血統調査員のYRAです。
「血統表は競走馬の設計図!」ということで。
今週は高松宮記念の前哨戦
シルクロードステークス(G3)です。
血統傾向についてはこちらで解説しています。
それでは今週も
全頭血統考察スタート!
目次
【シルクロードステークス(GⅢ)全頭血統考察】
1枠1番レッドアンシェル
父マンハッタンカフェ 和田竜
母スタイルリスティックはアメリカ馬でアメリカ重賞(芝8.5F)3着に入着した実績を持つ。
父マンハッタンカフェが重厚なドイツ血統を持つので、本馬のようにStorm Catのスピードの血を取り入れることは◎
5歳時と6歳時にそれぞれ重賞を制しており、実績は充分だが明け8歳。
トップハンデということもあり、さすがに厳しいか。
1枠2番マイスタイル
父ハーツクライ 横山典
父ハーツクライについてはこちらで解説しています。
3代母にアメリカのダートG1を勝ちまくった名牝Lady's Secretがいる牝系。
父ハーツクライに母系にDanzigの血の組み合わせは、サリオス(G1・朝日杯FS)などハーツクライ産駒にしては早期始動の馬が出やすい。
本馬もダービーで4着と早くから活躍したが、重賞勝ちは5歳(函館記念(G3・芝2000m))になってから。
最近は距離を短縮して新味を求めているが、明け8歳で血統的にもスピードの足りなさは否めない。
但し、鞍上は不気味。
2枠3番メイケイエール
父ミッキーアイル 池添
牝系は母シロインジャー、母母ユキチャン(関東オークス(G2))、母母母シラユキヒメという白毛一族。
ちなみにこのシラユキヒメの仔ブチコはソダシの母。
ディープインパクトのマイラー仕様であるミッキーアイルにさらにDanzig(デインヒル)をクロスさせて、よりスピードとパワーを補完した形。
これは今年本馬と同じく桜花賞に出走馬を送り出した同産駒のミニーアイルも同じ。
父配合の成功パターンの1つと言って良いだろう。
ちなみにこのミニーアイルも癇性が強い。
これはクロス過多により気性がドギツくなっている為であるが、それが爆発力に繋がっているという側面もある。
桜花賞の時に、「デビューして間もなくスプリント戦を使っていたように、気性のことを考えれば適性はそこにあるでしょう。」と考察した通り、スプリンターズSでは4着と前進した。
但し、気性難が改善されたと言える状況では無いため、なかなか馬券の中心には置き辛い存在。
能力は間違いなくあるんですけどね。
2枠4番ルッジェーロ
父キンシャサノキセキ 団野
父キンシャサノキセキについてはこちらで解説しています。
母シルヴァーカップはアイルランド産馬で、1600m~1800mの重賞を4勝。
3代母はイタリア重賞(芝1200m)勝ち馬のTarib。
母父アルムタワケルはドバイワールドカップ(ダート2000m)勝ち馬。
ということで母は牝系のスピードにアルムタワケルを配したことで1600~1800mの距離適性となった。
本馬そこにスピード馬キンシャサノキセキなのでもう一度スピードに戻すような配合と言える。
芝でもダートでもそつなくこなしオープンクラスでも度々好走している。
キンシャサノキセキ産駒らしく中京は得意で、昨年も12番人気ながら6着と頑張った。
今年は昨年以上の結果を期待。
3枠5番タイセイアベニール
父ベーカバド 幸
4代母スカーレットインクはダイワメジャー、ダイワスカーレット、ヴァーミリアンなど数々の活躍馬を輩出している所謂「スカーレット一族」の牝祖。
父ベーカバドはパリ大賞典(フランスG1・芝2400m)を勝っているが、デビュー戦を1200mで勝利したように、Green Desert系のスピードがある。
全体的にその血統傾向が産駒にも受け継がれているケースが多く、芝の短距離輩出種牡馬のイメージ。
本馬もその傾向に違わず、芝1200mが主戦場。
オープンでは好走するのだが、重賞では度々その壁に跳ね返されている。
ここ2戦オープンで上位に食い込んでいるので調子は良さそう。
展開に恵まれればそろそろ上位入線があっても良いのでは。
3枠6番ホープフルサイン
父モンテロッソ 太宰
父モンテロッソはイギリス産馬で、ドバイワールドカップ(G1・AW2000m)勝ち馬。
産駒にも中距離適性を伝えるケースが多い。
母のステラーホープが芝とダートの1200mで計2勝を挙げているので本馬の短距離適性は母方によるものか。
非サンデー系の父なので母方にサンデー系を取り入れることは素直にプラス。
本馬は母母父がサンデーサイレンスだ。
オープンクラスでの勝ち鞍が無いので実績的には見劣る。
適性的に中京が得意かというとそれも無さそう。
4枠7番ショウナンバビアナ
父ディープインパクト 川島
母母Desert Stormerはアメリカ馬で、BCスプリント(アメリカG1・ダート6F)勝ち馬。
