血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
さぁ競馬の春がやってきた!
その開幕戦は電撃スプリント、高松宮記念です。
今年のスプリント王になるのは誰だ?!
血統傾向についてはこちらで解説しています。
それではスプリント王候補達の
全頭血統考察スタートです!
目次
【高松宮記念(GⅠ)全頭血統考察】
1枠1番サリオス
父ハーツクライ 石橋脩
父ハーツクライについてはこちらで解説しています。
母サロミナは現役時、ドイツで5戦4勝。
主な勝鞍はドイツオークス(G1)芝2200m
父ハーツクライと母系にNijinskyを持つ馬との組み合わせは、
アドマイヤラクティ(コーフィールドカップ(オーストラリアG1))やメイショウナルト(七夕賞(G3)、小倉記念(G3))がいる。
さらに母系にデインヒルを持つ馬との組み合わせでは、
アドマイヤミヤビ(クイーンカップ(G3))やグレイル(京都2歳S(G3))がいる。
ハーツクライ産駒は晩成傾向にあるが、母にノーザンダンサーのクロスを持つことで完成を早める。
先述した4頭も母がノーザンダンサー系のクロス持ちで、この点は本馬とも合致する。
3歳より4歳、4歳より5歳という産駒が多いのがハーツクライなのでこの馬も成長力という観点から魅力は充分です。
前走はマイルチャンピオンシップを叩いてからの香港で3着に上昇。
使いながら仕上がっていくことを改めて証明しました。
そういう意味ではここは休み明けとなるので、そこがどうでしょうか。
1200m初参戦となります。
1枠2番ナランフレグ
父ゴールドアリュール 丸田
母母ビューティークロスは現役時芝短距離で4勝(条件馬)。
父ゴールドアリュール×母父ブライアンズタイムの組み合わせは、ダートG1を勝ちまくったエスポワールシチーと同じ。
このエスポワールシチーに代表されるように父ゴールドアリュールの産駒は9割以上がダートでの勝ち鞍による。
そんな中で本馬は珍しい芝馬で、これは先述した母系の適性が色濃く出ている為と思われる。
6歳となった今年、重賞を3着2着と安定感が増してきました。
その持ち味がこの最高峰の舞台でも発揮できるか注目です。
2枠3番シャインガーネット
父オルフェーヴル 田辺
父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。
母ベルベットローブは現役時ダートで3勝(条件馬)。
母母VerbasleはアメリカG1・メイトロンS(ダート7F)2着に入着した実績を持つ。
半兄(父フジキセキ)にアドマイヤサガス(G3・北海道スプリントC)がいる。
父オルフェーヴル×母父Mr. Prospector系の組み合わせは、ショウリュウイクゾ(日経新春杯(G2))、ジャスティン(東京盃(G2)、カペラS(G3))、バイオスパーク(福島記念(G3))などを輩出しているオルフェーヴル配合の成功パターン。
前走シルクロードステークス時には「中京は3歳時にファルコンS(G3・芝1400m)を勝っているように相性が良い舞台。馬場が重たくなるようならチャンスはありそう。」と考察し、重くならなかった馬場で2着と頑張りました。
この舞台への適性が高いのかもしれません。だとすればここも期待できますよね。
2枠4番ライトオンキュー
父Shamardal 横山典
父Shamardalはフランスダービー(芝2100m)とフランス2000ギニー(芝1600m)勝ち馬。
母父Raven’s Passはブリーダーズカップクラシック(AW10F)、クイーンエリザベスⅡ世ステークス(芝8F)勝ち馬。
日本ではスプリンターズSを勝ったタワーオブロンドンの父としても知られる。
父と母父ともに自身の競争成績は中距離での活躍があるが、血統には豊富なスピードがあり、それが種牡馬として産駒に伝えられているケースが多い。
そんな配合なので本馬もデビューから一貫して短距離が主戦場で活躍してきました。
7歳になり、さすがに上位陣とのスピード比べでは分が悪いので少しでも時計がかかる馬場になることを望みます。
3枠5番レイハリア
父ロードカナロア 亀田
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
