「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週は春の女王決定戦!
ヴィクトリアマイルが開催されます!
しっかり予想していきましょう。
目次
ヴィクトリアマイル血統傾向
□断然ディープインパクト
2022年(良)
1、クロフネ
2、キズナ
3、ダイワメジャー
2021年(良)
1、ディープインパクト
2、ディープインパクト
3、ディープインパクト
2020年(良)
1、ロードカナロア
2、ディープインパクト
3、ハービンジャー
2019年(良)
1、ハービンジャー
2、ディープインパクト
3、ステイゴールド
2018年(稍)
1、ディープインパクト
2、ハーツクライ
3、ディープインパクト
2017年(稍)
1、ステイゴールド
2、メイショウサムソン
3、ディープインパクト
2016年(良)
1、フジキセキ
2、ディープインパクト
3、ディープインパクト
2015年(良)
1、フジキセキ
2、キングカメハメハ
3、スズカマンボ
今週は傾向からプラス血統とマイナス血統について解説します。
まずはプラス血統からです。
過去8年で最も相性の良い血は、種牡馬王ディープインパクトで2勝・2着4回・3着4回の計10頭が馬券圏内に入着。
特に2021年はディープインパクト産駒でワンツースリー独占でした。
しかも同産駒は、2021年10番人気で2着のランブリングアレー、2018年8番人気で1着のジューンポレール、同年7番人気で3着のレッドアヴァンセ、2017年7番人気で3着のジューンポレールと人気薄でも馬券になっています。
今年の出走馬でディープインパクト産駒は、
ルージュスティリアが該当します。
また、種牡馬新時代に突入中と言うことで、新興勢力も取り上げておこうと思います。
4年目となるドゥラメンテは東京芝1600m全体の成績で勝率13%連対率25%複勝率33%と好成績を残している為、注目しておきたいです。
ドゥラメンテ産駒は
スターズオンアース
サウンドビバーチェ
となります。
最後にマイナス血統についても解説します。
ミッキーアイルは過去3年で全21頭が東京芝1600mに出走しているのですが、勝ち上がったのはなんと1頭のみ。
ディープインパクト×Danzigの配合で自身が東京芝1600mのG1・NHKマイルCを制しているだけに、この条件が得意なイメージを持ってしまいがちだが、現実は勝率4.7%と苦戦しています。
今年のミッキーアイル産駒は、
ナムラクレア
ララクリスティーヌ
この3頭が該当しています。
但し!
先ほど「この条件で勝ち上がったのは1頭のみ」と述べた1頭はなんと、ここに出走しているララクリスティーヌになります。
よってこのララクリスティーヌはマイナス血統からは除外したいと思います。
ヴィクトリアマイル全頭血統解説
アンドヴァラナウト
父キングカメハメハ 吉田隼
母グルヴェイグはマーメイドS(G3・阪神芝2000m)勝ち馬。
牝系はエアグルーヴ~ダイナカールと言った超良血系。
父ディープインパクト×母父キングカメハメハの組み合わせはブラヴァス(新潟記念(G3))や同レースに出走しているアールドヴィーヴルと同じで血統的には中距離適性が高そう。
昨年のヴィクトリアマイルは期待を持って見ていましたが、結果は14着。
騎手が上手く乗れなかったと認めていたように力負けではないでしょう。
前走阪神牝馬sでは出遅れながらも5着。
ベスト舞台は東京の中距離だと思っているので本質的には1~2F長いです。
ただ東京というのは合っているので昨年よりはやれるはずです。
イズジョーノキセキ
父エピファネイア 岩田康
母キングダンサーは現役時、15戦1勝。
父エピファネイア×母父キングカメハメハの配合は三冠牝馬デアリングタクトを始め、活躍馬多数の黄金配合。
この馬はエピファネイア産駒の多くに見られる、サンデーサイレンスのクロスが無い分、成長はじっくりで5歳の昨年ピークを迎えた。
有馬記念で4着と頑張ったので少し迷うとこですが、やはりベストは中距離と思っています。
マイルは少し短いですが、前走よりも溜めて終いが活きるレースが得意なので東京は合うでしょう。
クリノプレミアム
父オルフェーヴル 松岡
父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。
母ダンシングクイーンは現役時、4戦1勝。
3代母にはアメリカのG1を6勝(芝9F~10F)した名牝Possibly Perfectがいる牝系。
父オルフェーヴル×母方にGone Westを持つ組み合わせは、シャインガーネット(G3・ファルコンS)やジャスティン(G2・東京盃)と同じ。
