血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週はAJCCが開催されます。
それでは血統考察していきましょう!
目次
【AJCC血統傾向】
□Robertoとノーザンテースト
2022年(良)
1、ロードカナロア
2、ステイゴールド R ノ
3、キングカメハメハ R ノ
2021年(不良)
1、エピファネイア R
2、ドリームジャーニー ノ
3、ノヴェリスト
2020年(稍)
1、ハービンジャー
2、ステイゴールド R ノ
3、ノヴェリスト
2019年(良)
1、マンハッタンカフェ
2、ディープインパクト
3、ゼンノロブロイ R
2018年(良)
1、ルーラーシップ ノ
2、トーセンホマレボシ ノ
3、ステイゴールド R
2017年(良)
1、ゼンノロブロイ
2、ディープインパクト R
3、ドリームジャーニー ノ
2016年(良)
1、ディープインパクト
2、ブライアンズタイム R
3、ステイゴールド ノ
2015年(良)
1、キングヘイロー ノ
2、シンボリクリスエス R
3、ジャングルポケット
ポイントの血は「Roberto」と「ノーザンテースト」
8年連続で馬券圏内に入着している「Roberto」は1勝2着5回3着3回の計9頭が持っていた血。
「ノーザンテースト」は2019年こそ馬券圏内に来なかったものの、2勝を含むこちらも計9回馬券圏内に入着。
両者ともさすが「中山巧者の血」といったところです。
昨年2着のマイネルファンロンと3着のボッケリーニはこのRobertoとノーザンテーストの血を両方とも内包していました。
今年の出走馬の中で2つの血を内包するのは、ノーズブリッジとユーバーレーベンが該当します。
また、この中山芝2200mに相性が良い種牡馬も、やはりこれら「中山巧者の血」を持つ馬。
Roberto系種牡馬であるエピファネイアが良績を残しています。
今年の出走馬の中でエピファネイア産駒は、アリストテレスとエピファニーがスタンバイしています。
以上、血統傾向についてでした。
2023.1.19 post
【AJCC全頭血統考察】
アリストテレス
父エピファネイア 横山和
父エピファネイア×母父ディープインパクトの配合は、この馬やオーソクレース、ディヴァインラヴといった菊花賞で馬券になる配合。
共通点として「Sadler’s Wellsのクロス」があるので、母父ディープインパクトとの配合ではセットで覚えておきたいポイント。
昨年は目黒記念17着、京都大賞典11着、有馬記念14着と精彩を欠きました。
年が明けて状態をどこまで上げることができているかがポイントです。
エヒト
父ルーラーシップ 田中勝
母ヒーラは現役時3勝(条件馬)。短距離戦線で活躍した。
父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。
父ルーラーシップ×母父ディープインパクトの組み合わせは、菊花賞馬のキセキと同じ。
さらにこの組み合わせで母が短距離というのはオープン馬アンティシペイトも同じ。
昨年は七夕賞(福島・芝2000m)で重賞初制覇。
前走チャレンジC(阪神・芝2000m)で3着としたように力をつけてきています。
明け6歳、血統的にもうひと成長があっても良いですよね。
但し、ベストは阪神のような気はします。
エピファニー
父エピファネイア 戸崎圭
父エピファネイアについてはこちらで解説しています。
母ルールブリタニは現役時、3戦1勝。
勝ち鞍は芝1800m
繁殖として本馬が初仔。
母母ミュージカルウェイはフランス重賞を3勝し、繁殖としてオークスと秋華賞を勝ったミッキークイーンを輩出している。
父エピファネイア×母父ディープインパクトの組み合わせは、このレースを勝ったアリストテレスと同じ。
アリストテレスはSadler’s Wellsのクロスがあるが、本馬はNureyevを内包。
NureyevはSadler’s Wellsと3/4同血の間柄なので、ニアリークロスを持つと言える。
未勝利戦から破竹の4連勝でオープン入り。
重賞初挑戦の為、強気なことは言えないが、血統からは強気にいってほしいです。
オウケンムーン
父オウケンブルースリ 北村宏
母ムーンフェイズは現役時16戦3勝(条件馬)