母母母ティアラはオープン馬(カーネーションC(OP・芝1600m)勝ち)。
母系の血統表からは短距離馬の要素はなく、配合面でも父ロードカナロア×母父マンハッタンカフェからは本馬の他に3勝馬クロミナンスがいるが、勝ち鞍は芝2000mと芝1800mと短距離要素は薄い。
ということは父が色濃く出ていると考えるべきで、今年の勝ち上がりから3連勝で一気の重賞制覇(葵S)を果たすと、G3キーンランドCも制した。
前走京阪杯は疲れもあったのか、らしさが見られず大敗しました。
そこからリフレッシュしてここに挑むので、人気が落ちた今が狙い目かもしれません。
3枠6番サンライズオネスト
父ダイワメジャー 武豊
父ダイワメジャーについてはこちらで解説しています。
父ダイワメジャー×母父ジャングルポケットの組み合わせは、フィリーズレビュー(G2・芝1400m)、函館スプリントS(G3・芝1200m)勝ち馬のソルヴェイグと同じ。
昨年オープン入りすると、初重賞挑戦となった富士S(G2)では11着と重賞の壁に跳ね返されました。
その後、オープン(1着)重賞(3着)と着実に力をつけてここに。
現状の力で上位陣にどこまで通用するのか楽しみです。
4枠7番レシステンシア
父ダイワメジャー ルメール
父ダイワメジャーについてはこちらで解説しています。
母マラコスタムブラダはアルゼンチンのG1勝ち馬(ヒルベルトレレナ大賞・芝2200m)
父ダイワメジャーと母父デインヒル系の組み合わせは、JBCスプリント(ダートG1)を制したブルドッグボスと同じ。
このブルドッグボスとはNijinskyを持つ点でも合致しており、実は本馬のデビュー前にわしは、ダートで活躍しそうと考察していました。
結果的には母の芝適性の方が色濃く出ていますが、このような血統背景なので力が要る馬場でもその能力は削がれることなく、発揮できています。
3歳時はマイルを主戦場に活躍していましたが、4歳になった現在はより短い距離へとシフト中。
方向転換しても常に上位争いする姿勢に変わりはなし(前走は香港スプリントでも2着)。
本当に偉い馬ですよね。
勝ちきれないのは古馬のダイワメジャーゆえでしょう。
⇒詳しくはこちら
4枠8番ジャンダルム
父Kitten’s Joy 荻野極
母ビリーヴはスプリンターズSと高松宮記念勝ち馬。
父Kitten’s JoyはセクレタリアトS(芝10F)とターフクラシック招待S(芝12F)を勝ったアメリカの芝チャンピオン。
種牡馬としてもリーディングになったことがあるアメリカを代表する芝馬。
そんな父なので自身の特徴としては比較的距離の守備範囲は広め。
本馬は完成度の早さからデビュー時クラシックに歩を進めることこそできたものの、日本の主流血統が集う本番では見せ場が無かった。
その後、成長と共にスプリンターの母の色が濃くなってきて、スプリンターとして完成。
母はこの舞台(スプリンターズS・中山芝1200m)を勝っており、本馬も前走オーシャンS(G3)を制覇。
今年は昨年よりも良い状態で望めそうで、上位陣にどこまで通用するか楽しみです。
5枠9番ロータスランド
父Point of Entry 岩田望
父Point of Entryはアメリカの芝中・長距離レースでG1を5勝したRoberto系。
パワーとスタミナを兼ね備えた血統で、昨年菊花賞に出走したエアサージュを出している。
本馬の場合は母父系のヨハネスブルグが出て適性距離が短くなった。
条件戦からオープンまでを3連勝で制したように阪神は得意。
ちなみにこの3レースはいずれも渋った馬場でのもの。
このあたりはRobertoのクロスが効いていると見て良さそう。
今週末の天気は微妙そうなので、この馬にとってはプラスになりそうです。
5枠10番キルロード
父ロードカナロア 菊沢
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
母キルシュワッサーは現役時、32戦4勝(条件馬)
4代母にアメリカ重賞(ダート7F)勝ち馬のBliteyがおり、5代母にはアメリカG1勝ち馬のLady Pittがいる牝系。
父ロードカナロア×母父サクラバクシンオーの組み合わせは、同じく本レースに出走するファストフォースと同じで、他にもオープン馬ペプチドバンブーがいる。