成長力のあるオルフェーヴル産駒らしく5歳の昨年、重賞で連続連対(中山牝馬S1着、福島牝馬S2着)と充実していた。
G1ヴィクトリアマイルとエリザベス女王杯ではともに大敗(16着、11着)と壁を感じた。
今年初戦の中山金杯では「G3なら見直せるが、成長力がある血統と言えど牝馬で明け6歳がどうか。」と考察しましたが2着と好走。
まだまだ健在ぶりをアピールした。
前走福島牝馬sでも3着と頑張りましたが、内容としてはなかなか我慢が効かないのかなと思いましたので、マイルは1F短いかなといった印象は拭えませんでした。
1800mがベストではないでしょうか。
サウンドビバーチェ
父ドゥラメンテ 松山
母スクービドゥーはイタリア重賞(芝1600m)勝ち馬。
父ドゥラメンテはキングカメハメハにサンデーサイレンス、さらに牝系はエアグルーヴという超良血。
種牡馬として良いスタートを切ったばかりの昨年(2021年)、まさかの死去。
これからの期待を大いに背負っていただけに惜しまれる。
ドゥラメンテ×母系デインヒルの組み合わせは初年度産駒にオープン馬アスコルターレを出しているので相性が良さそう。
本馬も母母父にデインヒルなのでこれと合致している。
昨年のクラシック戦線時から「配合面からはやはりベストは1600mあたりかなぁという気はしています。」と考察していた通り、前走阪神牝馬Sでは見事1着となりました。
この血は東京マイルも合っていますし、前走から連勝で戴冠があっても不思議はありません。
サブライムアンセム
父ロードカナロア 三浦
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
母パストフォリアはオープン馬。
母母ハッピーパスは京都牝馬S(G3)勝ち馬で3歳時には桜花賞にも出走した(4着)。
このような牝系にロードカナロアを配しているので当然距離は短めということになる。
昨年の段階では1400mあたりが一番合っていましたが、成長と共に母父シンボリクリスエスが少し出てきたのかベスト距離が1F延びてきたように思えます。
先週上位人気で期待されながら結果を残せなかった三浦君、まさかここで?!
スターズオンアース
父ドゥラメンテ ルメール
母母スタセリタはフランス産馬でG1を6勝した名牝。
父ドゥラメンテは「キンカメ×アドマイヤグルーヴ」という超良血。
昨年のクラシック開幕前には世代のモノサシ的存在だったが、桜花賞→オークスを制し見事2冠に輝いた。
これで父ドゥラメンテは初年度産駒から2年連続でクラシック馬を送り出すことに。
三冠を狙った秋華賞では出遅れもあり3着。
但し、オークス後の骨折のことを思えば良く頑張ったと言えるでしょう。
三冠全てで馬券内はポテンシャルの高さの表れです。
前走大阪杯では「阪神芝2000mはドゥラメンテは得意舞台。あとは上の世代との力差がどうかでしょう。」と考察し2着でした。
東京芝1600mは引続き合う舞台ですし、女同士の戦いならここは譲れません。
スタニングローズ
父キングカメハメハ 坂井
母母ローズバドはフィリーズレビュー(G2・芝1400m)勝ち馬でオークスと秋華賞で2着。
3代母ロゼカラーはG2芝1400mのデイリー杯3歳Sを勝った馬で秋華賞では3着に入着。
いわゆる「華麗なるバラ一族」と呼ばれる牝系。
キングカメハメハに母父クロフネなのでハヤヤッコ(レパードS(G3))に代表されるようにパワーに富んだ配合となっている。
さすがにこの馬の牝系から「ダートが良いよ」とまでは言わないが、馬場は渋った方が良いタイプ。
3歳時はクラシック戦線で好走し、秋は秋華賞で悲願のタイトルを獲得しました。
前走中山記念では「古馬になりましたし、血統的には中山1800mが本質的に合っていそうなのでここは中心視しています。」と考察し5着でした。
力がある馬ですが、やはりここは少し短いかなと思っています。
ステラリア
父キズナ 団野
父キズナについてはこちらで解説しています。
母ポリネイターはイギリス芝マイル重賞の勝ち馬。
父キズナは重厚な血を母方に内包しているので配合の際はスピードを取り入れることが肝要なのでこの組み合わせはまぁまぁ理に適っていると言って良いだろう。
母父MotivatorはSadler’s Wells~ノーザンダンサー系のライン。
わしはこの馬は現役馬の中で最も苦手です。
評価した時には凡走し、評価を下げた時には好走されます。
まったく掴めていないのでこの馬の評価はあてにしないで下さい(苦笑)
ですが一応今回も評価はしますね。
「マイルは少し短いと思うので稍重~重馬場なら好走できそう。」