父ディープインパクト×母系に「Unbridled+Storm Cat」の組み合わせは、令和の三冠馬コントレイルと同じ。(いわゆるアンディープキャット配合)
コントレイルは3000mまでこなしたが、UnbridledもStorm Catもアメリカ型のスピードに富んだ血なので本質的に、本馬のような短距離馬が出ることも不思議ではない。
3勝クラスを勝ったあと、戦歴としてははっきりとオープンの壁に跳ね返されている形だが、コース相性の良い種牡馬ディープインパクトに、Storm Catの血と血統的には魅力充分。
最軽量ハンデ51kgで上位陣にどこまで抵抗できるか。
4枠8番ミッキーワイルド
父ロードカナロア 柴山
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
母はオープン馬ワイルドラズベリー(OP芝1800m・白百合S)
3代母マリスターⅡはデルマーオークス(アメリカG2・芝9F)2着に入着した実績馬。
ロードカナロア産駒の母父ファルヴラブはステルヴィオ(マイルCS)と同じ。
ステルヴィオも母母父にサンデーサイレンスが入っているので本馬とは7/8同血ということになる。
ということでどこを切っても芝適性があるはずなのだが、3歳後半からはダートに転向し4歳時にはオープン勝ちを収めている。
ロードカナロアは万能キンカメ系なのでまぁそういうことなのだろう。
このように血統的にはロードカナロアなので相性は良いが、久々の芝でしかも上級クラス。
芝のスピードについていけるかどうか。
5枠9番カレンモエ
父ロードカナロア 松山
父ロードカナロアについてはこちらで解説しています。
母カレンチャンは高松宮記念とスプリンターズSを制したスプリント女王。
父ロードカナロア×母父フレンチデピュティ系の組み合わせは、JBCスプリント(G1・ダート1400m)を勝ったレッドルゼルを始め、オープン馬アンヴァル、テーオーマルクスと同じ。
ロードカナロアは種牡馬として幅広い距離適性の産駒を出すが、この系統との組み合わせでは自身が現役時に活躍した短距離での活躍馬を輩出しやすい傾向にある。
スプリント王の父とスプリント女王の母の夢の配合ということでここを足がかりに、今年こそは頂点を奪取したい。
5枠10番ナランフレグ
父ゴールドアリュール 丸田
母母ビューティークロスは現役時芝短距離で4勝(条件馬)。
父ゴールドアリュール×母父ブライアンズタイムの組み合わせは、ダートG1を勝ちまくったエスポワールシチーと同じ。
このエスポワールシチーに代表されるように父ゴールドアリュールの産駒は9割以上がダートでの勝ち鞍による。
そんな中で本馬は珍しい芝馬で、これは先述した母系の適性が色濃く出ている為と思われる。
3走前、同じ舞台のセントウルS(G2)では重賞の壁に跳ね返されたが、前走オープンクラスを制覇。
力をつけて再び重賞の壁に挑む。
6枠11番レインボーフラッグ
父ジャングルポケット 藤井勘
3代母Smagetaはアイルランド馬でイタリア重賞(芝1600m)勝ち馬。
父ジャングルポケットはトニービン~Grey Sovereignと続くナスルーラ系。
トニービン系らしく東京に強く、非サンデーなのでサンデー系牝馬との交配が○
本馬もオープン入りして唯一連対したのが東京コースでのもの。ベストは東京1400mか。
その他のレースでは全て着外に敗れているのではっきりとオープンの壁に跳ね返されている状況。
そんな中でも前走淀短距離S(中京1200m)は7着と、本馬なりには悪くはなかった。
軽ハンデでどこまで上昇できるか。
6枠12番レジェーロ
父キズナ 小崎
父キズナについてはこちらで解説しています。
母母タイムフェアレディはフラワーC(G3・中山芝1800m)勝ち馬。
キズナ×Danzigはキメラヴェリテ(G3・北海道2歳優駿)やケヴィン(若駒S(L))と同じで、Danzigはキズナの父ディープインパクトとも相性の良い血。
キズナ産駒は中京で得意な傾向が多いが、本馬の場合前走の中京での大敗をどう見るか。
7枠13番エーポス
父ジャスタウェイ 亀田
母母Tadwigaはイギリス産馬でアイルランド重賞(8F)勝ち馬。
半兄(父ロードカナロア)はオープン馬カイザーミノル。
父ジャスタウェイ×母方にMr.Prospectorを持つ馬はチャレンジカップ(G3)を勝ったロードマイウェイやシルクロードステークス(G3)を勝ったアウィルアウェイが同じで父と相性の良い血。
アウィルアウェイと本馬が短距離に出ているように、ジャスタウェイ産駒は牝馬は短距離に出やすい。
3歳時にフィリーズR(G2)を勝っているが、成長力のあるハーツクライ系らしく4歳になってももう1つオープン勝ちを積み重ねた。
明け5歳、もうひと成長があるようであれば久々の重賞制覇も視界に入る。