初重賞挑戦となった前走オーシャンSでは6着とまずまず頑張りました。
このコースに相性の良いロードカナロアですし、このレースに相性の良いDanzigの血を内包。
血統的には期待できる一頭です。
6枠11番クリノガウディー
父スクリーンヒーロー 松岡
父スクリーンヒーロー産駒の活躍馬は代表産駒モーリス(GⅠ6勝)やゴールドアクター(有馬記念)を始め、牡馬がズラリ。
これはロベルト系種牡馬の多くに見られる特徴。
父×母父ディアブロの組み合わせは、シンザン記念(G3)を勝ち馬のグァンチャーレを始め勝ち上がり率の高い好相性な配合。
ちなみにこのディアブロと同じDevil’s Bag系のロージズインメイとの配合でもマイネルグリット(小倉2歳S(G3))など活躍馬を輩出しているのでこの系統との配合は好相性とみて良い。
5歳になった昨年本格化を迎えましたが、下期になると低迷。
スクリーンヒーロー産駒なので中山はプラスですが、近走を見るとちょっと終わってしまった感がありますよね。
6枠12番エイティーンガール
父ヨハネスブルグ 秋山真
父ヨハネスブルグは現役時、BCジュヴェナイル(アメリカG1・ダ8.5F)、ミドルパークS(イギリスG1・芝6F)、モルニ賞(フランスG1・芝1200m)、フィーニクスS(アイルランドG1・芝6F)と芝・ダートのG1を4勝。
現役引退後種牡馬入りすると、その後2010年に日本に輸入され2019年に引退。
父ヨハネスブルグ×母父アグネスタキオンの組み合わせは本馬の他にも福島2歳オープン(OP)を勝ったジャカランダシティやジュニアC(OP)を勝ったテンクウを始め、多数の複数勝ち馬を出しており勝ち上がり率も高い好相性の配合。
また、Woodmanの血はホウライアキコ(デイリー杯2歳S(G2)、小倉2歳S(G3))やタガノブルグ(橘S(OP))も持っておりニックス。
このように本馬は父配合における効果的な血を持っている。
ヨハネスブルグ産駒らしく洋芝が得意なので、通常の芝の場合は渋った方が良いです。
11月の京阪杯でも勝ったようにまだまだ活躍しているのですが、G1となるといつも足りないんですよね。
7枠13番トゥラヴェスーラ
父ドリームジャーニー 鮫島駿
3代母フィールディはアメリカの芝重賞(8F~9F)を4勝し、4代母Gramyはフランスの芝重賞(2150m、2500m)2勝という牝系。
父ドリームジャーニーは「ステイゴールド×メジロマックイーン」の黄金配合で、グランプリホース(有馬記念、宝塚記念)。
母父アドマイヤコジーンは安田記念勝ち馬で、高松宮記念とスプリンターズSで2着という1200~1600mで活躍した馬だった。
そんな父×母父の組み合わせで、本馬も1200~1600mで活躍しているので母父の影響が色濃く出ているとみるべきだろう。
ドリームジャーニーは成長力のあるステイゴールド系でアドマイヤコジーンが安田記念を制したのは6歳の時。
そんな配合通り本馬も明け7歳の前走阪急杯で2着と好走。
昨年の本レースでも4着に好走していますし、ここも楽しめそうです。
馬場は重たい方がベターでしょう。
7枠14番ダイアトニック
父ロードカナロア 岩田康
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
父が非サンデー系で母にサンデー系を持ってくるという基本に忠実な配合。
そこへStorm Birdのクロスというスピードを増強させた形で父に似た短距離馬として完成している。
この馬自身短距離重賞を3勝してG1・高松宮記念で3着と実績はこの中でも上位。
昨年骨折明け11ヶ月ぶりに復帰すると、その後着実に力を取り戻してきました。
体制が整って2年ぶりのこのレースということで楽しみは大きいです。
7枠15番ファストフォース
父ロードカナロア 柴山
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
母ラッシュライフは函館2歳S(G3・芝1200m)とファンタジーS(G3・芝1400m)で2着。
半兄(父ディープインパクト)に新潟記念(G3・芝2000m)を勝ったアデイインザライフがいる。