今回はこれでお願いします。
ソダシ
父クロフネ レーン
父クロフネについてはこちらで解説しています。
母ブチコは現役時、16戦4勝(条件馬)。白毛のブチ模様で人気を博した。
母母シラユキヒメも白毛馬だった。
父クロフネは、母に「Mr. Prospector+サンデーサイレンス」を持つ馬との配合が〇で、朝日杯フューチュリティステークス(G1)を制したフサイチリシャール、NHKマイルカップ(G1)のクラリティスカイ、さらにJBCレディスクラシック(G1)を連覇したホワイトフーガもこのパターンである。
また父は産駒の活躍が牝馬に偏りがちな所謂「フィリーサイアー」でもある。
昨年のヴィクトリアマイルでは「前走フェブラリーSでは、芝スタート+得意なマイル戦がハマった感じだったので、純粋な芝マイルに戻るここで再びG1馬の輝きを取り戻して欲しいと思っています。」と考察し見事3度目の戴冠でした。
その後、昨秋のマイルCSでも3着と好走しています。
ということでここでの適性の高さは疑いの余地がありませんが、懸念点は休み明けということです。
調教とパドックをしっかりチェックしましょう。
ソングライン
父キズナ 戸崎圭
母ルミナスパレードは現役時4勝(条件馬)。
母母ルミナスポイント5勝したオープン馬。
いずれもダートの短いところで活躍した。
父キズナはディープインパクト×Storm Catの黄金配合馬で後継種牡馬。
種牡馬としてはディープインパクトにパワーを加えたイメージでダートも走れるし、芝の道悪も大丈夫。
配合的に母方にスピード血脈を持ってくることは成功パターンで、本馬もこの傾向には合致している。
昨年ヴィクトリアマイルでは勝ち馬からコンマ3秒差の5着。
そしてその後の安田記念では、相手が牡馬に変わりレベルは上がりながら、見事優勝しました。
ここ2戦は距離適性がベストでは無かったので、度外視で良いでしょう。
ディヴィーナ
父モーリス Mデムーロ
母ヴィルシーナはヴィクトリアマイルを連覇。
父モーリスはサンデーサイレンスを持ちつつ、非主流な血統で構成されており、本馬の母父はサンデー系の大将ディープインパクト。
この組み合わせはファルコンS(G3・芝1400m)を買ったルークズネストと同じ。
またこのルークズネストとは母系にNureyevを持つことでも合致している。
モーリスは母系にNureyevと3/4同血のSadler’s Wellsを持つ。
同じ系統の種牡馬であるエピファネイアもこの(ニアリー)クロスを持つことで成功馬を輩出中。
父モーリスの産駒らしく、一戦ごとに力をつけてきて4歳の昨年オープン入り。
その後重賞戦線では頭打ち感が否めません。
血統的にはこの舞台で爆発してもおかしくないんですけど。
ナミュール
父ハービンジャー 横山武
父ハービンジャーについてはこちらで解説しています。
母サンブルエミューズはフェアリーS(G3)3着で、3代母キョウエイマーチは桜花賞馬という牝系。
半兄(父ノヴェリスト)にはオープン馬ヴェスターヴァルト。
ハービンジャーに母系フレンチデピュティ系の組み合わせは、ノームコア(香港C、ヴィクトリアマイル)やサトノアリシア(コスモス賞(OP・芝1800m))などが出ている。
昨秋のエリザベス女王杯はスタートが悪く、道中不利を受けた中で5着と頑張った。
昨年クラシック戦線でも主役級の活躍をして戴冠まであと一歩です。
わしのハービンジャー産駒の総括として「母方の適性を活かす」としているのですが、本馬は母父がダイワメジャー。
それ故にマイルが合っていますし、前走東京新聞杯でも2着でした。
ここが目標だったわけですから前走からの上積みもあるでしょうから楽しみです。
馬場は重たくならない方が良いでしょう。
ナムラクレア
父ミッキーアイル 浜中
3代母Coup de Genieはアメリカ産馬でフランスG1のモルニー賞(芝1200m)とサラマンドル賞(芝1400m)勝ち馬。
父ミッキーアイルはディープインパクト直仔でマイルCSとNHKマイルCの勝ち馬。
この世代が2年目産駒。初年度からメイケイエール(チューリップ賞)を出している。
このメイケイエールに代表されるようにサンデーサイレンスのクロスは成功パターンになりつつあるが、そのクロスを持つことで気性がかなり荒くなる可能性は高まる。
本馬はそのサンデーの父Haloのクロスなので気性はそこまでキツくない。
ディープ系種牡馬なので、ディープインパクトと相性が良い血との組み合わせで活躍馬を輩出する可能性が高い。
ただし、Storm Catは今のところ低調。今後巻き返してくると思っているが果たして?
