯FS時には「サンデーサイレンスを持たない点は不安点だが、前走1800mからの距離短縮はロードカナロア産駒だけにプラスに働きそう。」と考察し3着と頑張った。
その後3歳の始動戦をクラシックの登竜門、共同通信杯に選択しましたが、7着と負けると矛先をマイル路線に絞りました。
そうして前走のアーリントンCをきっちり勝ちきってここへ駒を進めたわけですから、やはりこの路線が合っているということでしょう。
将来的にはスプリント路線でも活躍していそうです。

以上、全18頭血統考察でした。

血統表:(c)netkeiba.com

↑今週のツイキャスは史上初スペシャルな展開!
日曜日までの限定公開です。

【YRAとみっちゃんの予想対談】

G1企画実施中!
ソネットフレーズ」ってコメントしてね(^^ゞ
締め切りはレース当日の13時までです。
是非お願いします(>_<)

2022.5.6 post

【血統評価】

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YRA
YRA

SSS評価

②ソネットフレーズ

 

S評価

①マテンロウオリオン

④セリフォス

⑦タイセイディバイン

 

評価

③ソリタリオ

⑨ダンテスヴュー

⑪インダストリア

⑱ダノンスコーピオン

2022.5.8 post

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YRA@血統調査員

少しでも役立つ競馬情報を。2011年~2016年までの5年間、北海道を拠点に毎日馬のお勉強に明け暮れていました。 2023年から再び拠点を北海道に移し、血統調査員として執筆活動に邁進中! 夢は雑誌で連載すること!

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