父のオウケンブルースリはジャングルポケット~トニービンと続く東京巧者の血統で、自身も現役時にジャパンカップであのウオッカをハナ差まで追い詰めたほど。
本馬もその流れを受け継いでおり、3歳時に東京で重賞(G3・共同通信杯)を制覇。
また古馬になって唯一馬券圏内となったレースも東京コースによるもの。
母系にも日本の主流血統サンデーサイレンスを持たないので、上級クラスではこのあたりで頭打ち。
明け8歳で1年ぶりのレースですし、ここでいきなり激走するイメージはちょっと持ちにくいです。
ガイアフォース
父キタサンブラック ルメール
お母さんのナターレは地方重賞戸塚記念(ダート2100m)を勝ちました。
繁殖としても地方で走っている馬を多く出しています。
お父さんのキタサンブラックは古馬G1を7勝した国民の愛馬です。
その父ブラックタイドは名馬ディープインパクトの全兄という血統となっております。
種牡馬としてこの世代が初年度産駒です。
この馬の母父クロフネはディープインパクトと相性が良く、ダービー馬マカヒキやショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞)などを輩出しています。
先ほど述べたようにおじいちゃんのブラックタイドはディープインパクトと同血となるので、クロフネの血はキタサンブラックとの交配でも相性が良い可能性があります。
昨年セントライト記念の時には「父キタサンブラックは自身が古馬になって本格化したように成長力があるので、これからのさらなる飛躍に期待が持てる。」と考察し見事1着。
その後最後の一冠、菊花賞に挑み結果は8着。
血統的に距離は大丈夫そうでしたが、結果として少し長かった印象です。
ということで、セントライト記念と同じ舞台に変わるのはプラス評価できます。
シャムロックヒル
父キズナ 藤懸
父キズナについてはこちらで解説しています。
母ララアはハリウッドスターレットS(アメリカG1・AW8.5F)勝ち馬。
ディープインパクト×母父Tapitの組み合わせはグランアレグリアが同じでキズナはそのディープインパクトの息子。
「父と相性の良い血は息子とも相性が良い可能性が高い」パターンの配合だ。
そこに本馬はSadler’s Wellsなので適距離がキズナ産駒にしては長めに出ている。
中山も悪くはないが、マーメイドSを逃げ切ったようにベストは阪神でしょう。
スタッドリー
父ハービンジャー 坂井
父ハービンジャーについてはこちらで解説しています。
母ウインフロレゾンは現役時、19戦2勝。
勝ち鞍は芝1600mと2400m
父ハービンジャーに母がサンデーサイレンス+Nureyevを持つ組み合わせは、G1馬ペルシアンナイト(マイルチャンピオンS)、ディアドラ(ナッソーS、秋華賞)と同じ成功パターン。
前走阪神芝2200mを勝ってオープン入り。
同距離を走れるのは良いが、重賞初挑戦となるので少し時計がかかる馬場になるなど、後押しが欲しいところ。
ノースブリッジ
父モーリス 岩田康
父モーリスが「ロベルト系とノーザンテースト」の組み合わせということで、3歳の時には中山適性の高さを見せていた。
古馬になり母父アドマイヤムーンが出てきた感があり、東京2000mの条件戦を勝ちオープン入り。
そのままエプソムC(東京芝1800m)も、好位から直線の追い比べを抜けだし優勝しています。
モーリスの5歳ということで、さらなる成長が期待できますし、今年はG1でも勝負できるようになって欲しいです。
バビット
父ナカヤマフェスタ 横山典
ナカヤマフェスタの産駒で日経賞(G2)を制したガンコとはMill Reef~Never Bendを持つ点が同じで、このNever Bendは他にも多数複数勝ち馬を輩出しているナカヤマフェスタとのニックスな血となる。
良馬場でも水準以上の力はあるが、ラジオNIKKEI賞の時のように馬場が渋ればより追い風となる。
昨年は屈腱炎明けで、実に1年7ヶ月ぶりの出走となりました。
その復帰戦がここと同舞台であるオールカマーで4着。
ここも期待を持って見守りたいです。
ブラックマジック
父ディープインパクト 三浦
母ナイトマジックはドイツ産馬で、現役時20戦7勝(海外)
主な勝ち鞍は、ドイツG1・バーデン大賞(芝2400m)とドイツオークス(芝2200m)。