2歳時から阪神JFで5着、3歳の昨年は桜花賞で3着、古馬相手となったスプリンターズSでも5着、そして前走高松宮記念では2着。
G1まであと一歩です。
ですが、古馬となった今は適性がハッキリとスプリントですし、ここは長いと思います。
ララクリスティーヌ
父ミッキーアイル 菅原明
母スーパーマダムは現役時、9戦1勝。
勝ち鞍は芝2000m
父ミッキーアイルはディープインパクト直仔でマイルCSとNHKマイルCの勝ち馬。
母父Roberto系との組み合わせは、オープン馬ウィリアムバローズと同じ。
堅実さが売りでいつも安定した走りを見せていましたが、前走京都牝馬Sでは最後まで伸びて初タイトルを手にしました。
血統傾向の項でも述べたように本来ミッキーアイルは東京で割引なのですが、この1600mで唯一勝ったのはこのララクリスティーヌなのでこの馬に関しては血統面で評価を下げる理由はありません。
ルージュスティリア
父ディープインパクト 川田
母母にアメリカの芝9Fと10FのG1を3勝したチャンピオンホースWandestaがいる牝系。
ディープインパクト産駒で完成度を早めるには母にノーザンダンサーのクロスを持つことがセオリー。
父×母父Storm Cat系の組み合わせはスーパー黄金配合。
G1馬だけで、キズナ(日本ダービー)、エイシンヒカリ(イスパーン賞(仏G1)、香港C(香港G1))、リアルスティール(ドバイターフ(ドバイG1))、サトノアラジン(安田記念)、ラキシス(エリザベス女王杯)、アユサン(桜花賞)、Study of Man(ジョッキークラブ賞(仏G1))、ラヴズオンリーユー(オークス)がいる。
Blushing Groomを持つ馬との配合も相性良く、ミッキークイーン(オークス、秋華賞)、マカヒキ(日本ダービー)、Beauty Parlour(フランス1000ギニー)等、国内外に活躍馬が多数。
このように父ディープインパクトおける成功ポイントをおさえた配合。
昨年クラシック戦線では、本番の舞台には届きませんでしたが、その後3連勝でオープン入りを果たしました。
G1で好勝負するにはまだ経験を積みたいところですが、ここにベストな血統であるディープインパクトなので血の爆発に期待したくなります。
ロータスランド
父Point of Entry 横山典
父Point of Entryはアメリカの芝中・長距離レースでG1を5勝したRoberto系。
パワーとスタミナを兼ね備えた血統で、昨年菊花賞に出走したエアサージュを出している。
本馬の場合は母父系のヨハネスブルグが出て適性距離が短くなった。
条件戦からオープンまでを3連勝したレースはいずれも渋った馬場でのもの。
このあたりはRobertoのクロスが効いていると見て良さそう。
そのため、昨年の高松宮記念では「今週末の天気は微妙そうなので、この馬にとってはプラスになりそうです。」と考察して2着
そして前走今年の高松宮記念では「今年も重たい馬場になりそうでチャンスがありそうです。」と考察し6着と頑張りました。
ということでここでも変わらず、渋った1200~1400mがベストという評価です。
以上、全16頭の血統解説でした。
血統表:(C)netkeiba.com
ヴィクトリアマイル穴馬血統
過去5年で6番人気以降の人気薄が馬券になったのは、2020年以外の4年で全部で5頭。
1頭は穴馬が来るイメージです。
そのうちの3頭、
2022年6番人気で3着になったレシステンシア
2021年10番人気で2着になったランブリングアレー
2019年11番人気で3着になったクロコスミア
この馬達はSadler’s Wellsの血を持っていました。
さらに2018年8番人気で1着になったジューンポレールはFairy Kingの血を持っていたのですが、このFairy KingはSadler’s Wellsと同血となります。
ということで人気薄で馬券になった5頭のうち4頭が似通った血を持っていたということになります。
Sadler’ s Wellsは大系統ノーザンダンサー系のヨーロッパ型の血で、底力を補強し大舞台に強いという特徴があります。
その為、混戦模様のこの牝馬決戦の舞台で躍動するというわけです。
今週の出走馬でSadler’s Wellsを持つ穴馬は、
イズジョーノキセキ(14番人気)
ステラリア(11番人気)
ディヴィーナ(16番人気)
この3頭となります。
(人気は5月11日時点想定オッズ)
良かったらチェックしてみて下さい!
2023.5.12 post