本馬は父がロードカナロアに変わったということでロードカナロア×母父サクラバクシンオーという新旧スプリント王配合。
このような配合で本馬は素直にスプリンターに出た。
血統的には中山が合いそうに見えるのですが、昨年のこのレースと前走オーシャンSを見る限り、中山適性が高いとは思えないです。
8枠16番ダイメイフジ
父アグネスデジタル 小沢
4代母にケンタッキーオークス(アメリカG1・ダート9F)とサンタスサーナS(アメリカG1・8.5F)勝ち馬のBlush With Prideがいる牝系。
父アグネスデジタルは芝ダート兼用種牡馬で、本馬も芝ダートの両方でオープンクラス勝ちの実績がある。
ということで能力の高さは疑いようがありませんが、明け8歳。
かれこれ1年以上馬券になっていませんので、G1の舞台であるここでいきなり激走があるかと言われるとなかなか想像するのが難しいと言わざるを得ません。
8枠17番メイケイエール
父ミッキーアイル 池添
牝系は母シロインジャー、母母ユキチャン(関東オークス(G2))、母母母シラユキヒメという白毛一族。
ちなみにこのシラユキヒメの仔ブチコはソダシの母。
ディープインパクトのマイラー仕様であるミッキーアイルにさらにDanzig(デインヒル)をクロスさせて、よりスピードとパワーを補完した形。
これは本馬と同期のミニーアイルも同じ。
父配合の成功パターンの1つと言って良いだろう。
ちなみにこのミニーアイルも癇性が強い。
これはクロス過多により気性がドギツくなっている為であるが、それが爆発力に繋がっているという側面もある。
桜花賞の時に、「デビューして間もなくスプリント戦を使っていたように、気性のことを考えれば適性はそこにあるでしょう。」と考察した通り、スプリンターズSでは4着と前進しました。
そこから前走同距離のシルクロードステークスで見事重賞4勝目となったのですが、やはり気性を思えば現状この距離が良いのでしょう。
重賞をこれだけ積み上げた馬ですから、あと欲しいのはG1のタイトルだけです。
8枠18番グレナディアガーズ
父Frankel 福永
母ウェイヴェルアベニューはカナダ産馬で現役時、20戦7勝(海外)。
主な勝鞍はBCフィリー&メアスプリント(アメリカG1・ダート7F)
父Frankelはイギリス産馬で現役時代、14戦14勝(海外)。
イギリス1000ギニー、サセックスS、インターナショナルSを始めG1を計10勝。
世界的な歴史に残る名馬である。
血統系統は父Galileo(Sadler’s Wells~ノーザンダンサー系)という重厚な欧州血統だが、その中でも種牡馬としては軽めの芝向きで、それが日本で活躍馬を送り出している背景になっている。
(日本ではソウルスターリング(阪神JF、オークス)、モズアスコット(安田記念)、そして本馬(朝日杯FS)といった3頭のG1馬を輩出。)
母方にあるUnbridledとDeputy Ministerといった血は日本で走る多くの活躍馬の母系に入っているおなじみの血。
Blushing Groomはスピードの持続力に長けた血。
短距離的なスピードというのは、気性によるところが大きく作用している場合もあり、このBlushing Groomはまさにこのパターン。
その理由は同馬が持つ「Wild Risk」によるもので、この血は狂気と呼ばれる程の激しい血。
競走馬として魅力的な爆発力を持つ一方で、狂気的な面が出てしまった時には脆い一面も。
Blushing Groomのクロスを持つ以上、このリスクは常につきまとうので馬券検討の際には常に頭の片隅に置いておく方が良い。
前走の阪神C(芝1400m)では出遅れるも直線で延びて優勝。
上述した通り血統的に脆い一面があるのは事実ですが、前走からさらに1Fの短縮はそういう面が垣間見えたとしてもなんとかなりそうでは無いかと推察しています。
以上、全18頭血統考察でした。
血統表画像元:(c)netkeiba.com
【YRAとみっちゃんの予想対談】
↑G1企画開催!
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2022.3.25 post
【本命確定!】
⑱グレナディアガーズ
⑦レシステンシア
2022.3.27 post