繁殖として新潟ジャンプS(G3)を勝ったフォイヤーヴェルクを始め、6頭を輩出し5頭が勝ち上がっている。
4代母Novelleもドイツオークス(当時G2)勝ち馬という牝系。
ディープインパクト×母父Sadler’s Wells系の組み合わせは、オークス馬シンハライトと同じで、距離が長めに出やすい。
本馬も中距離以上を主戦場にしており、中山芝2200mは3勝クラスを勝ってオープン入りを果たした舞台です。
オープンクラスになってまだ馬券内になったことがないだけに、得意舞台に変わることはプラス評価できます。
ユーバーレーベン
父ゴールドシップ Mデムーロ
父ゴールドシップについてはこちらで解説しています。
母母にフラワーC(G3・芝1800m)を勝ったマイネヌーヴェルがいる牝系。
父ゴールドシップはステイゴールドの直仔でサンデーサイレンス系の長距離砲。
3歳時は東京が合っていましたが、年齢と共に変わってきているように見えます。
血統から中山が合うようになってくる頃合いかもしれません。
ラーゴム
父オルフェーヴル バシュロ
母シュガーショックはアメリカのダート中距離重賞の勝ち馬。
母母母Unbridled Hopeもアメリカのダート中距離重賞勝ち馬。
このようにパワーが勝った背景にある牝系が血統的素地。
父オルフェーヴル産駒のG1馬2頭はエポカドーロとラッキーライラックでこの2頭は母系にフォーティナイナーを持つという共通点がある。
本馬もこの鉄則に従って母系にフォーティナイナーを持っている。
昨年4歳時はダートに転向すると、オープン勝ちから重賞でも2着2着3着と結果を残したています。
芝ダート兼用馬としての力を示しており、今年は前走中山金杯で再び芝でのスタートとなりました(結果9着)
まだ明け5歳なのでもうひと成長を期待したいですが、現状は頭打ち感が否めません。
レインカルナティオ
父ルーラーシップ 石川
父ルーラーシップについてはこちらで解説しています。
母リビングプルーフは現役時、24戦3勝。
勝ち鞍は芝1000~1200m
繁殖としてクイーンC(G3)を勝ったテトラドラクマ(父ルーラーシップ)を出しているので本馬はその全弟となる。
父ルーラーシップは非サンデーサイレンス系なのでサンデーの血を注入することがセオリー。
またキンカメ系種牡馬らしくNureyevの血を増強することで成功しやすい。
本馬の母父父にあるFairy Kingは3/4同血。
昨年オープンまで出世しましたが、重賞ではアルゼンチン共和国杯時11着、そして明け6歳の今年初戦である中山金杯では12着と壁に跳ね返されています。
もう少し力をつける必要がありそうです。
レッドガラン
父ロードカナロア 田辺
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
父ロードカナロア×母父シンボリクリスエスはオープン馬ダノンスプレンダーと同じ。
ダノンスプレンダーは日本の主流血統サンデーサイレンスを持たず、適性がダートに出ているが、本馬は母母父にサンデーサイレンスで芝向きに。
さらにNijinskyが1本なので、早め先行から持続力で押し切るタイプ。
芝での上級クラスで頭打ちとなったことから昨年暮れにはダートに新味を求めて転向しましたが、結果は出ていません。
昨年金杯を勝っているのでこの時期の中山芝は合っていますが、明け8歳なので衰えが気になるところです。
以上、全14頭の血統考察でした。
血統表:(C)netkeiba.com
2023.1.20 post
【AJCC穴馬】
2年連続で穴を明けたポイントの血はMill Reef
2022年マイネルファンロンは11番人気で2着
2021年ラストドラフトは6番人気で3着でいずれもこのMill Reefの血を内包していた。
今年の出走馬でMill Reefを持つ馬は・・・
レインカルナティオとレッドガランが該当します。
以上となります。
今週もエンジョイ競馬よろしくです(^^ゞ
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2023.1.21 post
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