7枠14番マイネルアルケミー
父ダンカーク 国分優
父ダンカークはアメリカ産馬。Unbridled×A.P. Indyというゴリゴリのアメリカ血統で、重賞勝ちはないものの豊富なスピード力を武器にフロリダダービー(G1・ダ9F)やベルモントS(G1・ダ12F)で2着に入着した。
種牡馬としてはアメリカでG1馬を送り出したのち、日本に輸入された。
短距離から長距離まで芝ダートともに様々な産駒を送り出している。
本馬は母父フジキセキが出てスピードが勝った短距離馬に。
オープン入りしても大きくは負けず善戦を続けていたのだが、近2走はその安定感が鳴りを潜めている。
7枠15番ビアンフェ
父キズナ 藤岡佑
父キズナについてはこちらで解説しています。
母ルシュクルはサクラバクシンオー産駒で、現役時、芝の短距離で活躍し、準オープンまで出世した。重賞にも3着に食い込んだ実績がある。
父キズナはディープインパクトにパワーを足したような種牡馬なので、配合時にはスピードの血を取り入れることが成功の近道。
そういう意味でスプリント王サクラバクシンオーの血はうってつけといえる。
また、母母にあるUnbridledの血はディープ系との相性が良く、キズナ方にあるStorm Catと合わせると成功配合パターン「アンディープキャット」となる。
このアンディープキャット配合は昨年3着に入着したラウダシオンと同じ。
この舞台はディープインパクト産駒と相性が良く、その仔であるキズナ産駒もまずまず。
高松宮記念も同舞台となるので、ここで好走して本番に繋げたいところだ。
8枠16番シャインガーネット
父オルフェーヴル 田辺
父オルフェーヴルについてはこちらで解説しています。
母ベルベットローブは現役時ダートで3勝(条件馬)。
母母VerbasleはアメリカG1・メイトロンS(ダート7F)2着に入着した実績を持つ。
半兄(父フジキセキ)にアドマイヤサガス(G3・北海道スプリントC)がいる。
父オルフェーヴル×母父Mr. Prospector系の組み合わせは、ショウリュウイクゾ(日経新春杯(G2))、ジャスティン(東京盃(G2)、カペラS(G3))、バイオスパーク(福島記念(G3))などを輩出しているオルフェーヴル配合の成功パターン。
中京は3歳時にファルコンS(G3・芝1400m)を勝っているように相性が良い舞台。
馬場が重たくなるようならチャンスはありそう。
8枠17番ジャンダルム
父Kitten’s Joy 荻野極
母ビリーヴはスプリンターズSと高松宮記念勝ち馬。
父Kitten’s JoyはセクレタリアトS(芝10F)とターフクラシック招待S(芝12F)を勝ったアメリカの芝チャンピオン。
種牡馬としてもリーディングになったことがあるアメリカを代表する芝馬。
そんな父なので自身の特徴としては比較的距離の守備範囲は広め。
本馬は完成度の早さからデビュー時クラシックに歩を進めることこそできたものの、日本の主流血統が集う本番では見せ場が無かった。
その後、成長と共にスプリンターの母の色が濃くなってきて、スプリンターとして完成。
先述したように母はスプリンターズSを勝っており、本馬もG1制覇が待ち望まれている。
スプリンターズS時には「ハッキリと適性は向くが、最高峰のスプリント舞台での出遅れは致命的。ゲートは課題だ。」と述べたのだが、ゲートは出た。
但し鞍上が促した割には二の脚がつかず結局後方から。
最後までリズムに乗れなかったが、このメンバーなら力は上位だろう。
8枠18番サヴォワールエメ
父ダイワメジャー 酒井
父ダイワメジャーについてはこちらで解説しています。
4代母に名繁殖Sex Appealがいる牝系。
また母父には名牝Specialがいるので、母系は血統表に名牝2頭を抱えているということになる。
この2頭を持つ配合馬と言えば、名牝アーモンドアイ。
ということで余談だが、このお母さんには是非一度ロードカナロアをつけてもらいたい。
ダイワメジャー産駒の本馬は、教科書通り2~3歳戦で勝ち星を3つ積み上げた後はサッパリ・・・。
だったのだが、5歳秋になり3勝クラス・オープンを連勝して重賞戦線へ。
明け6歳となり重賞を歴戦していくことになるが、普通に考えれば出世はここまで。
今年重賞を制するようなことがあれば、それは先述した名牝の血の底力に他ならないだろう。
以上、出走馬全18頭全頭血統考察でした。
【YRAとみっちゃんの予想対談】
↑うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ。
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2022.1.28
【本命確定!】
9カレンモエ
13エーポス
2022.1.30